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2006年7月25日 (火)

吉宗の純ハズレ

いつものホールの、いつもの場所に、減台されてしまったけれど吉宗が並んでいる。撤去日が迫っているせいか、イベント対象機種を放って皆懸命に打っている。鳴らすべく意気込んでいる者、鳴らして頬を上気させる者、ゾーン中の前兆演出に胸を高鳴らせている者、次のゾーンまでせっせとサンドに入金する者。誰もが熱心に吉宗に向かい、シマ銃から熱気があふれていた。

空き台は2台。どちらもデータ機器のツブが10を超えた大当たりを、幾度か繰り返している。ゾーン外の当たりがあるのかもわからないが、そもそも天国モードに移行した形跡がないので奇数設定であることは想定できるし、ホールの傾向を考えてみても設定1の可能性は十分に高い。

きっと前任者だって、そんなことは判っていただろう。それでも今しかない打てる瞬間を存分に味わいたかったのだろうし、ひょっとしたらという願いを込めて、ひたすら打ち続けたのだ。

今日は臆病な気分を抑えて、ぜひ私もそれに習おうと、ボーナス後565ゲーム回っている片方の空き台に着席した。当たるまで打てるだけの軍資金は、準備してある。

ところが予想に反して、着席して10ゲームほどでチャンス目解除。最悪の事態をリアルに考えていただけに、拍子抜けしてしまう。あの高確率演出を味わえなかったことも、少し残念に感じる。それでも「あぁ嬉しい」と思わず顔がほころんでしまい、この幸運に感謝の念が湧き上がってくる。

BIGが成立。近頃は揃えるときも、「Wで揃えようか、シングルで揃えようか」と悩んでしまう。それぞれファンファーレが異なっているし、そもそも今後どれだけBIGが引けるのかわからないからだ。そして7をシングルで揃えた後、「あ、姫で揃えておけばよかったかな」といらぬ後悔までしてしまう。

何はともあれ、有難いBIGを爺と消化することにした。これは何てことのない、気分である。本来の個人的な順番では姫スタートなのだが、何となく今日は爺がさらなる幸運をもたらしてくれる気がした。1G連や次回のボーナス放出ゲーム数など、勝敗に関する様々な要因が決定されるボーナスは、あれこれ考えるより直感で選択したほうがいい。もちろんこれは、言うまでもなくオカルトである。

「鳴ったら嬉しいなぁ」とか「鳴らなくてもBIGがヒケただけ嬉しいしなぁ」とか、心中はモヤモヤしながら消化する。画面の爺はハワイの旅行カタログを楽しそうに眺めていて、「私も青い海で遊びたいなぁ」とか、「この間負けた金額でハワイに行けたなぁ」とか、しまいにはどうでもいいことを考えていた。

ちょっと画面から目を離したときに鳴るのだから、不思議なものだ。リールの右側にある八代将軍ランプは、煌々とオレンジ色の光を発していて、幻聴ではないのだと確認する。このとき、初めてでもないのに、いつも心臓をわしづかみにされたような興奮を覚える。動悸を抑えながら、さて、揃えよう。私は目押しが苦手だ。特にこのような、一回しか揃えるチャンスのない状況での目押しは本当に苦手で、かならず手が震えてしまう。冷静でいようと自分を抑えているのに、より動悸が激しくなるのだからたまらない。

右リール上段に2連7が停止する。「とりあえず右の7は狙えた」と安堵する。問題はいつも中リールで、一つしかない青7をきちんと狙わねばならないのだから――いや、だから本当に私は目押しが苦手なのだ――リールを数周見つめて、よしここだと押す。

中段に”将軍”停止。

「あああやっちゃったよ、もう今後どれだけ鳴るかわからないのに、最後の1G連かもしれないのに、なんでこういうときに決定力がないんだろう、クロアチア戦の柳沢と同じだよ、やってらんないよ、情けないよごめんね将軍様」

うなだれながら、左リールを適当に押し、払い出しを待った。しかしいつもの払い出しタイミングで、払い出し音が鳴らないのでどうしたことかとリールを見ると赤フラッシュが発生し、障子が閉まって爺がハワイでくつろいでいた。そりゃ、1G連したのだから……って、ん?

純ハズレだ。

純ハズレ。

そう、あの2万分の1の純ハズレ。

もうヒケないと思っていた純ハズレ。

ウソっ…!!

と思ったところで、目が覚めた。私はいつものパジャマを着ていて、ぐちゃぐちゃの布団に、隣には読みかけの小説と旦那が転がっていた。クーラーが寝起きの身体に冷たい風を送っていて、旦那め、いつも言ってるのになんで消さないんだと憤慨したときようやく「あ、夢だったんだ…」とそれが現実でないことを理解した。

それもそのはずで、私がよく通う地域は23日を最後に吉宗を撤去してしまったし、旦那の抱える店でもやはりその日を最後に全て撤去していた。旦那が入れ替えに立ち会ったとき、1台持ち帰ってきたラブリーパネルの実機が居間の隅に置かれている。

まだ家庭用の処理が施されていないので家で遊技するわけにもいかないし、たとえ家で打てたとしても、負けているとき一発逆転してくれる瞬発力も天井まで退屈に感じながらも打ち込んだ達成感も、何もかももう本当にリアルに味わえないのかと思うととても悲しくなった。通常時、ホントにヒマだった。でも白姫が通過するとドキドキした。ゾーンに近づいてくると、何でも良いから前兆起きてとお祈りもした。松菱、キレイだった。小役ハズレ目はいつも突然だから、嬉しかった。もう本当にスロットを打つ気持ちが失せてしまったよ。吉宗がないのなら、ホールに行く意味もない。たかがスロット機種に感傷的になってしまうなんて、自分でもアホらしいと思うけど、サヨナラ、吉宗。お疲れ様。

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コメント

なんかしんみりしちゃいました(´Д⊂グスン
吉宗への愛着がものすごく伝わってきた。

投稿: 勝ち組たけ | 2006年7月26日 (水) 14時45分

「たかがスロットに感傷的になってしまう・・・」 
よく分かりますよその気持ち・・・

投稿: スロ親分 | 2006年7月26日 (水) 21時03分

たけさん、スロ親分さん、お久しぶりです。お元気ですか? スロット、打たれてますか?

読んでくれて、それでいて理解してくれて、どうもありがとうございます。夢で打った吉宗が、あまりにリアルだったので書いてしまいました。純ハズレをひいたのは、多分強い願望によるものだと思います。

他の機種に数万つかうなら、思い切って吉宗を打ち込んだ方が楽しいし、もしかしたら勝てるかもしれないし…なんて、いつも吉宗打っていました。
もうなくなってしまったのだな、と思うとパチンコ屋さんに行く気力が湧きません。

こんなに吉宗が好きだったことに、ようやく気づきましたよ。寂しい限りです…。

投稿: ちゅう太 | 2006年7月27日 (木) 08時43分

ホント、たかがパチスロ台のくせに、って感じですよねぇ。

あれから2度ほど打ちにいきましたが、何打っても
「吉宗だったらなぁ」とか思ってますよ。。

投稿: チビ太郎 | 2006年7月27日 (木) 10時14分

チビたろぉさぁん(涙)。
ホントに吉宗、なくなっちゃいましたよ…。
こんなに寂しいと思いませんでしたよ。

吉宗がなくなっても、パチスロは打つだろうな、と予想していたのに、全く打たなくなってしまいました。まさかこれほどとは…。

悲しいです。寂しいです。しょんぼり。

投稿: ちゅう太 | 2006年7月27日 (木) 12時07分

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