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2006年5月28日 (日)

ダメなパチンコ屋の話

旦那の親族はみなパチンコ屋を経営している。もちろん店名は全く違うのだけれど、同じ業者さんと付き合いがあるなど、何かしらの繋がりがあって、旦那を訪ねてきた業者さんから、義理の叔父や叔母の店がどんな雰囲気か聞くことが出来る。

今日はたまたま叔父の店の話になった。「最近、●●(叔父の店)はどうですか?」という旦那の世間話から始まったのだが、業者さんは渋い表情で答えた。

「いやぁ、あの店ヤバいですよ。あそこの主任さん、もう3ヶ月も休みがないんですよ」

……3ヵ月? 旦那も私も思わずぽかんと口を開けてしまった。3ヵ月って90日間のことだよねぇ、とお互いに耳を疑ってしまう。

「なんせ人手不足だとかで、役職が店長と主任の二人しかいないんですよ。とくに主任さんは、朝店を開けたり、ホールに出たりその他雑用もしなくちゃならないから、朝から晩まで店にかかりっきりです。代わりもいないので、もう3ヵ月お休みがないようですよ」

叔父の店は私もよく知っているのだが、パチンコスロット全台で約340台ある、中堅のパチンコ店。稼動状況にもよるけれど、ホールに出る役職が主任のみでは心もとない筈だし、役職がきちんと巡回できないような店はゴトの対象にもなりかねない。どんな店舗も、パチンコ・スロット各フロアに最低1人は主任や班長などの役職を巡回させているはずだ。そこを340台に1人しか役職を配置しないばかりか、主任はただ1人しか存在しないとは、まさに耳を疑う話なのだ。

そういったセキュリティの問題もあって休みを取りづらいのかもしれないが、だからといって3ヶ月も無休暇とは、労働基準法に反するばかりではなく、会社が社員を人間扱いしていないようで、なんとも嫌な話題だった。

「それで叔父は何も対処していないんですか?」驚きを隠せない旦那が聞くと、業者さんは苦笑して答えた。

「その主任さんもモチベーションが下がって、退職願を出したんだそうです。そしたら専務も他の人間を入れようと、主任候補を3,4人面接したらしいんですが…全員採用しないままで終わってしまいました。だから主任さん、もうすぐ辞めてしまうかもしれませんね」

絶句。

実を言うと、この義理の叔父である専務はなかなかの奇人で、親族である旦那でさえも付き合いづらいという。教養もあって物知りで、人の気持ちがわからない人間ではないのだけれど、びっくりするくらい気分屋で、突然怒り出したり笑い出したり、とにかく側に居る人間は疲れてしまう性質の持ち主だ。その上まったくと言っていいほど他人を信用しないので、誰も採用しなかったという話は実に頷ける行動なのである。

叔父に関するとんでもないエピソードは多々あって、一番衝撃を受けたのは、「面白くない台を売りつけたメーカーの営業を呼び出して怒る」というものだった新機能がついたとか、人気アニメとタイアップしたとか、とにかくヒットすること間違いないと言われて導入したのに、もう客がぶっ飛んでるじゃねぇか!!とわざわざ営業を呼び出して怒鳴りつけるというのである。

ね、スゴいでしょ?と何の自慢にもならないのだが、こういう人間がオーナーなのだから確かに店でも人の移動が激しい。同じ店長や主任が1年以上もったという話を聞いたことが無いし、社内で人材を育てるような雰囲気もシステムも作っていないために、いつも何かしらのコネで店長や役職候補をお願いするわけだが、断られてばかりだし、受け入れてくれてもやっぱり1年以上持たない。「人手不足」「店長がいない」という話は、耳にタコができるほど聞かされている話なのだ。

話をモトに戻すと、だからといって一人の社員が3ヶ月も休みがない状況は、本当におかしいわけで、問題だ。人を大切にしない会社はいつかダメになってしまう。なぜ営業できているかって、従業員がいるからだし、指導してくれる役職がいるからだと思う。現場の人間あってこその店であり会社なのに、その人たちを大切にしなかったら、店全体の雰囲気は間違いなく悪くなってしまう。

接客業って不思議なもので、店側の雰囲気ってお客に伝わるものだ。従業員が楽しそうに働いていないと、イベントにもなんとなく期待が持てない。彼らが楽しく働けるように、最低限の待遇を与えることは会社の責任だ。その上で従業員に接客や、台トラブルや、ホール巡回の仕方を教えないと、ヤル気も何も芽生えないと思うのである。

とくに接客やホール巡回で、その店の営業姿勢が垣間見えてしまうことだってある。店員に接客を教える店っていうのは、まず接客業としてきちんと営業していきたい姿勢があるわけだし、もちろんそういう余裕があるからできることなのだ。売り上げといった、金銭の余裕も多少絡んでいるけれど、こういったことは「人手不足」の店ではまずできない。なぜなら余裕が無いから。その日の呼び出しランプに必死に対応することしかできないから。

店選びって、立地だとかイベントだとか、いろんな選択肢があるわけだけれど、居心地も重要なポイント。だから接客をきちんと教育できない店の稼動は、少なくとも地域一番ではない。とどのつまり、叔父の店は稼動が減っているのだと私も旦那も予想した。

「調子悪いんだね、●●(叔父の店)…」旦那ががっくりしたように呟いて、その話題は終わったわけだけれど、こういう店が意外と多いことは皆さんもご存知だと思う。もちろんパチンコ店や接客業に関わらず、社員をマトモに扱わない会社は多い。でも、現場の人間を大切にしなければ業績はかならず伸び悩む。そのことを理解しない経営者は、仕事ができない奴だと蔑まれても仕方のない人間なんじゃないだろうか…なんてことを思った一日なのだった。

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