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2007年3月28日 (水)

大都技研「SHAKE」~最強の液晶と音楽~

大都技研、ウワサの新機種「SHAKE」の展示会へ行ってきた。少しは人が引いているであろう夕方に足を運んだのだけれど、高輪プリンスホテル・飛天の間は大賑わいで驚いた。会場を埋め尽くすように試打用の台が設置されているというのに、ピシッとスーツを着込んだホール関係者の方々でいわゆる”満席”状態。まるで若者向けのスロット専門店のように、暗がりの中をカラフルな光が動き回るただ広いホールを空き台を探してうろつき回る。

五分ほど歩きまわってようやく、一台空いた。

Shakekyotai_1筐体の両サイドがピンク色に光っていて、吉宗の姫パネルやラブリーパネルを思い出した。BETボタンやストップボタンの触り心地も吉宗とほとんど変わりなくて、ちょっと懐かしい気持ちになった。

リール図柄を見ても、例えば青7やナディア図柄は吉宗のそれを彷彿とさせたし(…といっても、吉宗が4号機シェイクの後継機にあたるので当然なのだけれど)、なんとなく、「シェイク」「吉宗」といった大都ヒットマシンの流れを5号機にも踏襲させていく意志が見受けられた。



もちろん、御馴染みのシャッターも搭載されていて、液晶画面が大きくなったのに合わせてさらに進化したようだ。黒い網掛けシャッターなのだが、従来の機種よりも、なんだか動きが素早くスピードアップした感がある。まぁそれが本来の進化にあたるのか、甚だ微妙なところではあるけれども、少なくとも秘宝伝よりはシャッターの存在感はあると思う。秘宝伝の演出は特にシャッターを絡めなくともよいものばかりで、言ってみれば吉宗の筐体をリサイクルしたいあまりに、ムリにシャッター演出を作ったイメージがどうしても拭えないのだけれど、本機には特にそういった印象を抱かなかった。

ストック機である吉宗とはゲーム性が異なるため、前兆を期待させるワクワクシャッター演出…というわけではないのだけれど、ステージ等が切り替わる際にシャッシャッと素早く動いて、なんだか小気味良い。吉宗同様のシャッター演出ではないものの、これはこれで楽しめた。

Boy1 そして何よりも驚いたのが、液晶画面の美しさだった。キャラクターが二頭身にデフォルメされているのも可愛らしかったが、液晶に透き通るようなツヤがあって、とてもクリアで視界は快適だった。アニメーションの動きも躍動感があったし、演出に絡んだ画面一つ一つはまるでどこかのポスターかのようなポップなオシャレ感があって、非常に丁寧に作りこまれている印象を受けた。演出種類の詳細は省くが、様々なパターンがあって多彩であった。

Na2また、BIGはお馴染み”3タイプの選べるボーナス”となっており、ボーイ・フランケン・ナディアそれぞれの歌が流れる。各キャラクターのイメージを崩さず、それでいてとてもリズミカルでノリのよい曲ばかりでカッコよかった。秘宝伝のような、間の抜けたBGMとは全く異なり、大都ヒットマシンの血を絶やすまいという気合がここにも感じられた。

そう、液晶と音楽は粗が見当たらないほど立派なもので、旦那などは「大都の液晶と音楽はホント、一流だなぁ…」としみじみ感心していたほどだ。

しかし、やはりスロットマシンであるから大切なのはゲーム性で――果たして、如何なものだろうか。BIGの純増枚数はおよそ400枚、REGは数十枚。さらに、RT非搭載である。非常にシンプルで分かりやすく、前知識なしに気軽に打つことができる。またBIG純増枚数が400枚前後というのは、現行5号機の中では多めと言ってもいいだろう。だが、ゲーム性の具体的な長所として挙げられるのは、コレぐらいなのだ。

未だボーナス確率・機械割が未発表のため断言は禁物ではあるものの、他機種より多めの獲得枚数であること、さらに敢えて今でも発表されていないことを考慮すると、ひょっとすると初当たり確率はあまりよろしくないのではないだろうか。

Fk1







近頃の5号機の殆どがRTを搭載し、初当たりの厳しさや、獲得枚数の少ないボーナスをフォローしたり、またコインロスを防ぎつつ抽選を受けられるといった特典があったりと、オトク感が盛り込まれたゲーム性が主流である。中には1ゲームあたりの純増枚数が比較的多めであったり、さらにはアストロ球団のように若干複雑なシステムでもって、出玉増加の期待が高まる仕様のものもある。ドル箱を使うまでに時間はかかるけれども、ボーナス以外でもコインが増えるよう心が砕かれたマシンが多く、人気である。

そのような中、シンプルなゲーム性、加えて美しい液晶演出と音楽でもって、どこまで本機はユーザーに受け入れられるか、気になるところだ。だからといって、導入しないと決断できるホールも少なかろう。人気マシンの後継機にして人気メーカー初の5号機という前評判、そして6月一杯でホールに設置された半分以上の4.7号機が撤去される状況。ホールは少しでもユーザー受けする機種を欲しているのだ。たとえ、ゲーム性が多少危なっかしいものであろうと、導入しないと今すぐに断言はできない。「これが一流メーカーのチカラってヤツなのかな」と旦那は苦笑していた。

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JPS「アストロ球団」のまとめ

先日書いたJPSより5月6日に発売される新機種、「アストロ球団」の詳細だけれど、我ながらやたらと読みづらいし、補足説明もあるのでもう一度まとめておこうと思う。やっぱり、酔っ払ってスロットの機種説明をするのはよろしくない。反省。

アストロ球団ボーナス確率&機械割

設定

BIG

CT

合成

機械割

1

1/425

1/1424

1/327

96.2~98.9%

2

1/409

1/1424

1/318

99.3~102.5%

3

1/339

1/819

1/240

102~105.7%

4

1/289

1/1092

1/229

105.9~109.7%

5

1/277

1/668

1/196

109.5~113.6%

6

1/277

1/668

1/196

110.1~112.6%

●BIG…純増枚数およそ260枚
●CT…純増枚数およそ51枚
●コイン単価…約2.6円
●重複フラグ…チェリー・5枚役
●5号機のクセに複雑な仕様(ムカつく)

<補足>

千円あたりの平均ゲーム数は約37ゲームと発表されているらしい。しかし、本機は「72ゲームごとにRTへ突入する」という特性があるため、それを加味した上での平均ゲーム数であることに注意。つまり、通常時の千円あたりの平均ゲーム数はこれよりもさらに低めである。

●CTについて…CT中は、左リールが即停止してしまうのだが、このとき左リールに「赤7」「A」「BAR」図柄いずれかを狙うと15枚獲得できる。

<通常時の打ち方など>

リールのどこを狙っても全ての小役をフォローできないので、基本的には左リールにいずれかのチェリーを狙いつつ打ち進めるのが無難のようだ。また、筐体上部の「パラメーター」がチェリー以外の小役をナビしてくれる。ただ、小役成立時にパラメーターナビが”必ず”発生するものなのかどうかは不明である。

●パラメーターナビ…オレンジ(心)・水色(速)・黄色(体)・赤(力)・緑(技)なる5種類のランプが、各小役に対応している。

オレンジ→5枚役。A・ユニフォーム・ユニフォーム

水色→リプレイ

黄色→赤7orAorBAR・ベル・ベル

赤→赤7・ユニフォーム・ユニフォーム

緑→BAR・ユニフォーム・ユニフォーム

さらに、点灯しているパラメーターランプに対応した小役を獲得すると、演出上ではアストロ球団の”ヒット”となる。例えば、水色のパラメーターランプが2つ点灯している際、リプレイが成立すると”2塁打”にカウントされるなど、ランプの点灯数によって何塁打か決定するようだ。こうして”ヒット”を打ち続け、アストロ球団が相手球団に10点差以上をつけると、チェリー以外の小役が完全ナビされるようになる。

さらに、35点差以上をつけると、激アツのロングRTであるアストロタイム突入が確定する。

72ゲームごとに突入する通常RT>

●1ゲームあたりの純増枚数…不明

●終了条件…チェリー停止時。ハズして継続させることも可能。しかし、本機のチェリーは「緑・オレンジ・赤」の三種類が存在し、成立したチェリーを当てるには超能力が必須と思われる。

さらに、この「通常RT」には①低確RT、②高確RTの二種類が存在する。どちらも終了条件はチェリー停止時らしい。

②の高確RTにのみアストロタイム突入チャンスである、「アストロチャンス」が発動する。つまり、アストロチャンス発動=高確RT確定となる。

※補足アストロチャンス発動頻度(≒高確RT突入頻度?)の具体的な数値は未確認だが、「終日打って10回突入するか否か」程度だとウワサされている。また、この発動頻度に設定差があるのかどうかも未確認。

<アストロチャンス>

高確RT中にのみ発動する演出。このとき三種類ある5枚役(「赤7orAorBAR・ユニフォーム・ユニフォーム」)のうち、いずれかが成立しているので、左リールに停止する図柄を当てると「アストロタイム」突入が確定する。アストロタイムは最低でも500枚、最高で一撃5000枚を純増させるロングRTで、今後の出玉展開を大きく左右する機能であるため、その突入抽選である「アストロチャンス」はまさに手に汗を握る瞬間だろう。

<アストロタイム>

前述したように、ロングRT。1ゲームあたりの純増枚数は不明。

●突入契機…「アストロチャンス」クリア時・小役ヒットによる相手球団との点差35点

●終了条件…チェリー停止時、規定差枚数到達時

●通常RTとは異なり、完全アシストナビが発動するため、3種類あるチェリー・5枚役の取りこぼしは基本的に防げる。また、チェリーハズシもこれによって可能となる。

他機種のRTとは異なり、サブ基板で「規定差枚数」なるものを管理している。振り分けられた規定差枚数(ボーナスによる払い出し枚数も含む)に達しない限り、アストロタイムは継続する。

つまり、チェリーが停止しようとボーナスが成立しようと、規定差枚数が払い出しされていなければアストロタイムそのものは継続し続けるのだが、これらが成立した際、一旦通常画面に戻るので注意。通常画面に戻り、72ゲーム消化後に再びアストロタイムに突入する流れとなっている。チェリー停止あるいはボーナス成立によるアストロタイム終了時は、即ヤメNGであるといってもよいだろう。

規定差枚数は500枚から振り分けられるため、アストロタイム突入で最低でも500枚獲得が可能。また、平均規定差枚数は2000枚、最大5000枚となっているため、大量獲得にかなりの期待が持てる。この規定差枚数振り分けに設定差が存在するか否かは未確認。

…少なくとも、前回のモノよりは読みやすくなっていると思う。現役スロッターの方へ、何かしらのご参考にでもなることを願う。どうしても吉宗が忘れられない私は、もう当分の間スロットに触れることはないだろうけれども、スロットそのものの話題は興味もあるし好きでもあるし、そういったモノをアップして現役スロッターの方へ何かしらのお役に立てれば本当に嬉しい。

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2007年3月27日 (火)

ホントに一撃5000枚イケる・JPS「アストロ球団」

アストロ球団 ボーナス確率&機械割

設定 BIG CT 合成 機械割
1 1/425 1/1424 1/327 96.2~98.9%
2 1/409 1/1424 1/318 99.3~102.5%
3 1/339 1/819 1/240 102~105.7%
4 1/289 1/1092 1/229 105.9~109.7%
5 1/277 1/668 1/196 109.5~113.6%
6 1/277 1/668 1/196 110.1~112.6%

●BIG…純増枚数およそ260枚
●CT…純増枚数およそ51枚
●コイン単価…約2.6円
●重複フラグ…チェリー・5枚役
●5号機のクセに複雑な仕様(ムカつく)

※「アストロ球団」についての詳細は、コチラにまとめなおしてあります。補足情報もありますので、どうぞご覧下さい。

いつものダラダラした前置きはナシだ。いきなり機種説明に入ろう。JPSより5月上旬発売予定「アストロ球団」の詳細である。興味のある方、ぜひ目を通して頂きたい。興味のない方も、上記の機械割をご覧になると――思わず、「ん?」と気になってしまうのではないかなぁ、なんて思うのだけれど、どうだろうか。設定6のMAX機械割が112パーセントって別に大したことないじゃん、"悲報伝"と似たようなモンじゃん、と思われるかもしれないが、いやいやちょいとお待ち頂きたい。本機は、5号機だ。モードだとかREG連だとか、しょうもない展開に左右されて追加投資がかさんでいつの間にか閉店時間で大負けこいてしまうような、4.7号機とはワケが違うのだ。もちろん4.7号機には低設定でもソコソコ夢が見られるといった長所があるけれど、高設定ですら展開次第で負けることも決して少なくない。しかし、5号機であれば――高設定を奪取した際の勝率は、4.7号機のそれを大きく上回る。加えて、この機械割だ。

そう、本機の高設定は、極めて勝率が高い。

しかし、5号機のクセにムカつくぐらいゲーム性が複雑で、一体何からどのように説明したらよいものか…とりあえず、本機のウリとなる「アストロチャンス」「アストロタイム」からいこうか。

●72ゲームごとに必ずRTへ突入…するらしい

普通、RTと言えばボーナス終了後の付録としてついてくるか、レバー操作時に当選した際に発動するものだが、本機のRTは従来と異なる仕様となっている。そう、小見出し通り、72ゲームごとに必ずRTに突入する(通常RT)のだ。いやいやウソだろ、と思われるかもしれないが、ウソではないらしい。文字通りリプレイが揃い続けるリプレイタイムに、72ゲームごとに突入するのである。ちなみに終了条件はチェリー入賞となっており、ハズすことも可能だ。しかしこの通常RT中にアシストナビは発生しないため、ハズすためにはかなりの超能力が必要とされる。

しかし、この通常RTの平均継続ゲーム数だが、未だ小役確率の詳細がわからないため、残念ながら今のところは具体的に予測できない。まぁそれでも、きっと大丈夫だ、超能力さえあれば。さっきはダメだったとか今度こそきっととか、あれこれいくら考えていたってしょうがない。リールをただ見るのだ。そう、考えるな、見よ!――二十世紀最大の哲学者、ルードヴィッヒ・ウィトゲンシュタインはまさにこの瞬間のために、かの名言を残したのだろう。

余談が過ぎた。もっと大切なことにさらに言及していかねばならない。

この通常RT、むろんRTはRTなのだけれど――なんとただのRTではないのだ。通常、なんて命名しておいて申し訳ないのだが。

●通常RTには高確・低確の二種類が存在

72ゲームごとに必ず突入する通常RTだが、その内部は「高確RT」「低確RT」の二つにわけられる。どちらもRTで、先ほど書いたように「チェリー入賞で終了」「アシストナビは発生しない」といった特徴そのものは同じなのだが、「アストロチャンス」突入の有無が異なるのだ。

・「アストロタイム」突入の扉、それが「アストロチャンス」

「アストロチャンス」とは、RT中の液晶画面に突如現れる演出で、このとき成立している5枚役の種類を当てる趣向となっている。
5枚役は、「赤7・ユニフォーム・ユニフォーム」、「・ユニフォーム・ユニフォーム」、「BAR・ユニフォーム・ユニフォーム」の三種類が存在するわけで――つまり、左リールに停止するいずれかの図柄を当てることができれば、夢の「アストロタイム」――アシストナビ付き、しかも最低でも約500枚ほど獲得できる激アツRT突入が確定するのだ。

そう、ここでも超能力が必要とされるのである。

そしてこの「アストロチャンス」は高確RT中でなければ発生しない。仮に低確RT中に5枚役が成立しても、「アストロチャンス」は非発生、つまりアストロタイム突入抽選は受けられない。高確RT中のアストロチャンスクリア、がロングRT――アストロタイムの鍵となるのだ。


●最低でも500枚GETのロングRT「アストロタイム」

なんだかさっきから、アストロ、アストロと書いてばかりで疲れたのだけれど、これが正式名称なのだから仕方がない。せめてアストロチャンスとアストロタイムの名称を明確にわけて、どちらかの"アストロ"を取り去って欲しいのだけれど、もう実機が出来上がっているのだからムリだ。まぁ仕方がない。とにもかくにも、いよいよ本機のキモ、アストロタイムについてだ。

タイトルにある"一撃5000枚イケる"…という文句の発生源はむろん、このアストロタイムにある。前述したように、通常RTとは異なり小役アシストナビが発生し、さらに突入すると最低でもおよそ500枚は獲得できるという大いなる出玉ポテンシャルを秘めた機能だ。

しかし、一体どういうわけで「最低500枚」が保障できるのか――これがまた、私もビックリの仕様なのだ。5号機ってこんなこともデキちゃうのかと、なんてスゴいんだと、驚き桃の木山椒の木、夢夢ちゃんもビックリのシステムとなっている。

このアストロタイムの終了条件は二つ、だ。まずチェリー成立。こちらは通常RT終了条件と同様ではあるが、アストロタイム中はアシストナビが発生しているため、目押しのできる方にとって継続はお茶の子さいさい、ちょちょいのちょいだろう。つまり、目押しミスさえなければ、アストロタイムがチェリー成立によって終了することはひとまずないと言えるだろう。

さらにもう一つの終了条件が――規定差枚数の払い出し、である。なんでもサブ基板で差枚数を管理している仕組になっているとかで、あらかじめ振り分けられた差枚数に達した際、アストロタイムは終了するのだ。この規定差枚数の振り分けが、なんと最低でも500枚、平均2000枚、最高5000枚となっているために、「突入すれば最低でも500枚GET」と言い表せるのである。ただ、アストロタイムに突入後からの"規定差枚数"であるので、この間に成立したボーナスによる純増枚数も含まれることに注意したい。アストロタイムのみの"規定差枚数"ではないのだ。例えばアストロタイム消化中にボーナスが当選し、それによって規定差枚数に達した場合は終了するというわけである。

なんだかヤヤコシイが、つまるところ、要するに、ぶっちゃけると、アストロタイム突入後のボーナスも含めて、規定差枚数に達すればアストロタイムは終了するわけで、裏を返せば、規定差枚数に達しない限りボーナスを引こうとチェリーが成立しようとアストロタイムは継続するのだ。

ただし、だ。

規定差枚数に達していなくても、チェリーもしくはボーナスが成立すると、ひとまずアストロタイムは終了し、液晶は通常画面に戻るのだが、その72ゲーム後に再突入する仕組となっていることにもご注意頂きたい。まぁ、言ってみれば、アストロタイム突入後にボーナスやらチェリーやらが成立してしまったからといって、即ヤメはNGと、まぁそういうわけだ。なんだかこの「即ヤメはNG」っていう響き、まるでストック機を相手にしているかのような懐かしいものがある。しかも再突入する可能性も決して低くないわけで、いやいやこれはホントに本気の「即ヤメはNG」なのだ。逆にアストロタイム中にボーナスをひいて、即ヤメした方がいたら…これは、チャンスだ。

いやはやしかし、5号機のクセに本当に説明するのに手間がかかる、複雑な機種だ。書きながら自分でもワケがわからなくなりつつあったのは、私がバカだからだろうか。それは決して否めないし、なんだか悲しくなってきたので自分のオツムに関してはあまり触れないでおきたいのだけれど――それにしたって、目の覚めるような機種だ。72ゲームごとに必ずRTに突入するなんて、つまり数千円に一度はちょっとした、それでいて具体的なチャンスを味わえるわけで、そんな5号機今まであっただろうか。そりゃ、本機と対峙していくためにはどうしたって超能力が必須となるわけで、決して低いハードルとは言えないけれど、見返りもそれなりにあると言ってもいいだろう。そして最高5000枚の夢もあるわけで、まぁただの夢で終わってしまうかもしれないにせよ、アストロタイムの平均規定差枚数は2000枚。吉宗でキーンと鳴らすよりも多いメダルが獲得できるかもしれないわけで、これはなかなか期待の持てる機種かもしれない。

ただどうしたって、「吉宗でキーンと鳴らす」方が時間効率は良い。こちとらRTと純増枚数の少ないボーナスで、せっせと出玉を増やさねばならないわけで、平均規定差枚数である2000枚を奪取するためにどれだけの時間を費やすことか――かったるくってやってられない方もいるだろうし、私だってどうしても吉宗が忘れられない。だからきっと、この先もスロットを打つことはないだろう。それでも厳しいと言われる規制の中で、大量獲得をちょっぴり可能にしたこのシステムはステキだ。サブ基板で規定差枚数を管理するなんて、全くもう誰が考えたのさ、ニクいなコイツめ、ってな具合である。

まぁ、私は新機種が出ると「うわーすごーい」と口を開けて魅入ってしまうタイプ、つまりミーハーだから何でも褒めてしまう傾向が強い。ステキなマシンだと本当に思っているけれど、ひょっとしたら思いもかけない粗も存在する可能性もあるわけで――皆様、そこんとこどうぞ宜しくお願いします。ついでに申し上げますと、アストロタイム突入契機は他にも存在する可能性があるので、ソチラはまた後日改めてということで――それでは、ごきげんよう。

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2007年3月25日 (日)

鬱な彼女への処方箋

二週間ほど前に女友達がひどく落ち込んでいるという話を書いた。以前勤めていた会社(出版社)の同僚なのだけれど、担当する仕事量が増えたのに比例して、拘束時間つまり日々の残業がかさんでしまい、なかなか休みづらい状況で精神的に参っている。この業界で身を立てたいとどんなに自ら望んだ仕事であっても、気楽に休める時間がなければ息がつまってしまうだろうし、モノ作りに携わるという仕事上、自由に本を読んだり映画を観たりすることができないと、感性がブレてしまってどうしても仕事に行き詰まりを覚えてしまうだろう。頑張りたい仕事だけに、ベストを尽くせない彼女は――もともと神経質な性格も手伝って、ひどく疲れて落ち込んでいるのだ。

あれからも度々電話がかかってきては「もう疲れたよ」だとか、メールで「会社行きたくないよ」なんて愚痴をこぼしていて、状況は相変わらずのようだった。私は彼女が参っている理由も、彼女自身の考え方もある程度は理解しているつもりだから、共感する姿勢でそれらに耳を傾けていた。そりゃ疲れるよね、休みたいよね…といった、相槌を打つような会話をずっと繰り返していた。

既に彼女は頑張っているのだから、「頑張れ」なんて言うのは励ましにもならないと思ったし、いくら自分が以前勤めていた会社であっても、現在の仕事状況をリアルに知っているわけではないので、仕事の流れに関するアドバイスなんておこがましくて口が裂けても言えない。「うだうだ言わずに休んじゃえ」と、他の方には言うこともあるかもしれないが、彼女は生真面目な部分もあるので、そんなセリフはいよいよ追い込んでしまいかねない。「休めたら、とっくに休んでるよ」とより頭を抱えてしまいそうだ。

それに、まぁ、「これが私だったら…」なんて、安易ではあるけれど、他者の悩みを聞くにあたって基本的な見地に立って考えてみたところ、きっと私であれば何も言わずにただ話を聞いて欲しいと願うだろう。どうせ目の前の現実から逃れることはできないのだから、いくら辛くても乗り越えなくてはならないのだ。いや、逃げることは不可能ではないのだけれど、それは決して自分の望むところではないだろう。どんなに参っていても、こなさなくてはならないと自覚しているだけに、辛いのであるから――他人の、「頑張れ」だとか「休んでみたら」なんてセリフは、有難くないわけではないがどこかで白々しく聞こえてしまうに違いない。ワガママかもしれないが、こんなときは、ただ黙って自分を肯定して欲しいと願うだろう。こんなときは、自信がないのだから。

それが私が選んだ彼女に対する姿勢で、特に何も言わず、聞かず、彼女が言ったことに頷くばかりだった。これが完全に正しい姿勢だとは思っていないけれど、例えば彼女に対するアドバイスなどは、彼女よりももっと経験のある方々が言う方がよほど効果的だし、私は友達なのだから彼女をただただ甘やかすような、全肯定の相槌を打つことに決めた。これはこれで、友人としての一つの姿勢としてあってもいいものだと自負している。それに、彼女は両親との仲がイマイチだし、今はオトコもいない。甘やかしてやらないと、なんてオバサンくさい気持ちになってしまうところもある。

そんなわけで度々彼女からの連絡を受けては、しんみりとした会話に相槌を打ち続けてきた。彼女も彼女で、私が旦那の生活時間帯に合わせて、勤めていた頃よりもずっと不規則な生活をしていることを知っているからか、深夜だろうと早朝だろうと、気兼ねなしに連絡をくれた。"くれた"、というのは――私は悩んでいることを我慢されてしまうとむしろ困ってしまうので、参っているときはストレートに連絡をくれた方が聞き手として有難いのだ。もちろん対応できないときは、鳴り続ける携帯を放置してしまうことになるのだけれど、その分せめて、相手が連絡したい際に連絡してもよいのだという、安心感めいたものは失わせたくない。まぁ、完全にはムリなのだけれど。

そう、そして、一昨日――木曜日のことだ。

深夜も彼女から電話があった。深夜、といっても午前四時という早朝とも言うべき時間で、「眠りたいけど眠れない」といった内容だった。彼女は終電で帰宅したのでクタクタに疲れているはずなのだけれど、寝付けないという。まぁ、精神的に不安定だろうとそうでなかろうと、遅くに帰宅したからといって、疲れているからといって、すぐに布団に潜れるわけではないのだけれど――これまでの彼女の状況から察するに、もしかすると朝起きることがプレッシャーになっていて、寝付けないのかもしれない。

「眠れないんだ、しょうがないね」なんて、適当に聞こえるかもしれないが、いやその通り、適当に私も答えてしまう。「ムリに眠ることもなかろうよ」

「でも、明日も仕事だし…今、校了前だし」
校了というのは、雑誌を作っていく上での用語で、聞きなれている方もたくさんいらっしゃるだろうが、大雑把に言ってしまえば全ての原稿が出揃って印刷所に放り込める状態になることだ。つまり、この校了を迎えた際、その雑誌の制作はひと段落――出版社側で行う作業はなくなり、あとは印刷所の仕事となる。

「そっか、今校了前か。そりゃ忙しいね」

「うん、でもね、日曜は休めると思うんだ」

「よかったじゃん」心なしか彼女の声が明るかったので、私の気持ちもちょっと浮いた。

「だけど…すぐ四月になるし、ゴールデンウィーク進行に入るかも。ゴールデンウィークを全部休めるなんて最初から思っていないけど、四月中に五月の仕事をある程度進めておかないと…そんなこと、できるのかな…もうどうしよう…」

日曜祝日は基本的に印刷所も会社も休みだし、外部の方へ発注する仕事やそれに関する打ち合わせもろもろを、その前に済ませなくてはならないわけで、そうなると、さらに前に企画そのものを立てたり様々な準備をしてなくてはならないわけで――大型連休前はとにかく時間に追われがちだ。世間では、四月下旬からゴールデンウィークに入るのだけれど、つまるところ、四月中に四月分の仕事を進めると同時に、五月分の仕事もある程度手をつけなくてはならない。どの業界でも大型連休前は多忙となるだろうが、編集者もその例外ではない。ゴールデンウィーク、お盆、年末年始――パチンコ屋の三大回収期として挙げられるこれらだが、その前後は誰もが皆忙しい。

「あぁ、そんな時期だね…確かに忙しそうだね」

「疲れた。もう最近、何をしてても楽しくないの。いつも時間ばっかり気にしてるし。なんだか、いつも、悲しいの。先のこと考えると、憂鬱になる。暗いことしか考えられない。そんな自分がイヤだ。こんなことしか考えられないなんて、イヤだ」

自分の時間を自ら、楽しいとか有意義であるとか、とにかく魅力あるものとして考えることもできず、そのように過ごすこともできない。仕事をしていようと、帰宅してからであろうと、自分自身の時間であるというのに――自分で何もできないなんて、なんて自分はダメで無力なヤツなんだろうと、そう言いたいのかもしれない。

「わかる気がするよ。きっと私も同じ状況だったら、イヤだって思うだろうね」

「そう、もうなんだか情けなくて…楽しいことって何だろ?」

「何だろう」……いや、決して適当に答えたつもりはないのだが(心の声)。

「笑いたいなぁ…どうしたらいいのかなぁ…ねぇ、どうしたらいい?」

むむむ。どうしたらよいのか問われてしまうと、困ってしまう。これまで彼女の自信が回復することを願って、なるべく彼女を全肯定する姿勢をとってきたので――どうしよう。

一瞬、迷ったが、そのとき私が出した答えは――。







行け!稲中卓球部 (1) Book 行け!稲中卓球部 (1)

著者:古谷 実
販売元:講談社
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……を薦めた。「笑えるよ」と。電子書籍でも購入できるから、何なら今すぐにでも読めると思うよ、と。

彼女は「えっ、ちょっと待って、何それ」と何度か聞き返し、私は「いや、とにかく面白いから」と何度も答えた。「読めばきっとわかるよ」とも言った。読む時間なんて、新しい書籍を手にとってめくる時間なんて、そんな余裕なんて今ないのよ、と返されてしまうことを内心恐れていたのだけれど――彼女は、「有名な漫画だしね…」と言って、ひとしきり口をつぐんだ。

「何も今すぐに読んで欲しいわけじゃなくて、時間があったら思い出してみて」

「うん、わかったよ」






それから間もなく電話が切れて、三日経とうとしているのだけれど――毎日か、二日に一度はあった彼女からの連絡が途絶えているのは一体どういうわけだろう。やっぱり、そういうわけなんだろうか。いや、校了前だから忙しくて電話をする体力も残されていないのかもしれない。ひょっとしたら、これを読んで思い切り笑って少しは気持ちが晴れたのかもしれないし――どうなのだろう。気になって仕方がない。

ちなみに私も、これまで情けなくて無力な自分を責めたことや、自分ではどうにもならない状況に苦しんだこと、切なくてやりきれなくなったこと――あれこれと人並みに落ち込んた経験はそれなりにあるのだけれど、元の性格が小心者でクヨクヨしがちなものだから、ひとたび落ち込むとそれはそれはなかなか浮上してこない。何をしていても、その悲しみや情けなさの原因が胸の奥をツツいていて、辛くて、いつも困惑してしまう。そんなとき、私はいつの間にか本棚にある「行け!稲中卓球部」を手に取っているのだ。

ウハハハ、なんて笑って、いかに自分が笑うことを忘れていたか自覚すると同時に、「まぁなんとかなるさ」といった前向きな力も戻ってくる。祖父が亡くなった際、遠くに住む従兄弟が持ってきたのがきっかけだったのだけれど(なんだそりゃ、とツッコまないで下され)、以来何かで落ち込む度にこの本をめくるようになった。一度、笑いを取り戻すことはとても重要だと私は思う。ムリに笑顔を作るんじゃなくて、ムリにでも笑える状況を作るのだ。そうすることによって、少しは回復できるんじゃないかと――そう思ったから、彼女に薦めたのだけれど、ダメだったんだろうか。

とても不安だ。今度は私が稲中を読む番になってしまうかもしれない。

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2007年3月22日 (木)

スロットが消えた。

最後にスロットを打ってから、今日で一体どれぐらい経つのだろう。かれこれ一ヶ月以上はパチンコ屋に足を運んでいない気がする。データカウンタをチェックしては好みの回転数で空いた台がないかウロウロしていたこと、番長だの秘宝伝だの鬼浜だのを打って一喜一憂していたこと、隣りの台がやたら噴いている中バケ単な自分が情けなくなったこと、色々なことを思い出せるけれど、もうリアルな気持ちでそれらを言葉にできない。吉宗やGOGOジャグラーVをいかに大好きだったか、どんな魅力があるのか、それはもちろん語れるつもりではあるけれど、現役のスロット好きとしての見地に立てない。

いよいよ本当に、生活からスロットが消えてしまったようだ。通っていた店から会員向けのメールは日々届いていて、以前は打たなくてもどんなイベントが開催されているかチェックしていたのに、今となっては開封すらしない。P-WORLDを覗くこともない。旦那から新台情報を聞いて、気になる機種が全くないわけではないけれど、例えばブログに書いてみるほどの興味や好奇心は以前ほど旺盛なわけでもない。4号機のジャグラーが未だ設置されていることが唯一ココロに引っかかっているのだけれど、大好きなGOGOジャグラーVが現存しているわけではないし、いくらジャグラーが好きだとは言っても今も尚、以前のような気持ちをもって対峙できるとは思えない。悲しいことに、ジャグラーが大好きだったという記憶は今でも鮮明であるものの、既に私は心変わりしてしまっているのだ。

悲しい。人の気持ちというのは、本当に移っていくものなのだ。

「オレやオマエみたいなのが打たないぐらいだから、スロット人口はかなり減るんじゃないの?」

なんてことを旦那は言う。確かに私たちは、理由を上手く説明できないにせよとにかくスロットが大好きで、よく連れ立って打っていた。休みのたびに打っていたわけではないけれど、月に何度かは必ず一緒に打っていたし、私などは一人でも週に一度はパチンコ屋へ足を運んでいた。勝ち負けに一喜一憂して、互いの立ち回りを不毛にも語り合い、好きな機種の思い出や、これからどんな機種が出て欲しいか、そんな話題に花を咲かせることはしばしばだった。

特に旦那は"アステカ大学"出身を自称するほど――いや、コンドル大学だのビーマックス大学だの色々あるようだけれど――私よりもスロット歴そのものは長いし、深く熱中していた。学生時代には徹夜でイベントに並んだり、学校をサボって打ちに行くことも稀ではなかったようだし、AT機全盛期にはスロットのために借金を作ったこともあるほど、のめり込んでいた。それに結婚してからだって、仕事の事情で打てない日々が数週間も続くと「ちきしょ、打ちてー」などとイライラが募るという禁断症状が出るくらいだった。いわゆるギャンブル依存症、スロット中毒というヤツで、曲がりなりにもパチンコ屋を経営する身であるというのに恥ずかしい話かもしれないが、とにかく旦那はそれほどスロットが大好きだった。

ところがその旦那ですら、今やパタリと打たなくなってしまったのである。私も旦那も、休日には家でゴロゴロしたりハンゲームをしたり、愛鳥と遊んだり、酒を飲んだり、買い物したり外食したり、スロットとは全く無縁の時間を過ごしている。もちろん、旦那は「ちきしょ、打ちてー」などと苛立つことはない。

「なんでだろうねぇ」……なんて互いに首を傾げてしまう。私も旦那も、自分たちがどれほどスロットに気持ちを駆り立ててきたか、そしてスロットに限らずギャンブルに一度手を染めた人間が、それを払拭しきることはどれだけ難しいか――自覚していただけに、不思議でならないのだ。例えばハイエナっぽい立ち回りが利かなくなったとか、リスクとリターンが余りに合わなくなってきたとか、私たちにとって様々な不都合が色々出てきたにせよ、そう簡単に熱が冷めてしまうとは全く思っていなかった。あれこれと不満を漏らしながらも、そのうちまた自分なりに立ち回るようになって、スロットを打ち続けていくだろうと予想していたというのに。

「多分、あと何ヵ月後かには相当な数の客が離れるだろうね」――まるで他人事のように旦那は言うのだけれど、内心はかなり不安を抱えているのだと思う。都内ではいくつかのスロット専門店が閉店するようだし、そんな話を耳にすると胸中穏やかではいられないだろう。幸い、旦那の店はパチンコも営業しているし、スロットにしても今のところは変わらぬ客足のようだから、閉店どころかシマ封鎖もリアルな話題ではないのだけれど、果たして半年後、一年後はどうなっているのだろう。どんな現実と向き合っているのだろう。私は全く商売のノウハウなんて分かっていないし、何もできないので口をつぐんでしまう。それに、それでも尚、どこの駅前にもパチンコ屋が乱立している現状への疑問はどうしても拭えない。旦那も時折似たような疑問を抱くようなので、なんだか二人とも複雑な気持ちになる。

まぁ、しょうがないな。とりあえず、来週は大都技研「シェイク」の展示会があるのでそこでテンションをあげよう。旦那は「絶対クソ台」と断言していたけれど。

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2007年3月17日 (土)

花より男子が終わりました。

ちょいと照れくさくってみっともない話を書くが、ウチの旦那はああ見えて――図体は人一倍デカくて大食いで、頭はアステカと食いタンドラ1でしかできていない、つまり腕っ節だけよさそうなアホなんだけれど、甘えん坊である。未だにオーストリアとオーストラリアの区別もおぼつかず、「新陳代謝」が「●ん●ん男爵」(一部自粛)に聞こえてタマラナイという、涙が出るぐらいのアホなのだけれど――甘ったれで、素直で可愛いヤツなのである。

昼も夜もいつも不定期な時間に働いて、社長である義母にどやされることもあれば、仕事のデキそうな若手社員に「な、何やってんスか」とツっ込まれ、愉しみの設定打ちも低設定が噴いたり高設定が不発だったりとマシンの気まぐれに頭を抱え、オーナー同士のお付き合いに参加してみれば"在日話"でウンザリし、コンビニでちょっとタバコを買おうと車を止めたら一瞬で駐禁をくらい……それはそれは、日々お疲れで帰宅する。

とは言え、旦那はあまり仕事の多くを私に話さない。仕事に関して話すことは、今日は赤だったよとか、営業が来たよとか、そんな大まかな出来事ぐらいで、例えば「ナニがどうしてとってもダルい」といった愚痴を具体的に言うことはない。この辺、私とは全く違う。私たちがまだ彼氏彼女の関係であった頃、当然私は働いていたわけだけれど――「ったくもー、タナカ(当時の上司)が下ネタばっか言ってウザいの!!」なんて生ビールを飲みながら、私はよく旦那にこぼしていた。その頃から旦那は、会社や人物に焦点を絞って、いかに自分がイヤな思いをしたかこと細かく相手に説明することはなく、愚痴らしい愚痴を口にすることはなかった。せいぜい「昨日は入替が朝まで長引いてダルい」ってなぐらいだった。

今でもそうなのだけれど、まぁ旦那が一体どういったモノが嫌いで疲れるか、今日はイヤなことがあったのかぐらいは、なんとなく顔色だとか表情だとか口調で想像がつく。それに私も言われないことは特に聞かない性質でもあるし、むしろ私が旦那に自身の今日一日を話したくなってしまうので、自分から旦那のそれを訊ねることはない。

旦那は疲れたり憂鬱な気分を味わったりすることが日々色々あるのだろうけれど、決してそれらを言葉にすることなく自分の中に留めて――こう書いてみると、いかに頭が悪かろうと殊勝な男のようだし、まぁ実際そうでもあると言えなくもないかな、なんて我ながら思うのだけれど――それでもやっぱり、甘ったれの小僧なのだ。

「ねぇねぇ」帰宅して一息つくと、毎日必ず、絶対に旦那は言う。「頭ナデナデして」

毎日必ず、昼夜問わず、帰宅して靴下を脱いでお茶かビールを飲んだら絶対に、じっと小動物のようなひたむきな視線でもって「頭ナデナデ」をせがむのだ。

「あんたの頭、重いからヤダ」なんつっても、日々働いてくれている旦那に労わりの気持ちがないわけじゃない。ソファーにもたれた私の膝に置かれた、重いくせにカラッポの頭を撫でる。パチンコ屋の澱んだ空気を浴びてきた旦那の髪は、整髪料と入り混じってとてもベタベタしているし、ただでさえ彼は脂性なのだ。額の生え際のあたりなんて、妙にしっとりテカっていてとても触れたモノじゃないのだけれど――まぁしょうがない。実家の愛犬の毛づくろいをするように掻いたり撫でたりしながら、私はボケっと視線をテレビに向けてビールを飲む。時折、「また人が殺されちゃったよ」とか「深夜放送って最近つまんないね」なんて話しかけると、「そだね」「ホント、そだね」とぽつぽつ返事が返ってきて――しばらくすると返事はなくなり、下を向けば寝息を立てている旦那がいるわけで――本当に甘えん坊だ。

毎日のことなので、つまるところ、日課だった。

ところが、もうなんだか、ここ何日間はどうしても、どうしても、私ってば――思うところがあって、「頭ナデナデ」をする気分になれなかった。別に旦那と喧嘩をしたとか、気に入らないことがあったとか、もちろん彼に対する有難い思いがなくなったわけではなくて、その辺はいつも通りなのだけれど、どうしてもこみ上げてくる新たな思いが、「頭ナデナデ」を拒否してしまうのだ。

「頭ナデナデして」――旦那はいつものように、おねだりしてくるのだけれど。

「ねぇ」

「ん?」

「頭ナデナデをしたくないわけじゃないんだけどさ」

「うん?」

「アンタの頭ナデながら、この間、ふと思っちゃったんだよね。『このまま撫で続けたら松本潤くんか、小栗旬になればいいのに』って」

「えっ…」何それ、と言わんばかりに旦那は目を丸くする。

「土曜日に花より男子の総集編みたいなのやってたでしょ? あれ観てたら、もう、たまんなくなっちゃったよ。あの二人、やっぱ良いわ。『ごくせん』の頃もよかったけど、花より男子でも眩しすぎる。っていうか、カッコよすぎ。やばい。しかもカワイイ」

「………」絶句する旦那。

「ねぇ、なんでアンタは松本潤じゃないの? 小栗旬じゃないの?」

「……そ、そう言われても……その……」

「あたしゃ悲しいよ」

私は本当にこのとき、それはそれはもう深々と溜息をついた。以前にもブログで、松本潤・小栗旬の両者がなんだかとても可愛らしくってしょうがない、若い人たちが恋愛にひたむきになる姿っていいもんだなぁ、と書いたけれども、総集編を観てどっぷり浸かってしまった今、"いいもんだなぁ"から"カッコいい"に気持ちが豹変してしまったのだ。

「この脂っこい頭を撫でてるうちに、松本潤に変わればいいのに…」――私はしみじみと、そんな気持ちになっていた。

「え、でもさ、その…」旦那は申し訳なさそうに言う。「俺だって、よく見れば、松本潤とまでは言わないけど、小栗旬ぐらいには似てるように見えてくるんじゃないかな…」

「小栗旬、ぐらい? はぁ? ぐらい、ってナニよ。アンタ、ナニ言っちゃってるの?」

「いや、その」

「小栗旬ぐらいって言うならね、さっさと小栗旬になりなさいよ! バカ!!」

最後の「バカ!!」が効いたのか、旦那は必死に言い返す。

「なんなんだよぉ。そりゃ俺も小栗旬好きだよ。『ごくせん』の小栗旬は特にサイコーだったよ。カッコいいと思ったよ。でも花より男子の小栗旬なんて、ただの、ヨン様ルックしてるだけじゃん!!」

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……そうかも。

い、いや、それでも。

「そんなの関係ないの、どうでもいいの!! とにかく私は悲しいんだから、放っておいて!!」

「ナニが悲しいんだよ…」

「アンタの全て!!」

……なんて入れ込んじゃって、旦那は二日ほど「頭ナデナデ」のおあずけをくらったのだ。いやー、申し訳ない。その後はどうしてもナデて欲しいのか、一個千円もするスィートポテトや長蛇の列ができる鯛焼きであるとか、手土産を携えて帰宅するようになった。

「なんか、近頃、ハードル高いよ…」ポツリと旦那は呟いていた。

そんな花より男子も最終回を迎え、これまでドラマを逐一チェックしていなかった私も夜十時にはテレビに噛りついていた。ヒーロー・道明寺司くんの野性的なガキ臭さを見事に体現している松本潤くんがステキだったのはもちろん、なんだかこう、心の一番キレイで純なところをやたら刺激してくるストーリー展開で、気持ちがやたらと上向きに、明るくなる。こういうのを若返った気分になる、というのかもしれない。原作とは異なる展開に、「あれれ?」と首を傾げてしまうこともあったけれど、それはそれでハラハラドキドキできた。そして何より、このドラマって――出演されている方々を始め、製作者側の楽しさが伝わってくるのだ。もちろん実際の現場を見ているわけでもなんでもないのでただの想像なのだけれど、なんとなく製作者側のチームワークの良さを彷彿とさせるし、ドラマのホームページを覗いても丁寧に作りこまれていて、作品への愛情や愛着を感じさせられてよかった。製作者側のテンションって、意外と視聴者にも伝わるものなんだろう。

あぁ、終わっちゃったな。もう観られないんだな――とほほ。ちょっと寂しいけれど、現実に戻って、また旦那の頭でもナデるか…。

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2007年3月16日 (金)

ロト6日和

ロト6の発表を見たら、なんということだろう。

数字が全て六つとも一致しているのだ。

驚いた。一体どういうわけだ。なんで同じなんだ。コレ先週の発表じゃないだろうな。何度も何度も、目をギョロつかせて、当選番号案内ホームページ画面と、自分のくじを見比べる。ちょっと手が震える。

合っている、抽選日も当たり数字も、自分のくじと全て同じだ。

なんだか信じられず、もう一度、当選番号案内ホームページを読み込んでみる。そしてもう一度、見比べてみる。

同じだ。

ひょっとして、これってもしかして一等に当選したということだろうか――いや、待て。

もしかすると、何かワナがあるのかもしれない。ワナってナンなのか自分でもよくわからないけれど、例えば、この数字六つだけじゃなくて、もっと別に発表されている沢山の数字と合ってなきゃならないとか、くじを買った日だとか、数字にマークした順番だとか、色々な条件をくぐって乗り越えないと、一等ってヤツは手に入らないんじゃないか――そう思い直し、再び「みずほ銀行宝くじコーナー」トップページへ戻る。

困った。特にロト6のルールが明記されておらず、一体何が当たりとされるのかわからない。やっぱり何かあるんだ――Googleの検索ボックスに「ロト6」と打ち込み、検索してみる。実に様々なページがヒットするが、チキショ、一体何を持って当たりとするのか、どこにも簡潔に説明されていない。困った。どうしよう。ロト6なんて普段買わないくせに、思いつきで手を出すからこんなに混乱してしまうんだ。買わなきゃよかった。

「ナニ、どうしたの?」

パソコンの前であたふた動揺している私に、旦那が声をかけた。

「あ、あのね、これ、数字、全部、一緒」

「は?」

「これ、全部、一緒」

フィリピンパブのオネーサン真っ青の日本語で旦那に言うと、彼はマウスを握り再び当選番号案内ページを読み込んで、私のくじと画面を見比べてしばらく黙って――やがてクチを開いた。

「これ、当たってる」

「当たってる?」

「そう、一等、当たってる」

「当たり? オカネ?」

「そう、オカネ、モラエル」

「…………」

「…………」



ええええええええええええええええええええええええっ…











目が覚めた。夢だった。

でもこれが、何かのお告げってこともあるかもしれないし、いわゆる吉夢ってやつかもしれないので、念のためにロト6買ったのだけれど、カスリもしなかった。

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2007年3月13日 (火)

鬱な彼女

友人が深刻な状況に立たされている。彼女の身の回りで実際、どれほどのことが起きているのか、今現在、傍にいるわけでもないし当然目の当たりにしていないので、私はよくわかっていない。それでも本人は、「もう、会社に行きたくない」と、受話器の向こうで悲しげな声を漏らす。溜息をつくことはない。小さくていつもよりちょっと低い声で、淡々とただキツいのだと話す。時折、鼻をすする音がして、あぁ涙を流しているのだなということがわかる。

昔、同じ会社で働いていた編集業の同僚で、同い年の――二十代後半の女性だ。私が退職してからはしばしば連絡を取り合って、今では親密な友人関係にある。同じ部署で、同じ仕事を一緒に担当して、互いに相談したり首を傾げたり、愚痴を言ったりしながら働いていた。モノづくりに携わる仕事を担当していた背景もあってか、よく好みの創作物の話をしたのだけれど、わりとその辺の相性もよく、次第にプライベートな話題も交わすようになった。だから例えば、彼女が地方出身で現在一人暮らしを続けていることはもちろん、実家のご両親とはあまり上手くいっていないこととその理由、オトコと付き合うと大体数ヶ月でフラれること、あるいは二番目になりがちなこと……彼女にある大体の背景を、私は知っているつもりだ。

だから、という接続詞が続くことが正しいのかわからないが、私は彼女が根本的に楽観的な思考をすること、それでいてどんな話題でも――例えば仕事の愚痴であろうと――なんだか楽しげに話をすること、また、すぐに「だりぃ」と背中を掻いてデスクを離れる私とは違って責任感の強いことなど、大体の彼女の性質もわかっているつもりだ。一緒に仕事をしていた頃だって、周囲に迷惑をかけるほどのミスをした私が、「もうダメだ私バカだ」なんつって隣りでどんよりしていると、「まぁ今始まったことじゃないじゃん」と慰めなんだかよくわからないが、とりあえず肩を叩いてくれた。彼女自身がミスをすることも稀にあったが、落ち込みがちですぐにマイナス思考に走る小心者な私とは対照的に、彼女は感情的になることなく、現状を受け入れた上で前向きな姿勢を崩さないタイプだった。それでいて、仕事が好きだった。彼女がどこまでこの会社を気に入っているのかは微妙だったけれども、仕事に