2007年5月14日 (月)

更新とお返事が大変遅れました

特に何があったというわけでもないのに、ぼんやりと過ごしているうちにブログを放置してしまった。敢えて理由を挙げるのであれば、それはもうスロットに対する急激な興味の低下。打ちに行かなくなって数ヶ月経ったのだけれど、それどころか新機種情報をチェックすることすら――旦那に色々と資料を貰っても、「なんだかなぁ…」とテンションは上がらず、一通り目を通して、自分なりにまとめてみる気持ちになれなかった。

テンションが上がらない、というのは、むろん自分が打たなくなったことが一番の理由なのだけれど、それにしたってこれといって面白そうなソソられる機種情報が、今のところ、ない。打たなくなって随分経つので、私のソソられるポイントと周囲のそれが少しずつズレてきている可能性もあるけれど、やはり無理をしなければ「これは面白そう」とテンションを上げられない機種ばかりだ。

仕方がない。5号機なのだから。そして私自身が5号機の長所を何ら体感してもいないのだから――とはいえ、例えばヤーマ「ジャックと豆の木」が発売されると耳にしたときのドキドキだとか、「ひょっとしたらヤってくれるか?」といった期待感は本物だったし(導入率や人気が上がることはなかったけれど)、5号機だからといって必要以上に何もかもゲンナリしていたわけではなかったのだけれど――とにかく、今、青ドンが発売されてその後は赤ドン、最終的には緑ドンが発売されるヨなんて話を耳にしても、目を向ける気持ちになれない。

そんな私でも、旦那はパチンコ屋の経営に携わっていて、私はその嫁なわけで――やっぱり「パチンコ屋の嫁」なのだ。旦那の仕事状況、ひいては店の状況は、いつも内心とても気にしている。以前旦那も「オレやオマエみたいなのが打たないぐらいだから、きっとユーザーはホントに減るだろうな」といったようなことを言っていたのだけれど、私も実に同感で、未だに5号機の効率の悪さに匙を投げたくなるような気持ちでいる方もきっと少なくないだろうし、漠然と違和感を覚えている方もいるだろう。それにどれだけハイスペックな5号機であろうと、あるいはメーカー側がリーズナブルなリースプランを組んでくれようと、機械代回収は以前より難しくなっていることも現実なのだ。

多くの一般的な人々が抱くイメージ通り、パチンコ屋営業は決して儲からない仕事ではない。ユーザーが多いから、しっかり回収しているから、様々な事情はどうあれ、とにかくこの業界のレートが高い余りに、売り上げも利益も結構な金額になる。ただ、個人的には特に裕福な暮らしも求めてはいない。余りに貧しくて、いつの間にか心まで貧相になってしまうような暮らしは願い下げだけれど、そうならないような努力をし合える家族でいられるのであれば、そして願わくば自分や周囲の人間の可能性が必要以上に潰されない程度の資産が保持できるのであれば、本当に十分なのだ。それに、お金を賭けて時間を過ごせる施設がそこら中にゴロゴロしている風景というのは、やはり見栄えのいいものでもない。

それでも旦那はコレを仕事にするしかなく、当然私を含めた家計そのものは、その腕にぶら下がるしかなく、何はともあれ、旦那も私も目前の、やるべき事を全うすべく努力するしかない。いや、私などは見守るしかないかもしれない。

そんなわけで心配はしていたのだけれど、まぁだからといって旦那がやたらと忙しい状況でもなかったし、その上四月はどうにも私が不調だったし、これまで書いたように自ら旦那の仕事状況を訊ねるマネは元来しないわけで、つまるところ何もしなかったわけで、まぁ聞いたところで私が具体的に出来ることなどないのだ、けれど――心配は心配なわけで、モヤモヤする日常が続いたわけだが、最近ひょっこり旦那が口を開いた。

「スロットの売り上げ、今までの3分の2になったよ」

これといって、くたびれた表情をしているわけでもない。愚痴だとか弱音だとか、疲労を訴えたいような姿勢は見られなかった。むしろ「設定1の番長がなぜか噴いた」と悔しがる、いつものノリだった。

「そんなこと言ったって、GWに随分抜いたんでしょ」なんて私もいつものノリで返す。

「まぁ、そりゃそうだけどさ。平均するとやっぱり3分の2だね。お陰さまで、稼働率は維持しているんだけど、やっぱり5号機はベースが低いから参っちゃうよ。客層は…若い人が少し減って、お爺ちゃんだとか年配の方がちょっと増えたかな。パチンコの"仕事人"を打てなかったお客が、なんだか5号機触ってるみたいで…」

「な、なにそれ」私は笑った。「なんでパチンコにスロコーナーが助けられてんのよ」

「そりゃ同じ店内にあるモノだしねぇ…」なんて旦那も苦笑する。「それより、いよいよ番長がもうすぐハズされるわけだが。何入れればいいと思う? なんか面白そうな機種、ないかな」

「知らなーい。つまんないのばっかりだもん」

そうか、3分の2か――この売り上げを、少なからず残っている4.7号機が支えていることは明白で、5号機だけになってしまったらきっとさらに――なんて不安は旦那も私も感じているところだけれど、それでもなんだかお互い明るい話ばかりしていたし、心のどこかに「まぁ何とかなるか」という根拠不明の楽観的な姿勢があった。つまらない機種ばかり発売されているように見えてしまうけれど、スロットがなくなるわけでもない。打つ人間が皆無になってしまうわけでもない。私たちだって、いつかまた没頭し始めるかもしれない。

今後売り上げが下がることは間違いのないところではあって、旦那や、ひょっとしたら他のオーナーも、大きく広がった風呂敷を少しずつ畳んだり、小さい風呂敷にしてみたり、試行錯誤することに疲れてしまうだろうけれど、モトのレートが狂った業界なのだからと腹をくくることも必要だろうし、それでも営業し続けるのだからやるしかないわけで――きっと何とかなるのだから酒でも飲んで寝ましょうか。経営のケの字も分かっちゃいない嫁だけれども、とりあえず楽しく美しく生きていけることを夢見て、久々の更新とさせて頂きます、ごきげんよう皆様。

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2007年2月21日 (水)

スロ気分の減少と面倒なもろもろ

ここのところ全くスロットを打っていなければ、もくもくと家事を済ませてハンゲームの麻雀に興じたり、愛鳥をナデナデしたり歌を教えたり(全く覚えてくれないけれど)、あとは本を読んだりマンガを読んだり雑誌をめくったり、夜は旦那とビールを飲んだり――少なくとも以前よりは時間の過ごし方が健康的である気がする。スロットを打っていれば、パチンコ屋はどうしたって空気が悪くコンタクトは乾くし喉はヒリついて、身体に優しい環境であるとは言い難いし、当然負けることだってあるわけで、お財布事情的にもよろしくない。あるいは負けるかも、なんていったプレッシャーを感じながら立ち回るのは、意外と精神的な負担を覚えるものだ。

以前はこんなこと百も承知だったし、負けたくないというプレッシャーすらも一つの趣として、スロットを打っていた。ところがここ最近――いや、もう吉宗が撤去されてから少しずつ少しずつ心の中では進行していたことなのだけれど――いよいよ、スロットから自然と足が遠のき始めたようだ。スロットを打つ、言わばお金を賭けることへの緊張感を飛び越えられる程、のめり込むことができる機種がなくなってしまうのって、これだけ痛いことなのかと改めて思う。大好きな吉宗は昨年夏に消えてしまったし、GOGOジャグラーVも撤去されてしまった。銭形や巨人だってまぁまぁ好きだったけれど、減台されて近頃はあんまりイベント対象機種にもならない。番長や秘宝伝といった、他の4.7号機はまだまだ現役のようだけれど、特別好みでもない。唯一残るのは鬼浜で、まぁあとはジャグラーTM・ファイナルジャグラーが打てる状況にはあるのだけれど、立ち回りたい機種が限られてしまうとホール内でとても動きにくい。

5号機を色々試してみようと思うけれども、これも日々高設定が期待できるような甘い状況にあるわけではないし(少なくとも私が通っている地域では)、仮にイベントが開催されていたとしても、生活サイクルの事情で朝イチから打てる機会は滅多にない。

私の生活からスロットがどんどん消えていくわけで、しかもムリにガマンしているわけでもなくごくごく自然な流れで消えていくわけで――淋しいけれども、まぁ仕方がないし、これはこれでいいのかもしれない。もちろん、全く5号機に期待していないわけでもないし、それこそ高設定を奪取できれば少なくともストック機よりは安定した勝負が望める可能性は高いわけだし、5号機もきっと打てば好きな機種が見つかるだろう――なんてことも思うのだけれど、いかんせん、ホールまで足を運ぶモチベーションが下がっているのだ。

たとえオール設定1であろうと大好きな吉宗さえ設置されていれば、「どんなゲーム数で落ちてるかな」なんつって様子を見に行ったりするのだけれど――4.5号機の将軍様は、昨年夏に昇天してしまったわけで――好きな機種が撤去されるだけで、あるいは新機種・新規制に馴染めない状況にあるだけで、いとも簡単にスロットが生活から消えてしまうことに、少々驚きもした。これまで私は自らをスロット中毒だと思っていたし(そりゃもちろん自制心は失くさぬように努めていたけれど)、「スロット」が好きだからこそ様々な機種の好みが生まれるものだと考えていた。なので、大好きなイチ機種である吉宗やGOGOジャグラーVが撤去されても、スロットそのものに対するモチベーションは、なんのかんのと言いながらも変わらないのだろうと――そう思っていたというのに、この有様。私にとって「スロット」ってナンだったんだろうね、なんてことをモヤモヤと感じる今日この頃。

旦那も旦那で、「最近は昼過ぎから行っても勝負にならないしなー」なんつって、全く打っていない。旦那などはコンドルやビーマックスの頃から打っていて、どんなに規制が変わっても好きな機種があったし、それこそスロットが大好きだと自負していたというのに。

「なんか、最近ちょっと、違うよねぇ…」とボヤきながら、二人でビールを飲んでいたりする。

まぁ私は主婦だし、あと数年のうちには妊娠して出産して子育てしたいなぁなんてことを思い描いているので、スロットが生活から消えるのはむしろモウマンタイってやつなのだけれど、旦那は「スロットを打たないオーナーにはなりたくないんだよなぁ」と、とりわけ塞ぎこんでいる。まぁパチンコだって抱えているのだからパチンコ打ちに転向してもよいのだけれど、やっぱり自らアツくなれるのはスロットのようで、その自発的にアツくなれる感覚や瞬間を忘れたくないらしい。私は経営のことも商売のことも全くわからないけれど、この姿勢はなんとなく共感できる気がするので、なんだかしんみりしてしまう。

……って、ブログまでしんみりしてどうする。

旦那は今日、警察に『誓約書』を提出した。おそらくほぼ全国区で実施されていることなのだけれど、なんでも、風営法やら何やら様々な現行法を遵守しますとか、管轄区の警察が予告ナシに立ち入り検査することを認めますとか、ややこしいけれどとにかく厳しく、それでいて当然の内容の『誓約書』だ。そう、当然ではある。オーナーが韓国籍であろうと朝鮮籍であろうと、それこそフランスだのアメリカ籍であろうと、日本で営業する以上は日本の法律を守ってくれなきゃ話にならないし、警察の立ち入り検査だってこれから5号機が増えて裏モノの蔓延が危惧されているのだから、許可するべきなのだ。裏モノだって、規定からハズれた仕様なのだから、取締りの対象になるのは真っ当な流れだ。

「それでも、いちいち面倒だなぁ」――と旦那は苦笑する。

取り扱う景品――お菓子などの、特殊金景品以外のもの――の数も、今後は増やして、今年6月までにはウン百個にしろとか、今年一杯までにはウンウン百個にしろとか、あれこれとお達しを頂戴したらしく、「あーマジで面倒」とこれまた旦那は溜息をつく。しかし、取り締まりと言っても、言われてみれば当然の内容だし、面倒とは言っても、もっと面倒なお達しなんてきっと他の業界にもあるだろう。ただ単純にこれまで野放しであっただけに、面倒に感じてしまうのかもしれない。それでも、お役所の人間とのやりとりが増えるのはそれなりの心労はあるだろうし、景品の数だの暴力団と癒着するなだの(ちなみに暴力団追放は、パチンコ屋に対する警察の決まり文句。今時ヤクザとつるむ暴力団なんているんだろうか)――当然の内容と解っていても、いまいちピンとこないお達しばかりをわざわざ頂戴しに行く、というのは確かに面倒だ。

緊迫する北朝鮮との情勢や、国内では朝鮮総連問題など、パチンコ屋に厳しくなる事由は様々あって、特に北朝鮮との関係は重要でこれまでも何度かブログに書いたのだけれど、2011年にはカジノが建設されることも忘れてはならない。既にカジノ法案はまとまっていて、カジノ建設は決定されているわけで――なんでも復党した野田聖子議員が中心となって頑張っているらしい――これまで国内で曖昧であったギャンブルの位置づけを、2011年までにはクリアにせねばならないのだ。よってパチンコパチスロはギャンブルではなく、娯楽・ゲームであるという通念をより強化する傾向にあるのかもしれない。ギャンブルという言葉でもって御国が国民に紹介する初の対象物はカジノであって、これまでのパチンコパチスロはあくまでも"娯楽"なのだ。そういった姿勢を徹底するためにも、今後もパチンコパチスロ機種なり店なり、それらに対する規制はより細かく、営業する側やお客にとっては厳しいものとなっていくのかもしれない。

まぁ、しょうがないか――なんて思ってしまう私だが、全く淋しくないわけでもないし、旦那の好きな仕事は順調であって欲しいし――しょうがないのだけれど、ちょいと複雑な気持ちにもなる。最初からパチンコパチスロをお国の管理下にしっかり強いておけばよかったんじゃねーの、高度成長時とかバブルの時に何してたの、ってな短絡的な思いを抱かないわけでもない。……って気がつけば、最初から最後までナンだかやっぱり湿っぽい話になっている。まぁ、しょうがないわけで、つらつら書いてしまったわけで、とほほ。そういうわけでここまで読んで下さった方々、どうもありがとうございます、それではまた。

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2007年1月26日 (金)

友人の結婚

どういうわけか、いつの間にか、パチンコ店で勤める友人が何人かいる。まぁ基本的に学生時代に通っていたいくつかの雀荘でよく同卓した常連さんだったり、あるいはその頃よく通ったパチンコ店で勤めていた従業員だったりで、ちょっと会話を交わしたら意気投合して飲みに行って仲良くなった…という流れで「友人」となったわけで、かれこれその付き合いは意外と長いものだ。

気軽に飲みに行ったほどなので、当然年齢も私と近い。出会った頃は二十代前半、今は後半で、あの頃はホール従業員、サラリーマン風に言ってみればいわゆるヒラ社員だった皆も今、男性は店長だの主任だの班長だの、あるいは設定師だのと立派な肩書きを背負っている。女性の何人かは既に退職して他の仕事に就いたのだけれど、中には続けている方もいて、残念ながら肩書きとは無縁ではあるものの(女性が出世をしづらい環境だからかもしれない)、店内では頼りにされる古株さんとなっている。

現在私が暮らす場所も打ちに通っている地域も、学生時代を過ごしたりその頃遊び回った街とはいささか距離があるので、実際に顔をあわせる機会は殆どない。飲みに行くことも、私が結婚してからは随分減ってしまった。それでも折々の連絡は互いに絶えることもなく、仲良し関係は保たれていた――携帯のメール機能って、本当に便利だ。

まぁそんな友人関係にある一人の男性から昨日電話があったわけで、聞けば隣町の駅まで来ているという。昼下がりに飲みに行くわけにもいかず、「じゃぁちょっとお茶でもしようか」ということになった。

彼を待たせること三十分ちょっと、駅前のドトールに行ってみると、なんと初めて見るスーツ姿だった。上下黒のスーツに、クリーニング店できちんとプレスしてもらったのだろう、襟の整った白いワイシャツ、淡い黄色のネクタイを締めている。

「なに? アンタ、就職活動でもすんの?」

笑いながら言ったそれが、私の第一声だった。

「いや…その…」彼は口をモゴモゴさせて、照れたような視線を私に向けて、言った。「結婚しようと思ってさ」

「はぁ?」
結婚を決意した人間に「はぁ?」というのは冷たく失礼なセリフかもしれないが、本当に驚いたのだ。彼に付き合って二年ほどのカワイイ彼女がいることは知っていたけれど、結婚を想定した深い間柄まで育っているとは、よもや思わなんだ――が、まぁ私が彼らに会ったのは実に一年以上も前のことで、その間に彼らの関係が熟していたって決しておかしくはない。

「それで、今日の夕方に彼女の実家に挨拶に行くことになってるんだ」
「なのにこんなところで油売ってていいの?」
「うん、実家はこの辺だし。せっかくここまで来るんだし、久々にオマエとお茶でもしようと思って早めに出たから時間はあるよ」
「あっそう」

彼は今、都内のスロット専門店で主任という役職に就いている。出会った頃はその店のホール従業員だったのだけれど、その頃からテキパキとしていて、接客態度は適度な優しさと丁寧さを持っていて、いわゆる仕事のデキそうな雰囲気があった。当時は「お客様」だの「ちゅう太様」だの、名前の下に必ず「様」をつけて呼ばれていたのだけれど、飲む回数を重ねるごとにいつしか「オマエ」となり、彼のセリフから敬語が消えていった。それでも、彼の人に対し誠実であろうとする丁寧な姿勢はいつまでも消えないので――元来、そういう性格なのだろう。

「しかしなんでまた、唐突に結婚することになったの?」
「いやー、それがね。デキちゃってさ」
彼は破顔して言った。とても喜んでいる様子で、女性としては内心ホッとする。私は妊娠したことも出産したこともないけれど、彼氏彼女関係の段階で子供ができると、相手の男性が果たしてどんな対応をするか、きっと女性は少なからず不安になるだろう。もし困り顔でもされたら、困ってしまうことは男性としては当然で仕方のないことだと判っていても、とても悲しいものだ――と思う。

「よかったね。結婚も決まって子供もいて、なんて盆と正月が一緒にやってくるみたいじゃん」
「まだ相手の両親からOKされていないけどね」
「まぁ、タイプによっては激怒されちゃうかもしれないけど…最終的にはOKするしかないでしょ。大丈夫だよ」
言って私はカフェオレをすすった。温かい。
「うーん、でも不安だよ、いろいろ」
「まぁ大丈夫だって。ウチの旦那だってあんなにバカだけれど、お父さんにもお母さんにも気に入られたし」
「いや、まぁ…今日いきなりご両親が納得してくれるとは思わないけど、いつか何とかできると信じてるよ。単純に、子供を食べさせていけるか不安で…」
彼は眉を寄せながら、視線を落とした。

きっと彼の仕事や店のことが心配なのだろう。彼の勤める店は都内に数店舗あるチェーン店なのだけれど、近頃従業員のリストラが相次いでいることは、彼からメールで聞いていた。リストラされると言っても、対象となっているのは学生や二十歳前後の若いアルバイトで、いきなり食べることに困窮してしまう立場にありそうな人々ではない。それでもそういった流れを目にするにつけて、彼が不安になってしまうのは当然で――なぜなら、今年7月からのスロット事情がリストラの背景にあることは、紛れもない事実だからだ。

あと半年も経たないうちに、5号機だらけの営業となる。今まで書いたように5号機は機械代回収が困難で、ホールにとっては頭の痛い規制だ。近頃は従来に比べ格安な値段で発売したり、あるいは分割払いの最大回数が多くなったりと、機械代に悩むホールを気遣った販売が目立ってきたけれども、それでもやはりホールにとって厳しい現状は変わらない。まだ、5号機の魅力がしっかりとユーザーに伝わっていないからだ。

吉宗の撤去を皮切りに、初代北斗、そして南国育ち――これら三つの機種が消えたと同時に、おそらくどこのホールも稼動が伸び悩んでいるだろう。旦那の店だって例外ではない。赤字覚悟の大きなイベント時ならともかく、常日頃の通常営業でそれらの機種があった頃と同じくらいの売り上げは、なかなか達成しづらい。ただでさえ稼動率アップに悩む状況の中、未だ万人ウケする、言ってみればどの店の看板にでもなれるような人気機種が5号機で出現していないというのは、ホール側にとってはとても悩ましいことで、先行き不安になってしまうのだ。

特に彼が勤めているのはスロット専門店で、心配になってしまうのはしごく当然だ。

「まぁ…そりゃ、不安になるよね…」――としか、私には言えない。
すると言葉につまる私を助けるかのように、彼は口を開いた。
「一応、役職に就いているから、すぐにリストラなんてことはないだろうけど」
「まぁね」
「でも子供が成人するまで二十年か。大学まで通うとなったら…アリコのCMでやってるじゃん。『お子様が社会人になるまでかかる費用は約一千万!』って。アレねぇ…胸に刺さるんだよなぁ…」

生命保険に入っておきなよ、なんて冗談は言えなかった。万が一、営業不振となってホールが閉店したり、規模縮小するなんていう最悪の展開を迎えれば、一番困るのは彼のような役職なのだ。
アルバイトや一般社員といったホール従業員は、比較的若い人間が多いし、店の状況がいよいよヤバいと――あるいは今からだって危機感を持ったら、すぐに退職を選択できる環境にある。そして再就職も比較的しやすいだろう。ところが、彼のような役職の立場にあればどうしたって責任がアルバイトとは異なるため、店がヤバい状況にあるからといってアッサリ退職できるような環境でもなければ、心情でもないだろう。再就職せざるをえなくなった場合、年齢的に何かしらのキャリアを問われる頃でもあるし、パチンコ屋という大きいけれども狭い業界で身を立ててきたことを、一体どこの会社がどこまで理解してくれるだろう。プレッシャーを感じるのは当然だ。

「でも、すぐに閉店を選ぶオーナーも少ないと思うよ。そんなリスクの高い選択肢を簡単にとれるオーナーも少ないんじゃないかな」
「そういうもん?」
「そういうもん…だと思う」
経済学科に在籍していたくせに、金銭的、それでいて経済・経営的な見地はえらく苦手な私が言うことなので、大した根拠はない。それでも旦那がそんなコトを言った記憶もあるし、自分でもなんとなくそう思った。
「まぁ、シマ封鎖はあるだろうけど。特にスロット専門店でしょ? 台数とか状況によっては…シマ封鎖されるかもしれない。でも、だからといって、せっかく育てた役職を切るなんてことも、ないんじゃないかな」
「でも給料が下がるかもしれないし…」
そこでまた、彼は視線を落とした。

私は彼を励ますためにちょっと楽観的なことを言ってみたのだけれど、あまり効果はなかったようだった。現場の人間にとって、それでいてこれから家族を抱えようという身であれば、当たり前だろう。

「パチンコパチスロを打たない人にとったら、パチンコ業界が今どんな状況にあるか全く知らないと思うし、興味もないと思うんだよね。だから、余計に彼女の両親に仕事のコトを話すのが辛いよ。何て言ったらいいのか…ご両親は、パチンコ屋での仕事をバカにするタイプではないみたいだから、その辺は安心しているんだけど、収入や今後の展望を聞かれると、本当に辛い」
彼は時折コーヒーをすすりながら、つらつらとその胸中を語った。

私も黙って、何を言ったらいいのか、頭の中でゴチャゴチャと考えていた。旦那はこれからの営業のことを、どう思っているのかな、とあれこれ想像してみた。旦那はまれに「不安になるよ」なんて漏らしていたけれど、滅多にそういった弱音はもちろん、仕事絡みの湿っぽい話はしない。私も旦那が言わないのなら、聞かない。本当は旦那だってものすごく不安なのかもしれないけれど、ただ黙って一緒にいるしかない。
ただ、ウチの旦那だって不安がっているよ――なんて彼の共感を誘うセリフは言いたくなかったし、共感されるとも思えなかった。借金を抱えるオーナー、借金のないオーナー、土地を借りて営業しているオーナー、そうでないオーナー……色々いるだろうけれど、閉店や休業などの憂き目にあっても、なんとかなってしまうケースの方が多い気がする。借金を抱えていても、持っている土地などの財産で賄えたり、あるいは副業があったり、逆にパチンコ店が副業であったり、それまでに十分な収入と貯蓄があったり――あくまでも印象であって、そうではないトコロもあるかもしれないけれど、少なくともウチの旦那や義母がパチンコ業から手を引いたからといって(そんな選択肢をとるとも思えないけれど)、明日食べるのに困ってしまう状況ではない。
それは彼も知っていることなので、旦那が不安に思っているのだというセリフは本当に意味がない。それに共感を誘ったところで、全く何の解決にもならない。

かといって、彼の不安を取り除くマネは私には絶対にできっこない。彼の不安を払拭するためには、5号機時代も店にとって明るいものだという状況を作り出すことであって――そんなことできるハズもないし、私の仕事ではない。

……などとアレコレ考えていたら、だんだん、プツリと何かがキレ始めてしまった。

「あのねぇ」
「ん?」

口火を切ると、彼が顔を上げる。私は彼の目をしっかり見据えて言った。

「収入だとか、これからのコトだとか、何にも考えずに、挨拶に行こうと思ったの? アンタ、バカじゃないの? 普通そこまでしっかり考えて、あるいは彼女と話し合って、両親には挨拶するもんでしょ。何の準備もないわけ? ほんと、バカ。彼女が一番気の毒だよ。子供もできて、結婚することになって、母親になろうって腹が据わってんだよ。アンタがそんなんでどーすんの?」
「う、うん…」
「ナンにせよ、一緒に暮らして子供育てていきたいんでしょ。どういう状況になろうが、やってくしかないでしょ。それは彼女もわかってるんでしょ? そういうことも話し合わずに、子供ができたからって簡単に結婚を決めてたら、子供がカワイソウだね」
「うん…」
「両親に何を言ったらいいのかもわからないほど、悩んでるんだったら、彼女にそのこと言ってもうちょっと待ってもらうしかないじゃん。でも子供がいて、しかもアンタが父親なんだから、だらしないことばっかり言ってるんじゃないよ、全く」
「ああぁ…」
「第一なぁ、こんなコトで悩むぐらいだったら、最初から避妊しろ、バーカ」

私ってば、本当にこういう、こらえ性のない性格なのだ。ただもう、ウジウジ悩んでいるのは大嫌いで――そのくせ、自分は小心者でウジウジすることが多々あるのだけれど、それを棚に上げて他人、こと仲の良い関係にある相手に向ってはズケズケと踏み込んでモノを言ってしまう。申し訳ないし、決して反省しないわけじゃないし、ここまでハッキリ言う前にそれなりの道筋を辿って躊躇もしているのだけれど、特に今回は母親となった彼の彼女を思うと、同じオンナとして彼を頼りなく思い苛立ってしまった。

……まぁそれでも、最後の「バーカ」は、我ながら、やっぱり、余計だったと思う。

「そうだよなぁ」彼はしみじみと、深く頷いた。「本当にその通りだよなぁ…オレ、一応父親だし」
「一応、じゃないでしょ。れっきとした父親だよ。それでいて、結婚して、一生彼女と子供と一緒にいるって決めたんだよね? 迷いはあるの?」
「一緒にいることに関して迷いはないよ。居心地のいい相手だから、いつか結婚も考えなくちゃならないな、と思ってたし」
先ほどまでの暗い、口ごもった悲観的な表情はいつの間にか消えて、彼は普段通りのしっかりした口調に戻っていた。
「じゃあ、いいじゃん。そりゃ、経済的なことは不安になるかもしれないけど」
「不安だよ、今でも」
「不安なら、ある程度先のこと考えて、その答えを準備してから相手の両親に会うのが普通だと思うけど」
「でも、オレは…やっぱりこの業界で、それでできればあの店で、働いていきたいと思っているし」
「じゃあそう言えばいいでしょ」それから、キレてしまった後ろめたさから、マトモに彼を励まそうとちょっと優しい言葉をかけてみた。「大きい会社だって突然ブツれちゃう今、パチンコ店の不況ぐらい、きちんと受け止めてくれるよ、きっと」

そういうもんかな?――と言って、彼は笑った。そうだそうだ、と私は頷いて、彼の気分が少し浮上したのをなんとなく感じて安心した。
それから、ドトールでたわいもないおしゃべりをして――女性の"安全日"は本当に信用ならないと、彼が困惑気味で話す姿に大笑いしたり――彼女と約束の時間が来るのを待った。

一時間ほどすると、彼女が現れた。ジーンズを穿いていて、妊娠してるのに大丈夫なの、と尋ねると、「まだデキたばっかりだから、大丈夫なんですよぉ~」なんて明るい返事が返ってきた。血色も良く目もキラキラしていて、元気そうで、母親となり彼との結婚も決まった喜びが体中から溢れているようで、きっと彼は彼女に対して誠実で、不安にさせぬようきちんと気遣っていたのだな、と思った。

その分、さっき彼にズケズケ言ってしまったことをもっと後悔したのだけれど、ひょっとしたら彼も彼女に不安を漏らしづらかったのかもしれないし、かといって誰かに聞いて欲しかったのかもしれないし、それでいて彼も元気が出たようだしもちろん怒ってもいないので――まぁいいや、ととりあえず考えないことにした。彼とは短い付き合いではないから、私の性格も知っているだろうし問題ないだろう、と楽観的に処理しないと、逆に私も小心者なので夜眠れなくなってしまうのだ(言い訳)。

「じゃぁ、ご挨拶、頑張ってね」
「うん、多分大丈夫だよ。きっと、うん」

ちょっと表情を硬くしている彼を見て、「こうは言ってるけど、内心ビクビクしてるんですよ」なんて彼女が明るく笑った。彼女はいつもいつも笑って、大きな目をクリクリさせながらはしゃぐように話し、オンナの私にすら甘えるのが上手で、それでいて礼儀も忘れない、ちょっとやんちゃな子犬のような可愛らしい女のコで、きっとご両親に大切にされたのだろうという印象を持たせる。いやぁ、こんなコをお父さんから貰っていくのは大変だぞ、きっと。

彼は仕事の話云々の前に、両親を前に固まってしまうに違いない――なんてほくそ笑みながら、家路についた。まぁ彼の誠実そうな性格は年配の方にも十分伝わるだろうし、彼女の両親だって理解するだろう。きっと大丈夫だ。

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2007年1月 4日 (木)

ホール立ち入り検査、可能へ

三が日も終えて遅くなってしまいましたが、あけましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願いします……すっかり、パチンコパチスロネタは減ってしまいましたが。打つ機会が減ると、新台情報やら何やらのチェックをするモチベーションも落ち込んでしまうので、ついギャンブルを離れた話題をつらつら書いてしまうわけで、まぁ、申し訳ないのですけど、今後とも宜しくお付き合い下さいませ。

そんなわけで今年初の更新は、久々にパチンコ店に関わる話題を書いておこうと思うのだけれど、昨年末に決定されたことだから既にご存知の方が多いかもしれない。
そう今年から、遊技産業健全化推進機構のホール立ち入り検査が可能となったのだ。もちろん、無通知で、つまり予告ナシに営業中あるいは開店前、閉店後のホールに立ち入って、不正なコトをやっていないかどうかチェックできるようになったというわけだ。具体的な開始時期は、今年の4月2日からだという。

遊技産業健全化推進機構とは、昨年夏に設立されたいわゆる「パチンコ屋の不正営業を撲滅し、お客様が安心して遊技できる環境を作る」ことを目的とした、官僚様や検事様もろもろの再就職もとい天下り先である。夏に設立され、今年の春からようやく仕事ができた、というわけだ。

規定では「無通知で立ち入り検査を了承する誓約書を提出したホール」が対象となっていて、つまり全国全てのホールが問答無用で立ち入り検査されてしまうわけではないのだけれど、こんなものはオタメゴカシってヤツだ。誓約書を提出しなかったら、東京ならば都遊連だの都遊協だのにゴチャゴチャ言われてしまうだろうし、それによって同じ組合のホールや近隣店舗に迷惑をかけてしまうわけで、必然的にどうしたって誓約書を提出しなきゃならない構図は既に出来上がっている。殆どのホールが立ち入り検査に了承せざるを得ない状況であると言ってもいい。

ただ、私は地方の状況をよくわかっていないので――例えば組合同士がどのような付き合いをしているのか、各都道府県の遊連・遊協への加盟を半ば義務づけられているような雰囲気なのか、など――ひょっとしたら誓約書を無視しても問題のない地域や店はあるかもしれない。なので、「都内殆どのホールが誓約書を書くだろう」と言うのが現在のところ最も正確な表現なのだろうが、少なくともこの”立ち入り検査のお触書”は全国規模のものであるから地方の方も決して無関係ではないということで、この先読んで下さると有難い。

この立ち入り検査の目的は様々だろうが、主なものを挙げるのであれば、何よりも「裏モノの摘発」だろう。今年7月からいよいよ5号機メインとなるスロット市場だけれど、それに伴って裏モノの礼賛も招きかねない……と誰もが予想することだ。ウチの旦那も、「きっと今年は裏モノがいっぱい出回るんじゃないかな」と言っていたことだし、それこそ昔から嗜まれていた方なら、5号機規制を耳にしたと同時に予想されたかもしれない。
5号機のラインナップもいよいよ充実してきて、中にはとても面白いものもあるのだけれど、お客に出玉感を味わってもらうためにはどうしたって設定を上げるしかない。ただしそれでは、終日安定した稼動を保つのは難しいし、機械代回収だって困難なわけで――そこで裏モノが登場して、出玉感も利益もしっかり出しちゃう魔法の杖となってくれれば、というホールの望みをしっかり断ち切ってしまおうということだ。

不正営業、という点では遠隔操作も挙げられる。遠隔操作の方法は実に多様なのだけれど、簡単に言ってしまえば、事務所のホールコンピューターで何回転目で当たるとか、何連チャンするのか、とか一連の遊技の流れを全て決定してしまう、非常に嬉しくない不正行為である。主にパチンコで利用されるのだけれど、余りにも設備費用と発覚した際のリスクが高いので敬遠するホールも多い。
それでも都内では毎年数店舗が摘発されているし(昨年は上野やその他の地域で摘発されている)、あくまでもウワサではあるけれど、地方にはやたら多い不正なのだと聞く(その理由はおそらく、不正行為に目を光らせる団体の多くが都内に集まっていることかもしれない)。一体どれだけのホールが遠隔操作をしているかと問われると、決して多くはないと言っていい状況ではあるけれども、もちろんゼロではないのだ。

今回の決定でさらに理由があるのなら、あとは北朝鮮問題だ。私の旦那は韓国籍で、もちろんホールオーナーの親戚・知人も韓国籍だから、一体朝鮮籍の方々がどのような営業をしているのかは判らない。それに朝鮮籍の方だからといって不正営業をしているなんて、そんな簡単な方程式はむろん成り立たないし、私自身はそんなこと信じたくない。しかしそれでも、ひょっとしたら中には、日本と北朝鮮の関係に非常に支障をきたす、何かしらの厄介なモノに関わっている店もあるのかもしれない。
ちなみに特別大きなニュースにはならなかったが、昨年、北朝鮮に対する送金が停止された後、送金を試みた、あるいは送金したパチンコ店オーナーには行政処分が下されている。共謀罪法案も廃案になってしまった今、そしてアメリカに「パチンコマネーのせいで経済制裁が全く効いてねーだろ」と叱られている昨今、パチンコ店を隠れ蓑に北朝鮮を補助するオーナーに対し、警察は遊技産業健全化推進機構を隠れ蓑に捜査するつもりなのかもしれない。邪推ではあるけれど、全く無関係とは言いづらい雰囲気は否めない。

そんなわけで、4月から立ち入り検査――言い換えれば、パチンコ店に対する強制捜査が可能となるわけだけれど、そのお題目を見る限り私はとてもいいことだと思う。旦那などは「ちきしょー、めんどくせぇ」とボヤいているけれども、これまで様々な厳しい規制を敷いてきたわりに、大して現実化されていない感があった。昨年5月に施行された風営法によって、例えば札差し、ポスターの貼付、イベントの集客文句、設定発表もろもろ――営業形態にひどく規制が入ったものの、全てを遵守するホールは甚だ少ないし、違反のボーダーラインにはなぜか地域差が混在し、全国に適用された法律であるのにひどく曖昧なものに見えた。私が通っているホールでは未だに設定発表を行っているし、しっかり設定6の札も刺さっているほどだ。

また地元管轄の警察も警察で、ひどく現実味のない「不正」に対し声高になるばかりだった。未だに暴力団追放を叫んでいて、ホールオーナーや景品会社の人間にそれだけを通達してヨシ、とするような――全くワケがわからない。

厳しい法を施行し、パチンコ屋の不正を本気で撲滅したいのであれば、とことんヤルべきなのだ。不正に全く関わりのないホールオーナーにしてみれば、また面倒な手続きが増えたと溜息をつきたいところだろうが、カタチばかり厳しくなってその実何も変わっちゃいないでは、法の意味もなければ、警察始め各団体の存在意義は皆無で、いよいよただの天下り先となってしまう。誰が見たって理不尽な構図だ。決定事項を役人たちが無下にしているなんて、みっともない。ホールが法律を遵守するのと同様に彼らも、決定された自らの責務から目を反らしてはならないのだ。

ただ――裏モノ、遠隔、その他の器具もろもろ、ホールの不正営業の手段はたくさんあるけれども、中でも最も多いものはサクラである。店長ないしは釘師・設定師など、その日の優秀台を知る人間が、知人などにその情報を漏らし、勝ち金を分ける――サクラ、と書いたけれど、サクラとはホールに利益を与える立場にある。つまりサクラの勝ち金は、ホールの金庫に入れられるのだ。むろん不正行為だが、どちらかと言えば勝ち金がホールの金庫ではなく、優秀台を教えた人間の懐に入るケースもやたらと耳にするし、むしろコチラの方が多いのではないかとすら私は思う。つまるところ、設定状況を知る人間の私利を満足させるためだけの、プチサクラ行為だ。

このケースの場合、大概ホールオーナーには知らされない。ホールに利益を与えないのだから当然だし、むろん不正摘発に怯えるオーナーはサクラ行為に快諾するはずもない。店にバレても警察に突き出されることはないが――ホールオーナーの監督不行き届きを責められるばかりなので――それでも即解雇だし、その後この業界で身を立てることは難しくなる。パチンコ業界に勤める一個の人間としては非常にリスクの高い行為なのだが、いかんせん立証しづらいため、なかなかバレない。オーナーにとっては不正というリスクを背負わされた上に不当な利益を従業員に与えているのだから、非常に苛立ちを隠せない行為なのだ。

まぁ、お客にしてみればドコに利益が流れているにせよ、台選びの選択肢が平等でないことに憤りを覚えてしまう。怪しいと思ったら、PSIO都遊連健全化センターのホームページにアクセスすると、匿名で相談・通報ができるのだけれど(情報の信憑性を高めるために個人情報の書き込みをオススメするが)、その効果の程は甚だ不透明だ。もちろん今回の立ち入り検査にしたって、サクラ・プチサクラ行為まであげられるかといったらなかなか難しいところだろう。それほど証拠の残らない、厄介な不正行為なのだ。結局、これらに対しては、ホールオーナーや善良な従業員が目を光らせるしかないし、お客は自衛のためにちょっと周囲を気にかけてみるしかない。むろん、お客には営業の監督責任なんてものはないので、肩に力を入れず自由に遊技する権利はあるのだけれど、どうしたって気分のいい話ではない。

現金で現金を得るようなギャンブル場には不正はつきものではあるけれど、パチンコ屋はとりわけ全国どこにでもある、一般化された賭博場だ。そして現行法では、賭博ではなく、娯楽として浸透するべき「遊技」であるのだから――その名に順じた立場や雰囲気を保つべきなのだ。また遊技として残るよう、規制が進められているこの流れに乗ることが、今後のパチンコ屋を支えるのではないだろうか。5号機だの立ち入り検査だの、あるいは風営法だのともろもろ厳しくなってきているけれど、厳しくする立場もされる立場も、しっかりその責務を遂行して欲しいものだと思いつつ――今年はよりよい年でありますように、なんて願ってみる。

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2006年11月18日 (土)

じゃん球、ってどうなのさ

じゃん球、というタイプの遊技機をご存知だろうか。古くから存在するマシンなので、馴染みのある方も多いかもしれない。パチンコでもスロットでも、もちろん麻雀でもないのだけれど、スロットメダルを投入し、レバーでパチンコ玉を弾いて、決められたゲーム数内に麻雀のルールにのっとったアガリ形を作れば、それに応じたメダルが払い出しされるという……三種のゲームが織り交ざったものだ。
現在、サミーがこのじゃん球の開発に精力的で今年八月には「ドリームジャンベガスZ」というじゃん球を発売し、今月上旬には型式名「自己中心派」というじゃん球を検定通過させている(おそらく、麻雀マンガ家として著名な片山まさゆき先生の代表作とのタイアップだと思われる)。

このじゃん球、千円使い切るのも難しいほど低投資で遊ぶことができる。通常メダル3枚など1秒もせぬうちに飲み込まれてしまうのに対し、現在導入されている「ドリームジャンベガスZ」は1ゲーム遊技するにあたり、3枚のメダルで11回玉を弾くことができるのだ。簡単な遊技の流れを以下に説明しておこう。

①メダルを3枚、投入口へ入れる
②左手にあるBETボタンを押すとゲームスタート。
③液晶画面に麻雀牌が並ぶのでまず一枚、アガるために不要な牌をボタンで選び捨てる
(さながらゲームセンターに設置されている麻雀ゲーム機のように、麻雀牌の並んだ数の分だけ、つまり14個のボタンが中央にある)。
④右下にある発射レバーでパチンコ玉を弾く。玉が盤面上または下にある、それぞれの入賞口に入った図柄が加わるようになっているため(麻雀っぽく言うならばツモってくる形となるため)、役作りに必要な牌を狙う。
※玉の打ち出しは基本的に11回。その間にアガることが出来ると、アガリ形に応じたメダル払い出し(3~30枚)が行われる。
麻雀のルールに準じたものであるものの、使用されている牌はピンズ、マンズ、字牌、ソーズの一九牌である。また無論、カンやポンなどは不可能であり、あくまでも所謂「面前手」を狙わねばならない。
※リーチをかけることも可能。テンパイ(あと一枚特定の牌が加わることによりアガリとなる形)時に右手にあるリーチボタンを押せばよい。つまり、リーチのみでアガることもできる。

従来、スロットである程度のメダルを一度に獲得するために打ち手が出来ることは、データチェックなどで設定を推測すること、ストック機などでは現在の回転数から期待収支を考慮すること、あるいは小役を取りこぼさぬよう目押しを徹底すること、ひいては祈ることなど、基本的に台の外側から攻めることしかできなかった。大当たりは台内部で決定されるものであるためである。
しかし、じゃん球で決定されるものはスタート時に並べられる牌と、一定のゲーム数といったルールのみで(その他強いて挙げるのであれば後述するBIG役などだが)、メダルを獲得するために打ち手が要不要を選択できる。敢えて打ち手が介入できない決定事項としては盤面の釘調整だが、こちらは「目に見える」設定であって内部のものではない。なんだかどうにも釘の具合が悪いようなら、打たぬという選択肢もあるのだ。

また、ゲーム開始時に14枚の牌が並ぶ際、液晶画面に「BIG役」「CHANCE役」が表示される。それぞれ指定された役を見事作り、アガると次回より「BIGゲーム」あるいは「CHANCEゲーム」が開始される。
BIGゲーム中は、盤面右にあるPLAYゲートに玉を打ち込むと中央アタッカーが開放され、そのアタッカーに玉が入賞すると液晶画面で好きな牌、つまり今回アガるべく必要な牌を自由に選択することができる。もう一度BIG役に指定された役を、この間は手軽に狙うことも可能だろう。
またCHANCEゲームとは――CHANCE役をアガった場合、このゲームに突入するか否か決定できるのだが、突入した場合――開始時にアガリ形の牌が配られ、自ら1枚捨て、テンパイに戻す。その後、盤面右のPLAYゲートに玉を入賞させ、中央アタッカーに5回以内に打ち込めば、BIGゲーム同様液晶画面から好きな牌を選択し再びアガることができる

BIG、と名がついていても百数十枚のメダルが一挙払い出しされるわけではないのだが、地道に継続させることによってそれなりのメダル獲得が可能なので嬉しいシステムではある。ただ、BIG役などに指定される役はとてもじゃないが11ゲーム以内にアガりづらいものだし、そもそもPLAYゲートやアタッカーに玉を打ち込むというのも、釘によっては簡単ではないので、これらは意外と難儀な「大当たり」であることに注意して頂きたい。

……と、このようなゲーム性なのだが、なんとなくでもご理解頂けただろうか。

実は最近、この「ドリームジャンベガスZ」に触れたのだが、ウワサには聞いていたもののどのように遊技するものなのか、一瞬戸惑ってしまった。先ほど「パチンコでもパチスロでも、無論麻雀でもない」と述べたが、逆にそのような機種がパチンコ屋に設置されていることに違和感を抱いた。ゲーム開始にはメダルが必要だというのに、打ち出すのはパチンコ玉、選択するのは麻雀牌と、三種のゲームが中途半端に混合していて、それでももちろん楽しめるのだけれど、いま少し一本化されたゲーム性なり雰囲気なりが欲しかったと――パチンコパチスロ、麻雀を嗜んだ人間としては感じてしまう。まぁ今となっては新タイプのゲームなので、仕方がないのかもしれないが。

また、麻雀に親しみのない方にとっては、やや困惑しかねないゲーム性である。このドリームジャンベガスZでは、液晶画面でお嬢さんがアガリに向うための牌をナビしてくれるのだが、遊技してみたところお嬢さん方がナビする牌は必ずしも11ゲーム以内という制限の中では効率的でない。むしろ、打ち手が自由に不要牌を選択できるという利点がこのゲームを支えているというのに、お嬢さん方のナビに従わねば進めないというのはその利点に若干反している気もする。

ただ、非常に低投資で遊べる。まさに遊びである。現在のパチンコパチスロは紛れもなくギャンブルだが、このじゃん球はゲームセンターでゲーム機と戯れるのと似ている。いや、ゲームそのものと言ってもいいかもしれない。例え少なかろうと金を投資するところまではギャンブルと同様だが、大当たりを成立させることによって目的とするものが金景品ではない感がある。金景品を狙おうと思えば無論狙えるのだが、どちらかというと、よしコレをアガろうとか、ココを狙おうとか、あぁハズしちゃったとか、最終的に獲得するメダルより、あるいは現在のパチンコパチスロよりも、ゲームの過程を味わえる仕様である。

こうしてみると、じゃん球とは低レート化が望まれているパチンコパチスロ業界のニーズに応えている上、打ち手が楽しみつつ、メダル獲得に今まで以上に介入し楽しめる、という利点を備えたマシンだ。もちろん現在のパチンコパチスロに馴れた私や多くのユーザーにしてみれば、やたら違和感を抱いてしまう新タイプのマシンなのだが、少なくともパチンコ店内でメダルなどを使用した低投資遊技が可能となる。店内での時間つぶしには最適である。

様々な厳しい規制が布かれ、そう遠くない未来に業界は縮小するのではないかと危ぶまれている昨今に、このようなマシンが開発されていることは必然的な流れかもしれない。個人的には今後パチンコ屋は町のゲームセンターのような存在になると考えているし、それでいいとも思うし、だからといってパチンコパチスロの所為は簡単に忘れられるものではないのでレートを変更するとか、それにそった遊びやすいマシンが開発されて欲しいという願いもあるのだが――少なくとも未来に着眼し、古きよき昔のあるいは新タイプのマシンを開発しようとする、サミーの心意気は決して負に結びつくことはないだろう。どこかからのお達しがあるのかもしれないが、行動に移しているという結果がサスガである。

ちなみに残念ながらと言うべきか、このじゃん球は現在日本全国で数店舗しか導入されていない。調べてみたところ、「有楽町DUO」「やすだ西池袋6号店」「やすだ八潮店」「ピーアーク銀座」「ピーアーク綾瀬」「P-PORTプレゴ自由が丘店」の六店である。有楽町DUO店では8月より試験的に導入されていたという。ほとんど東京の店ばかりだが、気になる方はぜひ触れてみてはいかがだろうか。これまでとは異なる逸楽にふけることができるかもしれない。

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2006年11月13日 (月)

考えてみればもうすぐ年末なわけで

打ちに行きたいね、なんて言いながらもデスノート全12巻を片手に引きこもり、ようやくひと段落した日々を旦那ともどものんびり過ごしていた。ひと段落、というのは、先だって亡くなった愛鳥と膵炎で体重の増えない残された愛鳥の看病に追われた、まさに「愛鳥週間」とも言うべき看病生活である。およそ三週間にも渡るこの生活、精神気力がほとほと滅入ってしまった。自分に獣医学の心得があるわけでもなく、愛鳥に対し何もできずただ傍にいるしかなかったのだけれど、常に「心配」の二文字が念頭から消えない生活というのはつくづく健康的でない。まずは家でゴロゴロ、のんびりして――これが英気を養うことに繋がるのか不明だが、とりあえず気ままな時間を満喫してゆとりを取り戻していた。

そんな最中、旦那が言った一言――「やべ。もうすぐ年末じゃん」――私もハッとなり、旦那と顔を見合わせてしまった。

パチンコ屋の三大回収期とされるゴールデンウィーク、お盆シーズン、そして年末年始。三大などと言っても、基本的にホールは日々回収しているのだからこの期間だけ区別することもないだろうが、それでも他期間よりもあからさまに厳しい営業をすることで知られている。例えばパチンコの釘調整や、スロットの平均設定など、具体的な厳しさは他店舗との兼ね合いその他諸々の状況によって左右され、例えば「確実にオール1営業」などと一概には言えないのだが――一般的に学生や就業中の方が休みとなり集客しやすいこの期間、通常時よりホールが回収しやすい状況にあるのは間違いない。ただでさえ、就業中の方はボーナスで懐が暖まっているのだ。

特に今年に至っては、えげつない営業をするホールが増える予感がする。何と言っても、来年7月よりスロットフロアは5号機メインの営業となるのだ。売り上げが通常の1/2となってしまいかねないとまで恐れられる5号機で、少なくとも今年同様の回収が出来るはずもない。それならそれで、と腹をくくるホールもあるのかもしれないが、それでも新年は笑って迎えたいだろう。5号機元年を景気よく迎えるために、根こそぎ回収なんてホールも多いのではないかなぁと、つい悲観的に考えてしまう。

まぁそれでも、パチンコなどは低投資で当てたり意味不明に爆連してしまうようなラッキーがあれば勝てるわけだし、スロットではストック機のハイエナも有効であるし、決してお客が付け入る隙のない状況ではないのだが、やはり釘が開いていたり平均設定が高めであるにこしたことはない。いまいち、打つにあたって食指が動かない年末年始である。

旦那などは毎年この時期、必ず「絶対に打ちに行くなよ。絶対だ」といつになく私に厳しい。集客のしやすいこの時期に、甘い営業をするような甘い経営方針のホールは少ないと言う。設定6がどれだけ投入されているかとか、あれこれソソられる文句を謳っていても、限りなくウソに近いと――たとえ事実でなくともこういった先入観を抱いてしまうような時期なのだそうだ。そんな折に嫁である私がむざむざ負けるのは、なんとなく、主人としては許せぬのだろうか。

何にせよ、師走は旦那が忙しい時期だし、私も正月の準備などで家事に追われる。今年は愛鳥もいることだし、ホールをうろつくまとまった時間をとりづらい時期なので、打ちに行くことはないだろう、が。

「じゃぁ年末になる前に打ちに行かなくちゃダメだね」と、私。
「そうそう…今週、アツいイベントあったかな。時期的にもそろそろ期待してもいいだろうし」
「うん、今週は絶対に打とうね」
「今週は、というよりは今月は、だね」

ようやく、ようやく本当にヤル気が湧いた。

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2006年11月 7日 (火)

ダイナム、27店舗を「一時休業」決定

ダイナムが総店舗数のおよそ一割にあたる、27店舗を12日までに一時休業する。全国に約290店舗を展開し、上場申請するほど勢いのあった大手チェーンが、年末にさしかかろうとする今、苦しい決定をしたようだ。

その理由は「営業不振・業績悪化」と発表されているようで、「今の状況では(経営の)即時回復が困難」ということだが、まぁなんだか、申し訳ないのだが、いまいちピンとこないのである。確かにこれだけの数を一時休業に踏み切るのはオオゴトであって、気の毒であって、また厳しい規制の効果をしみじみと感じ入ってしまうニュースではあるのだが、ようく考えてみると「約290-27=約263店舗」であって、十分じゃねーか、とお箸を投げ出したくなってしまったのは私だけだろうか。いや、投げないけれど。

確かに、大手チェーンが規模縮小を決定するとは、巨大産業として隆盛を極めた業界の衰退を匂わせる象徴的な出来事かもしれない。パチンコは実に巧妙なカタチで、スロットはあからさまに厳しい規制が敷かれているし、この十年で減少の一途を辿ったユーザー数も、少子化・団塊世代の定年退職などを理由にますます少なくなると予想されている。ダイナムの仰る「営業不振」には、間違いなくこれらの状況が絡んでいるのだろうし、ゆくゆくはさらなる規模縮小をせざるを得ない可能性もある。
そういった部分ではなんとなく他人事では済ませられないのだけれど、それにしたって約263店舗が生き残るわけで、十分どころか、まだ多いのではと感じてしまうのだ。

十分とは別に、ダイナムにとって十分という意味ではなく――現在日本にあるパチンコ店の合計はおよそ15000店舗と言われており、何処も昨今の風潮には不景気がっているようだけれど、やはりどこでもギャンブルができる国というのはいささか恥ずかしい。

曖昧な法の基にパチンコパチスロは娯楽であると言われているけれど、本来の娯楽とは金銭価値に置き換えられぬ感情を得るためのものだ。もちろんパチンコパチスロを遊技することによって、様々な喜怒哀楽を感じることはできるのだけれど、気持ちだけで満足できるのであれば5号機規制に溜息をつく必要はないはずで、遊技する方々は心のどこかで、金を賭けていることにある種の興奮を覚えているのだ。パチンコパチスロは間違いなくギャンブルであって、だからこそ楽しいし、日常茶飯事であってはならないのだ。

……そんなことをのたまう私自身も日常的にスロットを打ち、あろうことかパチンコ屋のオーナーと結婚までしているのだから、いささか説得力に欠けるだろう。私自身も、これまでも似たような話題を提起しては毎度葛藤を隠せないでいるけれど、それでもやはり、これはこれで本心である。

ギャンブルは日常とかけ離れた場所に位置づけられるべきだ。ちょっと後ろめたい雰囲気の方が丁度いいかもしれない。レート云々の問題ではなく、パチンコパチスロと一般ユーザーの間にあるハードルを上手に高めてもよいのではないだろうか。その手法として店舗削減(が結果となるような政策・規制)は歓迎するべきなのかもしれない。

……と、言いながら「5号機の機械割って夢がない」とかナンとか日頃愚痴っているわけで、やはり説得力のなさを痛感したところで、ごきげんよう皆様。

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2006年10月17日 (火)

きっと楽しく遊べるはず、だよね

ギャンブルをする場所には様々な人間が出入りするけれど、パチンコ店だって例外じゃない。学生にフリーター、主婦、サラリーマン、年金暮らしのご老人…と老若男女、実に多くの方がハンドルを握り、あるいはレバーを叩き、「よーし今日も頑張るぞー」とワクワクしながら遊んでいる。

中には「なんでアナタみたいな方が、パチンコなんてしているの?」とコチラが目をむいてしまうような方もいる。私が出会った方でいうと、日本で知らぬものはいない某超大手企業の御曹司が、ヤマトだのエヴァだの実に様々な機種を週に三日は打っていた。たまたま遠い昔に麻雀をご一緒したことがあったので気づいたのだが、それにしたって驚いた。パチンコパチスロはちょっと間違うと人生も間違ってしまうぐらい、負債を抱えることのできるギャンブルだけれど、少なくとも彼のレートではないだろうと思った。おそらく彼の抱える資産やポケットマネーから想定すると、勝って数万単位のギャンブルなんて彼にとっては道楽どころか、一体どこでアツくなり何を楽しめばよいのかよくわからない、そうギャンブルでさえないと思っていたのだ。実際、彼と遠い昔に同席した麻雀も、むこうみずな学生であったために受けることのできた勝負だったのだが、そのときの麻雀ですら、なんとなく彼にとっては不相応なレートであったと記憶している(レートを上げたがっているような、そんな仕草を見せていた。ムリだっつーの)。

しかし、どうしちゃったんですか、と聞けば「いやー、当たる瞬間が面白いんだよねぇ」と満面の笑み。そうか、パチンコはわりと万人が楽しめるように出来ているものなのだなぁ、としみじみしてしまったが、念のため「どうです調子は」と確認したところ、「今月、百八十万負けたよ」と突如しかめ面。まぁ百八十万が半分ホラだとしても、ざっと百万前後は負けたのでそう言うのだろう。よくぞまぁそこまで打ち込んだものだと、彼の懐よりも根性に感服してしまったが、やはり金のある人間も取り込む魅力がパチンコにはあるのだなぁ、と改めて感じ入った。

基本的にギャンブルは、心の満たされぬ空虚な穴を埋めるために行われるものだと…少なくとも私は、思っている。ストレス発散、なんて理由がしばしば挙げられ間違っていないのだろうが、ストレスというよりも何か足りない、埋めるための何かが欲しいといった衝動によるものだろう。その何かというのは、金であったり、刺激であったり、個人によって様々だろうが、いわば生活をより心地よく充実させるためのエッセンスだ。

パチンコ店には私のような主婦の方も多いが――主婦は家事が本業であるが、社会的に評価されるものではない。もちろん社会での公的な仕事を全うする代わりに、旦那より経済的な生活保護を受けているわけだが、時給換算され明確な給与が発生するわけでもない。一体どれほどの価値があるのか、不透明な気分になってしまうことも…きっと主婦の方ならあるだろう。
もちろん、給与という明確な評価が発生する仕事をしていても、噴出する欲求があるわけで、仕事で自己実現できぬ無意識のストレス(…仕事で自己実現なんて、一朝一夕に可能なものではないのだけれど)、家の外の人間と上手くコミュニケーションがとれぬやりきれなさを晴らしたくなる…かもしれない。
三食摂ってベッドで安眠できても、どこかで満たされていないような、物足りないような、何かが欠けているという気持ちが、ヒトをギャンブルに走らせる。

またパチンコパチスロのレートは一般的な社会人が受け入れやすい。もちろん度を超すと大変なことになるのだが、男性はキャバクラ、女性はエステサロンなどで羽根を伸ばすのとほぼ同額の金額があれば、とりあえず遊べる。決して一瞬で数十万も吹き飛んでしまうようなヤバいギャンブルでもないし、何よりヤメ時は個人の自由である。気を遣いあうような人間関係もそこには存在しないし、自らの観点に立って自由に動きを決定できる。それによって生まれる勝利で、人並みの達成感を味わえる。

前述した御曹司、彼がギャンブルに手を染めるのも…なんとなく、彼は仕事で満たされていない雰囲気を持っていた。というのは出会った頃からギャンブルばかりしている印象で、あまり仕事に携わっている感がなく――御曹司だというのに、プライドも仕事も社会では評価されていないような――勝手ながら、そんな気がした。
彼の求める達成感は、彼の持つ生活よりも"上"から降ってくるような、プレゼントのようなものであると感じていたので、よもやパチンコは手に染めぬだろうと、これまた勝手に想像していたのであるが、どうやら違ったらしい。

確かにパチンコパチスロは、ニンテンドーもソニーも逆立ちしたって追いつけないほど、魅力的なゲーム性を持つ。テレビゲームとは違った趣であるし、やはり金銭が賭かっているので当然ではあるが、図柄が揃ったときの興奮やボーナスを揃える際の嬉しさは、金銭への欲が満たされた喜びだけではなく、難解なゲームをクリアしたかのような充実感もあるだろう――それこそが、先に述べた達成感に繋がる要素でもあるように思う。

御曹司の彼が「当たる瞬間が面白い」とはしゃぐようであったのは、レートや金銭云々以外の部分で、十分に楽しめる遊技であったことを示す象徴的な行動であったように思う。ゲームセンターのゲーム機に、小銭を入れて、ピコピコ遊んでクリアするような感覚で、パチンコパチスロを遊技できる余地は、きっとあるのだ。

というわけで、「手軽に安く遊べるパチンコ・パチスロ展示会」が10月21・22日、土日両日にかけて池袋サンシャインにて開催されるらしい。一台あたり20万前後、スロットならコイン単価は1.5円前後といった、現在ある機種よりもずっとレートの低いパチンコパチスロ台が400台以上設置されているという。一般の方も参加可能で、入場料や遊技料は一切かからぬらしい。興味を持たれた方、今後のパチンコパチスロの未来を考えてみたい方、予定が空いている方、ブラリと行ってみてはいかがだろうか。

●手軽に安く遊べるパチンコパチスロ展示会
10月21日・土曜日…13:00~20:00
10月22日・日曜日…10:00~17:00
・会場…池袋サンシャインシティコンベンションセンター展示ホールC

いや、私は行かないけれど。

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2006年10月 4日 (水)

パチンコパチスロ産業フェア、中止

来年3月7日・8日に幕張メッセにて開催される予定だった「パチンコパチスロ産業フェア」が中止の運びとなった。

2002年を最後にもう4年も開催が見送られていた「パチンコパチスロ産業フェア」。各メーカーの新機種や、開発中の機能を来場者が直に体験できる機器などが数多く設置され、非常に賑やかな展示会だった。
1998年、2000年、2002年と今まで3回しか開催されていないようだが、2002年には約7万人以上の来場者があったらしい。確か一般の方も参加できたイベントだったと思うが、それにしても幕張という微妙に交通の便が悪い場所に、それだけの人間が集まったとは人気の高さを窺わせる。

実際、混雑のストレスを除けば面白いイベントだった。個人的に参加したものが2000年のものだったか、2002年のものだったか忘れてしまったが、パチンコの全面液晶台が設置されていたのをよく覚えている。一体どこのメーカーだったのかもうろ覚えなのだが、いつものパチンコと違った味わいに「いやー、無駄なコトしてるなー」と、苦笑いしたものだった。いかんせん、目がチカチカして5分打つのも耐えられなかったし、釘が見づらかったため打つ方向が定まりにくく、面倒だった。
あ、いやそれでもなんだか、来場者が様々な機能を体感して昂揚している様子などから、新しいものがどんどん開発されているのだな、という期待感を場全体から感じることができて――楽しかった。
特にこういった大きなイベントでのコンパニオンのお姉さんは、天女のような笑顔と優しさを振りまいてくれる。何を質問しようと丁寧な言葉に笑顔つきで答えてくれるので、つい妹気分で甘えてしまいそうになるほど……って、これはパチンコパチスロに全く関係ないか。

その産業フェア、来年とうとう4年半ぶりに開催される予定だったのだが、業界団体の十分な賛同を得ることができず中止となってしまった。お祭りが中止となって頬を膨らませる子供のような気持ちになってしまうが、これだけあからさまに厳しくなってきた風潮を考慮すると――パチンコパチスロ機種仕様やホールイベントだけではなく、今後はホール景品の種類や数にまで規制が入る予定らしいし――仕方のないことかもしれない。ココは一つ、オトナの気分で「まぁまたいつか」と笑って見送るしかないだろう。

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2006年8月20日 (日)

都遊連健全化センターによる広告規制

東京都遊技場組合連合会、略して「都遊連」という団体がある。いわゆる東京都にあるパチンコ屋全体の、大きな組合のようなものだ。基本的に都内のパチンコ屋殆どが、この都遊連に加盟している(というと何かしら意図があるような感があるが、半ば自動的に名が連なるようになっている)。この中に「健全化センター」という組織があり、裏モノや遠隔操作などの不正営業防止に務めている。皆さんお察しの通り、警察OBの方々が多数在籍している言わば天下り先だ。

昨今やたら厄介になった、ホールの広告・宣伝方法の指導もこの「健全化センター」が行っている。今年五月に改正された風営法にそって、具体的にどのような宣伝をすべきか、こまごまとFAXで指示するのだ。吉宗がちょうど撤去される頃――7月24日のFAXは例えば、このようなものである。以下、引用だ。重要な語句だと思われる部分は太字にしておいた。

●インターネットを利用しての広告宣伝

………インターネットの普及に伴い、ホール業界もホームページやメールサービス等で広告宣伝が盛んに行われ、宣伝形態も多様になっています。この結果、ホームページ、メールサービス等で特定の客に高設定台の提供をし、客寄せするなど、違法な広告宣伝が散見されるようになり、健全化センターにも多数の情報が寄せられています。これは、ホール掲示ポスター、折込広告等と同様に、著しく射幸心をそそる行為にあたり、風適法第16条、及び条例第7条第7項に抵触しますので、絶対に行わないようお願いいたします。

●イベントコンサルタント会社を利用してのイベントについて

大規模なイベントは、全日遊連と都遊協のパチンコ・パチスロファン感謝デーのみが行政に認められております。ところが、これ以外にイベントコンサルタント会社主催で……(略・高額商品や海外旅行チケットなどをプレゼントにするような)……過激なイベントを行っている店舗が散見されます。この様なイベントは、主催がイベントコンサルタント会社であっても、ホール内あるいはホールの営業敷地内(駐車場を含む)で行うイベントに関しては、遊技場に責任が及びますので注意が必要です。イベントコンサルタント会社は、契約が欲しいがために「この位の景品を出しても警察が認めている」或いは「都遊協が認めている」など言葉巧みに勧誘してきますので、内容をよく吟味して、不審に思った場合には、健全化センターにお問い合わせください。(引用、終わり)

――やれやれ。つまるところ、「メールでの高設定発表」も「イベントコンサルタント会社によるイベント」も禁止されているのである。イベントコンサルタント会社、と言われてもピンとこないかもしれないが、例えば「でちゃう!」のキック・ザ・シックスなどその他もろもろだ。

かといってどの店も全て従っているわけではないのはご存知だろう。特にメールでの設定発表、今でもコソコソと続けている店舗もある。どうやら微妙に地域差があるようだ。警察や健全化センターも各店舗のメールやホームページをつぶさにチェックしているわけではないので、ホールとしても”まだ”具体的な注意がないからと何とか上手くやっていきたいのだろう。

この地域による販促の差はなぜ生まれるのかというと、言うなれば各所轄警察のヤル気による。都内ではこの健全化センターがチェックをし、射幸心をそそると判断が下された場合の処遇は管轄の警察が決定する。基本的にホールにとってはどちらも煩わしい存在だが、確かに健全化センターが各店舗の販促物を厳しくチェックしているようには思えないし、販促物によっての営業停止処分など殆ど聞いたことがない。ただ、「5月に改正された風営法に違反してしまうと、処罰があまりにも厳しすぎる」ためにホールはこれらの意向に逆らうまいと順じているのだ。

けれども例えば、管轄の警察署に署長やその他の役職者が新しく配属されるなど、なんだか検挙率を上げたいと躍起になるような事態(もしくは時期と言うべきか)になった場合――悲しいかな、パチンコ屋などの風俗店は一番の的にされがちなのだ。深夜のパトロールや飲酒検問などを行うよりも、ずっと違法者の検挙手順が楽なのだ。何より時間も人手もかからないと効率的なのである。事件はホールで起きているんじゃない、違う所で起きているんだと個人的には思うが、これもまた仕事とされるのだろう。

なんだかヤヤコシイ感が否めない。どうせ規制するならしっかり取り締まればいいのに、と半ば自暴自棄な気分にもなる。広告規制の全国的な統一感が生まれていれば、今回の「パチスロ攻略マガジン」のような出来事も起きなかっただろう。彼らの行動は余りにも無知で許されざるものだが、「ホールで告知しても大丈夫なのでは」と思わせる事由があったということだ。処罰は大変に恐ろしい風営法だが――業界外の人間には、早くも形骸化したもののように見えたのかもしれない。

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2006年8月15日 (火)

パチンコパチスロユーザー、大幅に減少へ

そりゃ私はパチンコ屋のオーナーと結婚した以上、お客様の負債額でご飯を食べているわけで、低設定や渋釘メインの営業を否定することは逆にみっともないかもしれない。いや、みっともないとも思う。タイトルに”パチンコ屋の嫁”と掲げる以上、本当は「なんでこんなツマラン営業しているのか」ってことを、きっちり書いていかなきゃいけないのだけれど、今の私には「機械代と、人件費と電気代などの経費が大変だから」なんていう単純な答えしか出てこない。

特に入れ替えにかかる機械代はとんでもなく高くって、いつの間にかインフレ化した業界の単価に問題があるのかもしれない。けれども、それをどうしたらいいのかって、解決方法なんて見えてこないのだ。

スロット5号機だって、店はこれまでの4号機と同じ値段で導入しているのに、コイン単価は低い仕様なのだ。もう少し導入費用が安ければ、ほぼ機械割通りにスランプグラフを描く5号機にだって設定5・6を投入しやすくなる。それなら1台あたりの値段をメーカーが下げればよいのだけれど、タイアップマシンが流行の昨今、版権値段や液晶開発費などの経費をメーカーだって回収していかなければならない。それならタイアップも液晶もヤメて、昔のノーマルAタイプのようなマシンを開発すればよいのだけれど、それで果たしてお客がつくのだろうか? ストック機の前兆演出を愉しみながらスロットを覚えた方々を、5号機の前に座らせることができるだろうか? ましてや技術介入性なんて、5号機規制では殆ど期待が持てないし、昨今は小難しい機種は敬遠される傾向が強い。ただ唯一の望みとしては、5号機とはこれまでのスロットとはまったく違う、JACインもATもストック機能による連チャン性も搭載していない、新たなタイプであるということ。これまでにない、目の覚めるような真新しい面白さを追求できる可能性が残されている。残念ながらまだ模索中の段階なのだが。

パチンコだって昨日書いたように、巧妙なカタチで規制が厳しくなっているのだけれど、結局機械代は変わらぬまま。出玉率の低いデジハネだってフルスペックマシンと同様の価格で販売されているし、中古市場では10~20万円という、破格の値段で売られている。

社会経済生産性本部による「レジャー白書2006」によると、平成17年のパチンコパチスロユーザーは、前年より80万人減ったという(1710万人)。一年間で80万人減っただけなら、ある意味たいしたこともないように思えるけれど、10年前である平成7年(2900万人)と比べると1200万人近くユーザーが減っている。バブル崩壊後、どんどんユーザーは減ったと聞くが、こうして数字にしてみるとその大きさに驚いてしまう。

この「レジャー白書2006」によると、今後もユーザーは減る一方だと予想されており、少子高齢化・人口減少などがその理由に挙げられるが、団塊の世代と呼ばれた方々の定年退職問題が絡んでいるようだ。退職後の家庭経済状況に不安を抱える方々が多く、もう打たなくなる可能性が高いという。とくにこの世代の方々がお客の大半を占めると言われているため、彼らが打たなくなってしまえば急激なユーザー減少を招いてしまうということだ。

別にそれでいいとも思う。私だって、経済的に不安になりながらパチンコなんて打ちたくない。気持ちやお金の余裕があるから楽しめる娯楽であって、本来あるべき生活を投げ打ってまでのめり込む遊びではない。

けれどもパチンコパチスロの面白さというのは、単純に金銭が絡んだ内容だけではないし、ゲームセンターにあるゲーム機を楽しむように遊技したい方だっているはずだ。今のところそんな感覚で遊べる機種なんてほんの僅かしかないし、打つなら万円札が必須だし、パチンコ屋はなんだか本当に“大人のゲームセンター”になっている。

これからどうなるのだろう。個人的には、各駅の前にギャンブル場があるような日本って恥ずかしいとも思うし、ダークで閉鎖的な雰囲気が漂うこの業界を好きになれない部分もあるし、そういったことを考えるとパチンコ業界の規模縮小そのものは受け入れられる。そもそも、日本に殆ど愛着を持たない外国人が多いこの業界が、この国一番の産業であること自体、情けないし恐ろしくも思う。けれども旦那の仕事が立派なものであることと、パチンコパチスロは面白いものだと堂々と言える自分もいる。まったく気持ちがまとまらなくて、私自身をどうしたらいいのかと我ながら失笑してしまうが。

ユーザーが減ることによって店の収益は間違いなく減っていくし、それでも業界内のレートが高いからそれに対応できる営業をしていかなきゃならない。そうするとますますユーザーの減少を招くかもしれない。厳しい営業しなきゃいい、ってやっぱり人件費や電気代などの経費だとか、機械代が高いから…とまた最初の話に戻ってしまうのだけれど、機種そのもののゲーム性や販売価格のレートがとにかく高いことは理由の一つに挙げられると思う。でもそれを解消するためにはどうしたらいいのか、ってまた…ぐるぐると疑問のスパイラルに陥ってしまう。人間が作ったものだから、きっと何とかできるはずなのだけれど。

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2006年8月13日 (日)

旦那が早く帰宅するその理由

近頃、旦那が閉店作業を早めに終わらせて帰宅してくる。ウチの旦那はパチンコ屋のオーナーにしては変わったタイプで釘調整や設定変更、新台導入やイベント企画決定など、他店では店長や主任が携わる内容を担当しているから、とにかくいつも帰りが遅い。明け方なんてしょっちゅうだし、工事や入替がある日は朝の7時を回ったりもする。まぁ、そのぶん基本的な出勤時間は閉店時間である23時前後なので、拘束時間が大して長いわけでもないし、夜型になってしまうことを除けば体力的に厳しいわけでもない。

その旦那が、ここ数日いつもより1、2時間も早く帰ってくる。早く帰ってきてくれるのは嬉しいけどまだご飯ができていないよ…と慌ててしまうのだが、それにしてもどうしてまた急に仕事が早く終わるようになったのだろう? 最近太り気味なのを気にして通販で買った「ロデオボーイⅡ」が楽しみなのかな?…って使ってるの、私だけだし…。

「ここんとこどうしたの? 昨日も早かったね。お店ヒマなの?」

「いや、いつもと変わらないよ。ただ最近楽になったんだ」

「楽になった? 最近? どういうこと?」

「お盆シーズンだろ? いやぁ楽だよ。だって毎日オール1ですむんだから。設定変更の必要ないからね」

「……は?」

「そりゃ、もうすぐ天井の台は打ちかえるよ。1にね。パチンコはちょっと曲がった釘直して渋くしとけばいいし。あんまり考えなくていいから楽なんだよ」

「……そ、そう……」

なんだか旦那がのんびりくつろいでいるので、「お客さん飛ばないよね? 大丈夫だよね?」ととてもじゃないが訊ねられなかった。

確かにお盆はパチンコ屋の回収期。ゴールデンウィークや年末年始とあわせて、年間三大回収期、なんて呼ばれたりもする。実際それは本当で、渋釘&低設定メインでお客様をお出迎えする店は多いようだ。

それは別に「放っておいてもお客がくるから」なんていう、営業努力の怠慢的な理由ではなくて、むしろこの時期稼動が下がるのだ。新宿、渋谷といった人が多く密集する繁華街は別だけれど、その他の沿線区域はたとえ都内であっても客付きは悪くなってしまう。行楽や帰省などで町を離れてしまう人が多いのだ。

集客できるアテもないのに、高設定を投入しても何のアピールにもならない。今後の稼動アップに繋がるような意味のある赤字を叩けないのなら、しっかり赤字を防ぎ利益を上げる営業形態をとりたい。多分どこの店も同じような心境で、この時期営業しているだろう。

中には「お盆の時期は出玉アピールのチャンスだ」と張り切る店もあるだろうが、それはお盆に稼動がいつもより上がる店であって、そんな店を見つけられるのは基本的にその地元の人々。まず、自分の周囲にそんな雰囲気の店がなければ、打たないのが無難だ。

というわけで、お盆ですが皆様いかがお過ごしですか? ご家族で旅行を楽しんだり、帰省して両親に孝行してみたり、懐かしい友人と会ったり、様々な過ごし方がありますが…絶対にパチンコ屋には行かないで下さいね。低設定を打ってイライラするよりも、せっかくの長期休暇を明るく楽しく満喫しましょう。私も打ちません(吉宗もないし…)。それでは、よいお休みを。

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2006年8月 1日 (火)

旦那からのプレゼント

昨夜旦那が小包を抱えて帰宅した。帰宅前から「お土産があるよ」と携帯にメールされていたものの、一体なにやら見当もつかない。せいぜい営業や業者の方にお菓子でももらったのだろうと思っていたのだが、小包の大きさからするとそれでは余りに小さすぎる。

「多分喜ぶと思うよ。あけてみなよ」

小包はちょうど国語辞典くらいの大きさで、高さがそれより少しあるようなダンボールだった。どうやら私が喜ぶものらしいし、大きさから考えると「カイジ」の4~7巻でも買ってきてくれたのかなぁなんて予想した。先週、ブックオフで売っていなかったので旦那に欲しい欲しいとせがんでいたのだ。

ところが開けてみたら、こんなものが出てきた。

Rt_2    Obi_1

はい、RTチェッカーでございます。

どうしろっちゅーんじゃ。

「これを吉宗につなげば、いつでもすぐにボーナスがひけるよ。嬉しいよね? もう店では使わないからさぁ…そりゃ、番長にも使えるけどアノ機種もともと抜けるから、必要ないんだよね。銭形も特別使う必要ないし。ね、ウチで使おう。楽しいよ、吉宗」

吉宗撤去の際、旦那が1台持ち帰ってきたのだけれど、いまだ家庭用処理がされていないため放置されている。はやく秋葉原で器具を買って自分で改造しなくてはと思っていたのだけれど、ジメジメと雨が降ったり猛暑が続いたりと、ついショッピングという気分になれずそのままになっていた。

その上めっきり打つ気分を失くしてしまい、食材を買ったりゴミ出しをする以外はずっと家にこもって本を読んだりマンガを読んだり、お笑いDVDを観たりしているのだから旦那なりに心配していたらしい。本来ならこれがあるべき妻の姿であろうが、三日に一度はホールをフラフラしていた女が、静かに家にいるのである。スロットなどギャンブルの話題もずいぶん減った。私個人としては別に打つ気分でもないし、家でのんびり過ごす毎日も逆に新鮮で楽しんでいるつもりだった。けれど旦那にしてみれば「いかん、吉宗を与えねば」と思い立つに、十分な