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2006年7月11日 (火)

朝鮮総連、民団の「白紙撤回」を非難

今日の昼、朝鮮総連は民団による「和解白紙撤回」の方針を取り消すよう、ホームページ上にその談話文を掲載した。やれやれ、今朝ようやくこれら二つの団体に関して書いたと思えば、これである。手をつけてしまった話題なので、皆様にきちんと報告したい。

談話文は8日付けとなっているが、今日初めて公の場に発表された。朝鮮総連中央本部の副議長を務める李沂碩氏によるもので、これまた非常にご立腹のご様子である。急な民団の和解白紙撤回声明を「総連側に何ら事前協議もなく『白紙撤回』を内外に公言したことは、組織としての初歩的な常識と道理すら欠くことと言わざるをえない」と非難し、「在日同胞社会の和解と和合を求める同胞に対する許しがたい背信であり、挑戦である」とその怒りをさらけ出している。そしてこの撤回の背景には民団組織内の反統一勢力がおり、彼らが暗躍したためだと指摘している。

このことに関してはあながち間違いではない。李副議長言うところの、「破廉恥な振る舞い」であったか不明ではあるが、和解に関して民団内がもめたのは事実だ。もちろん成立後も和解への疑問は飛び交っていた。白紙撤回の背景にはこれら和解に懐疑的な姿勢の方々がいることも、容易に想像ができる。

しかし、民団本来の姿勢を考慮するとしごく当然の「白紙撤回」なのである。彼らは祖国の分断を憂いながらも、北朝鮮国家に対しては批判的な姿勢を貫いていた。戦後より開始された北への「帰国運動」に真っ向から反対し、帰国する人々が乗車する列車の線路上にまたがい、身体を張って帰国を止めるというアプローチも行った。北朝鮮は地上の楽園はおろか、まさに地獄であると訴え続けてきたのである。また昨今は脱北者の保護にも積極的で、衣食住の完備や生活費の補助、さらには日本語の教育、行政機関の説明など、日本政府に代わり至れり尽くせりの対応をしてきた(総連との和解後、一時停止されていたようだが。総連は脱北者を『裏切り者』と認識しているため)。そして拉致問題に関しては、ぜひ民団のホームページを一度ご覧になっていただきたい。北朝鮮をどれだけ非難し、朝鮮総連に「問題解決に協力せよ」と投げかけていることか。

民団の方針は、あくまで日本人と在日韓国人の共栄であって、それを脅かす行為は存在してはならないのだ。拉致事件その他の問題が解決しない最中に、ミサイルを発射する国及びそれを支持する団体などと和解はできまい。そして一般の在日韓国人の平穏な暮らしを守るためにも、団体として取るべき行動をとったまでだ。組織として一貫性のある、非常に優れた決断ではないか。

話を元に戻そう。李副議長は今回のミサイル発射に関し、このように位置づけている。「民団がわが国において自衛的措置として行われた正常な軍事訓練であるミサイル発射と…」下線部、注目していただきたい。北朝鮮幹部の見識と全く同じ内容を述べているのである。いやはや、これまた、まったく…つまり朝鮮総連はこのような団体なのだ。彼らは日本に在住していながらも、このご時世に北朝鮮の国旗を振り続けるのである。

一般の朝鮮籍の方々は、どのような思いなのだろう。北朝鮮を祖国と信じてやまない方もいれば、日本での暮らしを大切にしたい方もいるだろう。また北朝鮮に郷愁を感じながらも、日本の生活に愛着を覚え苦悩する方もいるかもしれない。思いは様々だろうが、これら一般の在日朝鮮人の生活を支えるための団体はもはや存在しないのだ。他国、また敵対関係にある国に籍を置く人間として、それなりの苦労は覚悟するべきではあるが、さすがに同情を禁じえない。国民を守らぬ祖国や団体を背景に、一般の在日朝鮮人はどこを故郷だと思えばよいのだろう。まさにデラシネとなりつつある彼らが気の毒である。

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コメント

毎度です。私の近所のパチンコ屋の某オ-ナ-は、比較的手広く経営している傍ら(関東圏には進出していないが)朝鮮総連に所属し要職に着いていたが解任されたそうです。理由は、そのオ-ナ-が会議の席上とある事を進言した事にトップが反感を抱き解任したらしい。会議の席上での発言はあくまでも批判としてとるのではなく意見として取るべきではないか?朝鮮総連上層部特有の思想は理解しずらい。オ-ナ-が要職を解任された事で
一番困惑しているのは、朝鮮学校である。
なぜならば朝鮮学校にオ-ナ-は多大な援助をこれまで支援していたので今後援助が凍結するのではないかという一抹の不安があると聞いた。
到底理解出来ない団体である。

投稿: 白壁 | 2006年7月11日 (火) 23時53分

なるほど、民団ってそういった団体だったのですね。今回はいろいろ知る事ができました。
イメージ的に朝鮮総連と同じような団体ってずっと勘違いしてました。

しかし、こういった誤解は意外と多く持ってるような気がします。
民団のHPは普通行かないですから^^;;。
だから、今回の白紙撤回が早かった事が意外すぎてビックリしたんです。

それにしても北朝鮮も困ってしまいますが、中国はもっと困ります。
一般の人達はいい人が多いようなんですが、政府がねぇ・・・。

まぁ、北朝鮮を庇うのも限界とみるや手のひらを返してくるとは思うけど・・・。
どうなるのでしょうか?(笑)

投稿: じゅぁき | 2006年7月13日 (木) 10時05分

>白壁さん
台所事情の厳しい朝鮮学校もあるようですね。とくに地方は有力なバックアップ者がいないと大変だと聞きますが…。
しかし、朝鮮学校生も今後大変ですよね。日本では正式な教育機関だと認められていないし、教育内容は北朝鮮的見地に立った共産主義思想や歴史がメイン。学校内で日本語は一切使用できませんし…。現在の日本で、10代の若者が未だにそういう教育を受けているとは、まぁなんというか…勝手ですが、気の毒です。いつかカルチャーショックを覚えるのでしょうね。

>じゅぁきさん
どうもです。そうそう、民団ってこうしてみると親日的なんですよね。
私も旦那に出会って色々調べる前は、朝鮮総連だろうと民団だろうと、ひたすら「ウルサイ」団体だと思ってました。
韓国籍の方にはわりと親日派な方は多くって、中には帰化する方もいます。マルハンの会長も「日本で生活し、日本の政治に参加したいのであれば日本籍になるべき」と言って、随分前に帰化したようです。
ただ全員がこうではなく、参政権に関する民団の主張は「外国人として政治に参加することを認めて欲しい」ということなので、その辺が…まぁ微妙なところですね。つまりは韓国人に参政権を与えることになるわけで…うーん、個人的にはまだ、ちょっと、ナシかなぁと…。
でも、「在日として拉致問題その他、アジアの問題に協力するべき」などといった、自分達の立場と意見を明確にする行動は立派だなぁと思います。

そーですよね、中国、どうなんでしょ…。ニュースを観たらかなり大変そうなんですが。
日本もただ経済制裁したいのであれば、朝銀との取引停止にしてしまえばよいのに。それって安保理にかけないと出来ないことなんでしょうか? 足並み揃えるのも大変ですね。。。

投稿: ちゅう太 | 2006年7月14日 (金) 05時36分

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