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2006年11月28日 (火)

朝鮮総連と在日コリアンと国籍と

またまた朝鮮総連が強制捜索を受けたわけだけれど、一体これで何度目となるのだろう。これほど踏み込まれていながら、未だ存在していることに日本政府のヌルさすら感じる――善良な在日朝鮮人の方には申し訳ないのだが。

今日捜索されたのは朝鮮総連東京都本部・世田谷支部・渋谷支部・新潟出向所など合計六箇所。渋谷支部、って言いづらいなぁというのはさておいて、何でも薬事法に違反したと物騒なことだが――なんてことはない、ただの不正輸出計画である。

●11月27日、朝鮮総連関連施設に強制捜査

今年5月1日、東京都世田谷区の耳鼻咽喉科医師が、在日本朝鮮人科学技術協会(科協)の幹部の妻に頼まれ、医薬品販売業の許可ナシに薬品――輸液パックや肝臓治療薬など――を譲渡。注文したこの女性は、薬品を手荷物に隠し、5月18日に万景峰号で北朝鮮へ運び出そうとしていたという。
手荷物として持ち込み可能な総額は30万円以内と決められているため、このときは東京税関の指摘により不発に終わる。しかし、東京税関は警察へ通報しその後調査された結果、科協関与の可能性、そして何より万景峰号が朝鮮総連による事業であることから、今回の強制捜査に踏み切られた。
また、既にニュースで数多報道されている通り、この肝臓治療薬は被爆患者に効果的らしく、5月には核実験遂行を計画していたことが予想される。

これに対し、朝鮮総連ホームページ上では熱っぽい反駁がされている。なんでも「薬事法違反はデッチあげ」と言いたいそうで――まぁ、とりあえず追及されたら不当弾圧・人権侵害だともはや空洞化した単語を並べ、お決まりの被害者論理を展開するのは、さすがに説得力がない。ひょっとすると学もないのかもしれないがそれはさておき、彼らが怒りを表す以上は手痛い仕打ち、つまり有意義な強制捜査であったことは間違いがないので――公安部の皆様、ありがとうございました……としかまとめ様がない。

しかしこういったニュースを観るにつれ、気の毒なのは一般的な在日朝鮮人の方々で、例えば家族が北朝鮮にいる、あるいは祖先の出身地が北朝鮮内にある、といった理由で朝鮮籍を選択している方々にとって、日本国内で彼らの代名詞ともなりつつある朝鮮総連がこの有様では、全く参ってしまうだろう。いや、気の毒だと言っても、それはまさにデラシネとなりつつある現状が一人の人間として同情しているだけであって、万が一北朝鮮国家といよいよ何かやらかす際には、お帰り頂くといった筋を通すべきだ、と日本人としては思うが――やはり気の毒である。
個人的に日本へ悪影響を与えず、また理屈の通らぬ権利を主張しないのであれば、日本に在住する外国人として、彼らが安らげるような団体を組むのも良いと思う。生まれ故郷に心惹かれてしまうのは人間の常であるし、例え北朝鮮がどのような国家であろうと支持するのは自由なのだ。ただ、日々北朝鮮との関係が悪化している日本に在ることを意識するといった、客観性が保たれているのであればよい――理想論に過ぎないし、いつか再び朝鮮総連のような団体となってしまう可能性もなきにしもあらず、だが。

●在日"朝鮮"人は減少している、けれど…

その在日朝鮮人だが、拉致事件発覚後、朝鮮籍の在日コリアンは減少の一途を辿っているという。なんと年に一万人も、韓国籍への移行、あるいは日本へ帰化を選択しているというのだ。朝鮮学校へ通う学生も減り日本の教育を受ける若者が多いようだし、そもそもその朝鮮学校の経営そのものが貧窮しているらしい。若者たち、あるいはその親たちには、既に北朝鮮や朝鮮総連を見捨てる選択肢がごく普通に生まれているとも言える。
しかし隠れ蓑として韓国籍・日本籍を取得する輩もいる。どうしても朝鮮半島に縁故のある国籍でいたい、もしくは韓国人・日本人として生きる覚悟が芽生えた、などといった素直で筋の通る理由であれば問題はないし、もちろんそういった真っ当な方々もいるのだけれど、厄介なのは朝鮮国籍であっては"動きづらい"とする人々だ。一体ナニが動きづらいのかもはや明白だけれど、このような心情で国籍を移行する在日朝鮮人も少なからず存在するのだ。

このような現状を生んだ背景として、法務局による審査の手ぬるさが挙げられるだろう。朝鮮籍から韓国籍への移行など、映画「GO」で観られたようにあっという間――5分もかからぬ早さである。
日本に帰化するにあたっては、特別永住権を持ち、それなりの生活基盤を築いた在日コリアンにとってみれば、住居や経済力の審査は楽に通過できる(他外国人に対してはここの審査も相当厳しい。貧困に悩む外国人が日本国籍を取得・永住し、生活保護を受け取ろうと疑われるためである)。またその他帰化条件としては、祖国と日本での素行や、日本政府に対する暴力的な反政府的行為に携わったか、あるいは賛同したかなどがチェックされ、韓国籍への移行よりもいささか手間がかかるのだが過分な隙間がある。「帰化」してから反政府的行為に手を染めればよいのだ。

国籍移行とは、本来個人にとって一大イベントではないのだろうか。これまで自らを育んだ言葉や土地など、運命づけられた温かい柵との一種の決別であるし、それでも尚、この国の人間となりたいという強い願いと覚悟が生まれた故の行為のはずだ。このような本筋からハズれた選択肢をとる輩もみっともないが、日本として帰化審査をするにあたっては、本人の意志の裏までしっかり見据え判断するべきだろう。また在日朝鮮人の韓国籍への移行も、同じ言語を使用し生活習慣を抱く民族であっても、その政治思想は大韓民国と北朝鮮では既に大きく異なるため、念入りな審査を行うべきではないだろうか(行えないのであれば、対応策を練るべきではないだろうか――北朝鮮と日本は友好状態ではないのだから)。
国籍を隠れ蓑にされて困るのは私たち日本人なのだし、そもそも国籍は利便性が追求されるような道具ではない筈なのだ。

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コメント

歴史的な問題を含めてしまうと複雑ですが、あるべき論から言えば、祖国に思いを寄せてるけど、祖国が問題あるからと別の国籍でごまかすというのはやっぱり気に入りません。
というか、そういった立場に立たされていない事や、私が知らない苦悩や理由があるだろうとは思いますが・・・。

昔、ネットのオフ会で在日だという彼女に会ったことがあり、拉致の問題がでてくる前でしたが、朝鮮から韓国に移したそうです。
聞いちゃいけないと思って突っ込んできかなかったんですが、本人的には覚悟の移籍だったようです。

そういう人を見てるので
>しかし隠れ蓑として韓国籍・日本籍を取得する輩もいる。
とか聞くとかなり怒りを覚えますね。
ちゅう太さんの言うように、拉致のことや総連などの事からなくなく朝鮮籍を変更する人もいるのに、隠れ蓑としてするなんて許せませんよ!。

といったところでどうしようもないんですが^^;;。

でも、ぬるい日本から普通の国への過渡期なんでしょうが、最近ふと思うのは、世界の普通の国が果たして未来ある国づくりなのか・・・。
ちょっと疑問もでてきてしまいました・・・。

投稿: じゅぁき | 2006年11月28日 (火) 11時13分

おはようございます、じゅぁきさん♪

国籍を変える理由や状況って、本当に人によって様々だと思うのですが…基本的に不純な動機って、イヤですよねぇ…。
何も、自分の生まれた国(あるいはご先祖の国)を忘れる必要は全くないのですが、これから先、日本人として生きていく決心はそれなりに持っていて欲しいです。。。朝鮮籍から韓国籍へ変えるのなら、韓国人であるっていう自覚もある程度…持っていて欲しいです。。。

まぁ実際に朝鮮半島で暮らしているわけではないので、どこかでナァナァな国籍選択になってしまうのは仕方がないのですが、それなりの思い切りは、して欲しいですね…。隠れ蓑なんて、ホント、もっての他ですし(笑)。
私の周囲、つまり旦那の仕事で出会う在日の方々って、わりとこの辺、ナァナァなんですよね(…印象ですけど)。。例えば韓国籍に移行しても、北朝鮮大好きだったり。。日本国籍にしても、心は韓国にあったり。よくわからんとです(笑)。

国会議員にも、モト在日の方が親韓・親北朝鮮よりの政策・意見を述べる方がいて…それで、日本のためにもなっていればいいんですけど、微妙なところですし…(社民党・民主党などなど)。
困ったものです。法務局の審査をもうちょっとしっかりやって欲しいですね。国籍を変更するにあたって葛藤する方もいらっしゃいますが、裏を返せば国籍さえ変更すれば政治的な行動その他、自由になっちゃうので…心がきちんと日本人になっているかどうか、判断して欲しいものです。。。
別に、在日だった経験を活かして、朝鮮半島と日本の関係改善に尽くしてくれる分にはいいんですけどね…。

世界の国が果たして未来ある国づくりなのか…
私もよくわかりません。多分、それぞれ未来を描いておいでだと思いますけど、だからこそぶつかっちゃうわけですしね。
せめて環境問題には真剣になって欲しいと願います。私が小学生の頃なんて、夏に30度も気温があれば「すごい!」ってな印象だったのに、今は40度、45度で猛暑ですものね。どうなっちゃうんだろうなぁ、と漠然とした不安はあります。
地球の環境があるからこそ、国があって思想も人種もあるわけですし。せめてこればかりは、主義政策思想を別として、協力できるようになればいいんですけど…やっぱり理想論ですかね…。

投稿: ちゅう太toじゅぁきさん | 2006年11月29日 (水) 08時19分

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