朝鮮半島がらみの話

2007年4月 6日 (金)

朝鮮籍の人間は拉致被害者だけど「拉致被害者」ではない

なんでも、新たな拉致被害者が浮上したそうで――1973年に失踪した当時32歳の女性、そして子供二人が北朝鮮に拉致された可能性が高いらしい。女性の夫は在日朝鮮人で、北朝鮮の工作員だったそうだ。工作員とわかった上での婚姻だったのか、あるいは夫婦生活を営んでいる間に工作員であることが判明したのか、その真相は藪の中なのだが、女性の姉妹によると、彼女は婚姻後「夫は北朝鮮の工作員なのだ」と姉妹に語ったという。

夫であった男性の名は、高大基。品川区五反田の、現TOCビルにあった「ユニバーストレーディング」という会社に勤めていた。この会社は総連の幹部によって設立された貿易会社で、その内実はスパイ工作であった。朝鮮籍の在日コリアン、また彼らを家族に持つ日本人が勤務しており、北朝鮮に渡航してスパイ教育を受けるなど――なかなかの隠れ蓑会社である。ちなみに、1978年に活動が停止しており、既に現存しない会社のようだ。TOCビルで勤める皆様、ご安心を。

彼女はこの夫と幼い子供二人、また夫の弟を名乗る男性と五人で暮らしていた。この男性は特に定職に就いているような素振りはなく、日々ラジオに聞き入っていたそうだが、果たしてラジオ番組の内容は如何なものであったか、それは分からない。彼女の姉妹によると、「ひょっとすると夫と同じ工作員なのかもしれない」と、彼女は漏らしていたそうだ。このような話し振りから察するに、彼女は夫とその男性に何かしらの疑問を抱いていたことには間違いないだろうが、しかしそれでも一緒に暮らしていた理由が見えてこない。果たしてどのような暮らしぶりだったのか。朗らかな団欒があったのか。それとも、暴力めいた恐怖があったのか、不明である。ただ彼女の姉妹は、彼女や子供たちが生活に恐怖を覚えていたような証言を今のところしていないようだ。親族ですらこのような姿勢なのだから、第三者には「ごく普通の家族」として見えたかもしれない。

そんな中、夫とこの男性が失踪し、女性も旦那を探すと言って家を出て――行方不明となる。二人の子供たちも消えてしまう。これが、1973年のことだ。

そして2003年、拉致許すまじの風潮が高まる中、女性の親族らはこの女性は工作員によって殺害され、二人の子供は北朝鮮へ拉致されたとして、殺人及び国外移送目的拐取の容疑で警視庁に告訴状を提出する。女性たちが失踪して30年、告訴状の提出がこれほど遅れたことについては――「やっぱり、旦那さんが朝鮮籍だったからね…引け目みたいなものが…」と、彼女の姉妹がインタビューに答えていた。

引け目。確かに、感じてしまうのは当然である。彼女が婚前に夫となる男性が工作員であったか知らなかった可能性もあれば、理解した上で婚姻に至った可能性もまたあるのだ。そして子供たち二人は朝鮮籍であったし、現在も北朝鮮にいるのであれば、たとえ工作員であったにせよ実の父親と暮らしているかもしれない。わかっていて結婚した、一種の自業自得であったかもしれない彼女。そして実の父親から引き離すことによって、プラスに働く何かがあるのかという疑問。あらゆる事情が、彼女の親族らにとっては引け目となってしまうだろう。

しかし、近年になって北朝鮮の貧窮ぶりが甚だしく報道されるようになった。地上の楽園と謳われた国家の実態がブラウン管に映し出され、血の繋がった孫あるいは甥たちへの心配が隠せなくなったかもしれないし、あの時、一体何があったのか――何者によって、何のために彼女は殺害され、子供たちは消えたのか、そして現状は如何なものなのか、とにかく確認したい気持ちが募ったのかもしれない。どれだけ引け目があっても、漠然と謎めいた雰囲気の中、彼女や子供たちが消えてしまったことへの苦衷を昇華させたいという願いは打ち消せなかったのだろう。

親族たちは、親族なのだから、彼女たちを案ずるのは当然であるし、堂々と国に助けを求めることを誰が責められるだろう。引け目なんて覚えなくてもいいのだ。邪な事情なしに、ただ彼女たちを想っているのなら、朝鮮籍の夫を持ったことも子供たちが朝鮮籍であることも関係ない。それに、たとえ夫や子供が朝鮮籍であったからといって、個人の生活が組織であれ人であれ、第三者によって暴力的に曲げられることは許されない。親族たちが納得できる状況を作り出すべく、捜査なり外交なり、日本政府にはこの問題を諦めて欲しくないと切に祈る。それは親族に対する同情からよりも、拉致という行為に対する私自身の恐怖や、そのような目に遭ってしまった国民を、外交の窓口となる政府が決して見捨てて欲しくないと願っているからだ。

それでも、拉致された朝鮮籍の子供二人を、現行の拉致被害者支援法の下に「拉致被害者」とすんなり認めてはならない。朝鮮籍だからだ。

法の下に拉致被害者と認定されるのは今のところ「日本国民」と決定付けられており、朝鮮籍どころか他国籍の人間は、「拉致をされた被害者」であっても、「法の下の拉致被害者」と認定されない。それが現行法である。法は遵守されるべき国民の「前提」であるが故に、決して情を交えてはならない。情は個々それぞれに宿っているものであるから、そんな情などを万人のための「法」に加えてしまえば、法としての存在意義は大きく失われる。さらに日本で生まれ、日本で施行され、そして日本国籍有する人々のための法であるのに、なぜ他国籍の人間までフォローしなければならないのだろうか。

かといってもちろん――前述したように、国籍を問わずどこの誰であろうと、第三者に自らの生活を暴力的に曲げられることは、決して許されるべきことではない。そして今回の場合、血の繋がった親族が日本人であるのだから、確かに何かしらの援護はするべきなのだが、だからといって「朝鮮籍でも拉致をされたのなら法の下の『拉致被害者』である」とするのは、おカドが違う。国籍を問わず拉致をされたという事情で、日本政府支援するところの拉致被害者となってしまうなんて、北朝鮮拉致顔負けの乱暴な論理である。

私は国籍に対する、ナァナァな姿勢は大嫌いだ。国籍とは個人の帰属先の一つで、その国に対し個人は、そして個人に対してその国は、何かしらの責任を負わねばならない。その責任の一つが、国内で施行されている憲法を始めとする法である。国は法を制定し、国民は遵守せねばならない。むろん、日本で生活する人々誰もが悲しむことのないような、常識などの一般化された精神を出来る限り盛り込むべきなのだが、それでもまずは、その国籍有する国民のための法である。酷な話ではあるが、拉致された子供たちは朝鮮籍で、朝鮮籍とは実質的に北朝鮮籍であることを表す以上、彼らに対して責任を負うのは他ならぬ北朝鮮国家にある――とも言える。

しかし、血族が日本にもいるわけで、今後もこういったケースは少なからず出現するだろう。日本人の親族に対するフォローは当然のことながら必要で、そういった際に法的にはどのような位置づけになるのか、決定するべきではある。

例えば親族が日本人であるならといった前提であるとか、新たに在日外国人拉致被害者というカテゴリを作成し個別の対策を練るとか――大雑把な例えを挙げてしまったが、実際には細やかな条件が付け加えられるべきだろう。日本で発生した拉致事件であるからといって、何もかもを日本政府バックアップの拉致被害者としてしまうのは、日本人拉致被害者が報われないところでもあるし、危険だ。

そう、例えば、妄想だけれど――「朝鮮籍でも拉致被害者として認める」なんてことが現実になれば、北朝鮮が崩壊した際、「自分は拉致被害者だ」と名乗りをあげる北朝鮮国民で日本は溢れかえるかもしれない。そしてそのような人物は日本に在住していなかった、と政府が対応したら、「捏造だ」と被害者を装い、「あのとき日本政府は守ってくれなかった」と高額な慰謝料を欲し、日本人の同情を誘っていつの間にか日本に在住し続ける、なんて、彼らならきっとやってのけるだろうと私は思わず考えてしまうのであって――いえいえ、ここまで妄想してしまう自分はきっとオカシイしアホなのだろう。むしろ、自分がアホであることを祈って、それではごきげんよう皆様。

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2006年12月19日 (火)

面倒で憂鬱な彼らと私たち

朝鮮総連のホームページを久しぶりに覗いてみたが、薬事法違反で朝鮮総連東京本部などに強制捜査が入った際のムービーが閲覧できるようになっていた。タイトルは「総連東京都本部に対する日本警察当局の不当な強制捜査」。また、真相レポートと銘打たれ(真相、と打ち込んだ際に真っ先に『新装』と変換されてしまったが)、いかに今回の強制捜査が不当で在日朝鮮人の”人権”を踏みにじったものであるか書かれた文書も公開されている。

自分たちの祖国は北朝鮮であるとした彼らは彼らなりに、その国民としての立場を日本でも保持したいのだろうし、もちろんその欲求は人間としてごく自然な、それでいて真っ当な願いだ。北朝鮮と日本がまともな友好関係を築いているのであれば、ごく普通の外国人として彼らの立場は守られるべきだろう。
ただ、過去も現在も日本と北朝鮮は決して友好状態にあるとは言えない状況であるし、そしてここは日本である。彼らは自分たちの祖国が、現在住まう日本とどういった関係にあるか考慮するという礼儀が必要であるし、日本の法律を遵守せねばならないことはしごく当然で、「正当」だとか「不当」だとかはその上で述べられるべき言葉であるし、「友好」もまた同様なのだ。一人の人間として、祖国を守りきれない悲しみや怒りに同情することはできるが、やはり私も日本人なので彼らのような振る舞いを目にすると、眉をひそめてしまう。

つまり、祖国を思う気持ちは誰もが同じだろうと心の中で同情はできても、そんな思いは人間社会で現実に通用しないし、通用してもならないのだ。どうしたって誰もがどこかの国に所属していて、大なり小なり人によって差はあれど、それなりの責任を負っている。またその所属先に、濃いも薄いもやはり個人差があれど、何かしらの思いを抱いている。だからこそ、私は彼らの祖国を思った活動を「起こるべくして起こる必然的なもの」と受け取ることもできるし、またその熱心さは「人間の根源的な本能」と見て、確かに彼らがこのような行為に出ることは人間として納得できる。ただし誤解されないように述べておくが、決して北朝鮮や在日朝鮮人によるこのような振る舞いを正当化するつもりは毛頭ないし、あくまでも国を思う気持ちはどんな国の人間でも、それなりに抱えるだろうという部分で理解できるという意味であって――日本人である私は、まるで要求されしていれば全て受諾されると日本が小馬鹿にされた扱いを受けることは、むろん納得がいかないし不快だ。勘弁して欲しい。

彼らを見ているとなんだか憂鬱になる。いかにも歴史と社会の弱者で被害者なのだ、という立場を厚顔にも貫いているけれど、これから先ずっとずっとこうなのだろうか。いつしか再び、「朝鮮人の悲しい歴史」として後にも伝えられていくのだろうか。いや、悲しいには悲しいのだろうけれど――彼らのこのような姿勢をまかり通らせてしまった責任は、戦後の日本政府と日本人にもある。いい加減、彼らには日本に在住する外国人としても、あるいは朝鮮人としても、自分たちの足で立つことを筋道を通して教えねばならない。いつまでも依存や寄生はできない。子供だって、いつか大人として立たなきゃならないのだ。まぁまずそのためには、日本人がオトナにならなきゃならないのだけれど。

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2006年11月28日 (火)

朝鮮総連と在日コリアンと国籍と

またまた朝鮮総連が強制捜索を受けたわけだけれど、一体これで何度目となるのだろう。これほど踏み込まれていながら、未だ存在していることに日本政府のヌルさすら感じる――善良な在日朝鮮人の方には申し訳ないのだが。

今日捜索されたのは朝鮮総連東京都本部・世田谷支部・渋谷支部・新潟出向所など合計六箇所。渋谷支部、って言いづらいなぁというのはさておいて、何でも薬事法に違反したと物騒なことだが――なんてことはない、ただの不正輸出計画である。

●11月27日、朝鮮総連関連施設に強制捜査

今年5月1日、東京都世田谷区の耳鼻咽喉科医師が、在日本朝鮮人科学技術協会(科協)の幹部の妻に頼まれ、医薬品販売業の許可ナシに薬品――輸液パックや肝臓治療薬など――を譲渡。注文したこの女性は、薬品を手荷物に隠し、5月18日に万景峰号で北朝鮮へ運び出そうとしていたという。
手荷物として持ち込み可能な総額は30万円以内と決められているため、このときは東京税関の指摘により不発に終わる。しかし、東京税関は警察へ通報しその後調査された結果、科協関与の可能性、そして何より万景峰号が朝鮮総連による事業であることから、今回の強制捜査に踏み切られた。
また、既にニュースで数多報道されている通り、この肝臓治療薬は被爆患者に効果的らしく、5月には核実験遂行を計画していたことが予想される。

これに対し、朝鮮総連ホームページ上では熱っぽい反駁がされている。なんでも「薬事法違反はデッチあげ」と言いたいそうで――まぁ、とりあえず追及されたら不当弾圧・人権侵害だともはや空洞化した単語を並べ、お決まりの被害者論理を展開するのは、さすがに説得力がない。ひょっとすると学もないのかもしれないがそれはさておき、彼らが怒りを表す以上は手痛い仕打ち、つまり有意義な強制捜査であったことは間違いがないので――公安部の皆様、ありがとうございました……としかまとめ様がない。

しかしこういったニュースを観るにつれ、気の毒なのは一般的な在日朝鮮人の方々で、例えば家族が北朝鮮にいる、あるいは祖先の出身地が北朝鮮内にある、といった理由で朝鮮籍を選択している方々にとって、日本国内で彼らの代名詞ともなりつつある朝鮮総連がこの有様では、全く参ってしまうだろう。いや、気の毒だと言っても、それはまさにデラシネとなりつつある現状が一人の人間として同情しているだけであって、万が一北朝鮮国家といよいよ何かやらかす際には、お帰り頂くといった筋を通すべきだ、と日本人としては思うが――やはり気の毒である。
個人的に日本へ悪影響を与えず、また理屈の通らぬ権利を主張しないのであれば、日本に在住する外国人として、彼らが安らげるような団体を組むのも良いと思う。生まれ故郷に心惹かれてしまうのは人間の常であるし、例え北朝鮮がどのような国家であろうと支持するのは自由なのだ。ただ、日々北朝鮮との関係が悪化している日本に在ることを意識するといった、客観性が保たれているのであればよい――理想論に過ぎないし、いつか再び朝鮮総連のような団体となってしまう可能性もなきにしもあらず、だが。

●在日"朝鮮"人は減少している、けれど…

その在日朝鮮人だが、拉致事件発覚後、朝鮮籍の在日コリアンは減少の一途を辿っているという。なんと年に一万人も、韓国籍への移行、あるいは日本へ帰化を選択しているというのだ。朝鮮学校へ通う学生も減り日本の教育を受ける若者が多いようだし、そもそもその朝鮮学校の経営そのものが貧窮しているらしい。若者たち、あるいはその親たちには、既に北朝鮮や朝鮮総連を見捨てる選択肢がごく普通に生まれているとも言える。
しかし隠れ蓑として韓国籍・日本籍を取得する輩もいる。どうしても朝鮮半島に縁故のある国籍でいたい、もしくは韓国人・日本人として生きる覚悟が芽生えた、などといった素直で筋の通る理由であれば問題はないし、もちろんそういった真っ当な方々もいるのだけれど、厄介なのは朝鮮国籍であっては"動きづらい"とする人々だ。一体ナニが動きづらいのかもはや明白だけれど、このような心情で国籍を移行する在日朝鮮人も少なからず存在するのだ。

このような現状を生んだ背景として、法務局による審査の手ぬるさが挙げられるだろう。朝鮮籍から韓国籍への移行など、映画「GO」で観られたようにあっという間――5分もかからぬ早さである。
日本に帰化するにあたっては、特別永住権を持ち、それなりの生活基盤を築いた在日コリアンにとってみれば、住居や経済力の審査は楽に通過できる(他外国人に対してはここの審査も相当厳しい。貧困に悩む外国人が日本国籍を取得・永住し、生活保護を受け取ろうと疑われるためである)。またその他帰化条件としては、祖国と日本での素行や、日本政府に対する暴力的な反政府的行為に携わったか、あるいは賛同したかなどがチェックされ、韓国籍への移行よりもいささか手間がかかるのだが過分な隙間がある。「帰化」してから反政府的行為に手を染めればよいのだ。

国籍移行とは、本来個人にとって一大イベントではないのだろうか。これまで自らを育んだ言葉や土地など、運命づけられた温かい柵との一種の決別であるし、それでも尚、この国の人間となりたいという強い願いと覚悟が生まれた故の行為のはずだ。このような本筋からハズれた選択肢をとる輩もみっともないが、日本として帰化審査をするにあたっては、本人の意志の裏までしっかり見据え判断するべきだろう。また在日朝鮮人の韓国籍への移行も、同じ言語を使用し生活習慣を抱く民族であっても、その政治思想は大韓民国と北朝鮮では既に大きく異なるため、念入りな審査を行うべきではないだろうか(行えないのであれば、対応策を練るべきではないだろうか――北朝鮮と日本は友好状態ではないのだから)。
国籍を隠れ蓑にされて困るのは私たち日本人なのだし、そもそも国籍は利便性が追求されるような道具ではない筈なのだ。

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2006年11月22日 (水)

在日Redとやらが振り撒いた色々。

なんでも、今から五年前――2001年10月に、総合掲示板サイト2ちゃんねるに立てられた一つのスレッドが当時、相当な物議を醸したそうだ。相当な、と言っても、それはあくまでもネット上での騒ぎであって、例えばマスコミが動いて連日報道がされたとか、ワイドショーを賑わせたとか、明るいメディアのもとで始終取り上げられたわけでもない。スレッド上でのレス、あるいは他のブログやホームページといった、インターネット上でかなり話題となった。特に今回の内容が人間の倫理観に関わる事由であったこと、そして現実の犯行予告声明がまれに出現するといった2ちゃんねるの特性から、様々な方々に注目されるに至ったようだ。

まずコチラのリンクをご覧になって欲しい。スレッド名は「在日医師こそ日本人をこらしめられるエリート」とある。何でも、ネット上で(特に2ちゃんねる等での掲示板)よく見られる嫌韓的な発言に立腹し、日本人の患者に仕返しをせんと思いついた"在日医師Red"なる人物が――当初は他の在日コリアン医師に呼びかけるつもりでスレッドを立てたようである。ここに一番初めの彼の発言をペーストしておこう。

1 名前: 在日医師Red 投稿日: 01/10/13 01:35 ID:???

日常生活では差別は受けたことないけど、
2ちゃん見ていると、朝鮮民族に対して
差別的な発言が目立ち、なにかとムカツク。

近畿地方では、医師の中にかなりの割合の(約10%?)
在日がいる。もちろん俺もその一人。

ネットしていてむかついた腹いせに、日本人の患者を血祭りに上げませんか?

……血祭り、って……。滅多に日常で使用しない言葉なので一瞬ひいてしまうものの、ちょっと笑えない冗談である。この一言では発言者が在日コリアンで、また医師だと断定できないが、本当に医師であった場合ぞっとしてしまう。彼が在日コリアンであることなどの出自云々よりも、医師の全うすべき職務より大きくハズれた行動をしてやろうとする、その心情が読む者の眉をひそめさせる。ただでさえ医療ミスの目立つ風潮で「医師」を名乗る人間がこのような発言をすると、相次いだ医療ミスはもしや…といった疑念、また医師であろうと共に病と闘ってくれないのだ、という失望を抱いてしまう。

もちろん医師であろうと人間なのだから、不感症である筈がない。中には苛立つ患者もいるだろう。しかし、診療・治療の対価として金銭が支払われている以上、彼らは患者の要求に応えるべき使命があるし、そこに私情を挟んではならない。免許を持ち、対価が支払われているプロなのだから、どんな状況であろうと任務を全うすべきなのだ――例え、恣意的なナショナリズムが心に疼いていようと、である。そもそもそういった職務を選んだ責任は本人にある。プロの道から外れ、個人的な鬱憤晴らしをしたいのであれば――もちろん犯罪行為に手を染めるべきではないが――辞職すべきなのだ。

展開の詳細は元スレッドをご覧になっていただきたいのだが、この後、"在日医師Red"がホンモノの医師であるのか質問者によって確認され(ある症例に対する医療行為を具体的に質問し、医学的に真っ当な返答がされた)、ますますスレッド内のやりとりが過熱していく。彼に対する人道的な見地を問う発言もあれば、日本に多くの在日コリアンが存在する歴史的経緯に対しての議論、また現在の在日コリアンに対する行政の対応を巡る論議が行われる。言うまでもなくネット上、こと2ちゃんねるにおいては右傾化した人間が多い。近頃ネット右翼なる単語が生まれた程で(場合によっては私もその一人に入るかもしれないけれど)、この"在日医師Red"なる人物が一斉に叩かれるのは想像に易いことだろう。それはもう、酷い有様なのだが、彼の発言もなかなか酷い。

139 名前: 在日医師Red ◆kLTDNHHY 投稿日: 01/10/13 15:28 ID:???

まあとにかく、むかついたんで俺は患者に八つ当たりすることにする

140 名前: 在日医師Red ◆kLTDNHHY 投稿日: 01/10/13 15:28 ID:???

覚えとけぼけ反韓ども。 「先祖の恨み思い知れ」みたいな

217 名前: 在日医師Red ◆kLTDNHHY 投稿日: 01/10/14 02:12 ID:???

>>216
相手に自分の尊厳を認めさせるためにはステップがあると俺は思う。
相手がなんの恐れの感情も抱いていないときは、俺を完全に見下しているときだ。
相手がこちらに嫌悪感を抱いているときは、少しは俺の存在に注意を払っている証拠。
相手がこちらに恐怖心を抱きはじめた場合は、俺を同格としてみなし始めた証拠。

十分な恐怖を相手に与えてこそ、侮辱認識は払拭される。
嫌われるのを恐れて侮辱するものに迎合していては自分のステップアップはないであろう。

かつて在日に国民健康保険の適応もなかったころ(とんでもない話だ)、それに抗議する在日に対し、
「文句があるなら韓国に帰れ」
と罵倒を浴びせるやからが多かったと言う。
それに屈せずに自分の尊厳を主張し続けた結果、当たり前に医療保険を利用できる我々在日3世がある。
当たり前に経済生活を営める我々在日3世の姿がある。

当時の2世たちが、悪意に屈して引きこもり、主張や権利要求をあきらめたら、いつまでも舐められたまま。
在日の権利を擁護するためには、俺たちのような力のある存在が日本人に抑止力としての恐怖を与えなければならない

309 名前: 在日医師Red ◆kLTDNHHY 投稿日: 01/10/14 04:21 ID:???

なんだお前らわんさか沸いてきやがってもうマジで頭来た!!!

覚えてろ、明日だ!!明日!!

327 名前: 在日医師Red ◆kLTDNHHY 投稿日: 01/10/14 04:44 ID:???
>>323
くだらん。お前らが思い上がってるだけと言うことに気づけ。
文句あるなら直接韓国人なり政府なりに言ってみろ。
それができないっつーことはお前らの嫌韓感情はなさけない愚痴にすぎないってことなんだよ。

日本を敵に回す?それがどーした。おまえらのいいなりになったら国が滅ぶだけだろうが。
侵略者の子孫が何をえらそーに。

少々長くなったし、下線部は私によるものなのだけれど、それにしても乱暴な物言いが続く。ナショナリズムの前では理性も吹っ飛んでしまうらしい。ネット上で自らの意見を感情的に述べる姿勢は国籍に関わらず恥だと思うが、それほどに"在日医師Red"が日本との歴史的経緯やネット界での現状に憤りを覚えているのだろう。また、ある意味では、日本での境遇に疑念や怒りを抱く在日コリアンの、本音っぽい言葉を聞けるという滅多にない機会に恵まれたとも言える。

日本に在住する在日コリアン全員が日本に全く愛着も感謝もなく、日本人を嫌いなわけがないのだが、彼のようなタイプもまた存在することも確かである。どうあっても自分達は戦争被害者で、何かしらの保障が永遠にされるべきだと主張したり、自らの父母や祖母が受けた差別的な待遇を忘れじと日本人に対する嫌悪感を拭えなかったり、ひいては北朝鮮に忠誠を誓っていたり……様々だが、とにかく日本政府や日本人に対しての恨みが根底にあるタイプだ。

“在日医師Red”を名乗る人物は、日本人全てを敵視しているわけではなく、単純に嫌韓的な人物や、自分たちの祖先の受けた事実に対し憤っている。これはまぁ、国籍を韓国におき、そして常に過去の歴史を背負いながら生きる人間という生き物である以上、必然的な心情だ。こういった思いを抱くことそのものを、責める権限などないだろう。国に対する帰属意識は、多かれ少なかれ誰にでもあるのだ。

また昨今の「嫌韓ブーム」とやらも、確かにどうかと思う。個人的に現在韓国や北朝鮮が行う教育や政治は好めないし、日本政府とも諸問題を抱える関係にある。また在日コリアンは日本で十分な待遇を受けているのに対し、さらなる権利をよこせとまくし立てる一部の団体の姿勢もいかがなものだろう。日本で育った人間として、これらの関係に歯痒さや苛立ちを覚えるのも当然の流れなのだが、それでも「嫌韓」という名の下に、頭ごなしに否定してしまっては生まれるものなど何もない。もちろん誰もが頭ごなしな否定をしているわけではないのだろうが、なんとなくそんなイメージがある。これまでの経緯がどうあれ、とりあえず、彼らが怒りを覚えているのは事実なのだし、それを消し去る有効策を考えねばならないのだ。

彼ら、恨みを抱き続ける在日コリアンはとても悲しい存在なのである。韓国との友好条約は締結されており、既に国家間の解決は済んでいるというのに、その現実を韓国国民として受け入れることができない。あくまでも、現在日本に住む自分達がが大切であるという、非常に恣意的な思考しかできない。また戦後日本は、戦争難民として彼らを受け入れ、公的な通名使用も許可し、例え朝鮮籍であろうとも特別永住権を与えている。一般的に外国人が永住権を取得することは非常に難儀なのだが、彼らにいたっては生まれた子孫に対しても自動的にその権利が与えられる。国籍が外国にある以上、ビザが必要であるのに持ち歩く必要もない。その恩恵に気づくこともできない。

なぜなら彼らは、在日韓国人あるいは朝鮮人であるという自覚は強いが、日本では外国人であるという意識が甚だ希薄なのだ。そして韓国人もしくは朝鮮人であるという自覚も微妙なところだ――本来、政治とは自国の国民を豊かにすることが第一の目的である。彼らが不遇の身となっているならば、まず日本ではなく韓国ないしは北朝鮮政府に物申すべきだし、日本へ保障を求めるのはお門違いだ。また韓国籍であるならば、義務である徴兵にも赴く必要があるだろうし、日本での生活に不満ならば本国へ帰るべきだ。世の中に「在日韓国」「在日朝鮮」という国籍など存在しない。

彼らは立場的に日本人ではないし、さりとて韓国人ないしは北朝鮮人とも言い難い。このような筋の通らないナショナリズムを育てるに至ってしまった原因として、個人的には特別永住権を与えたことが挙げられると思う。これは日本政府の責任だ。人間がどうしても逃れられない、国への価値観、帰属意識を曖昧にしてしまう。愛国心やナショナリズムを始終感じている人間もおかしいが、かといって、地球上の多くの国で生きていく以上最終的な所属先は明確にせねばならないし、自らが一体どこの人間なのか、無意識に自覚せねばならない。されど在日コリアンは、所属先は外国籍であるものの、面倒なステップを踏むことなく永住することが認められており、通名を名乗り、あたかも日本人であるかのように生活できる現状があるため――外国籍であるという自覚が薄れがちだと思う。人間として悲しい。彼らを真っ当な外国人に戻してあげることが、救いとなるのではないだろうか。彼らへの永住権は、確かに彼らがこの国で過ごしやすくなるツールかもしれないが、健康的な精神を育むものではない。

……とまぁ、自説を述べたところで、話をこのスレッドに戻そう。

“在日Red”に対する様々な意見や反論が繰り返された後、とうとう”2ちゃんねらー”たちは個人の特定に力を注ぎ始める。彼自身が「近畿地方には…」と国内の地方に言及していること、また医師であること、面長であること、公務員扱いを受けられる病院で勤務していること、そして端末、何よりも韓国籍であることを自明していることなどから割り出すと――卒業大学や、ひいては和歌山県のある病院で勤務していることが明らかにされ、ついに公立那賀病院勤務の金栄浩(きんしげひろ)であることが特定される。この流れに対し、”在日医師Red”は突如「申し訳ありません、全て冗談でした」と謝罪を繰り返すのだが。

いやはや、無記名でゆるりと楽しめるのがネット掲示板なのだけれど、面倒沙汰を起すと大変なことになるのだなと改めて驚いてしまう。”在日Red”なる人物が、自ら自分の特徴やプロフィールにまつわる発言を行っていたからこそ、ではあるが、ここまでやってしまう”2ちゃんねらー”の根性も……まぁ、なかなかのものだと言っておこう。しかし本当に医師であったとは、驚いた。ネット上の出来事を全て真実だと解釈するのは危険だが、さすがに信憑性の高い情報だと思う。このスレッドに彼(在日医師Red)の友人と名乗る者から削除要請があったことが、ますます真実味を増す。

どうしても拭いきれぬ国がらみの感情は、日本人にも韓国人にも、ひいてはイギリス人にもアルゼンチン人にも――どこの国の人間だろうと存在するし、それは心の根底にのしかかり逃れられない感情である。一つ一つを解決するのは非常に難しく、過去を背負い、そして集団を作り生きる人間である以上、ほぼ不可能だろう。ただ解決できなくとも、目の前にある現状を否定することなく受け入れ、大切にしてみることから重い感情を軽くすることができるのではないだろうか。例えば、現在就いた職務にただ忠実であることで、重く辛い感情を軽減できぬものだろうか。職務でなくとも、これまで会話し交流を持った方々や、自らの育った環境などを大切にすることで、少しでも気楽で、素敵なゆとりある気持ちを育てることはできないだろうか。目の前にある現状は、個人ができるだけ後悔や苦渋を覚えるものでない方がよいし、決して真っ向から嫌悪すべきものではないはずだ。このような気持ちを抱けなかった”在日Red”の存在はただただ悲しいし、彼のような人間を育てた責任は(もちろん彼自身にもあるのだが)日本人にも日本政府にもある。

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2006年10月14日 (土)

核実験がされたけれど-2

本日14日より、日本政府独自の北朝鮮に対する制裁が発動される。また国連でも国連憲章第7章に基づき、諸外国よる厳しい制裁内容が決定されるようだ。

核実験は自衛力の強化という大義名分を振りかざす北朝鮮国家にとっては、「なんでまたこんな無慈悲なことをされなきゃならんのじゃ」とお茶を噴出す対応かもしれないが…まぁ、仕方がないのである。彼らが軍事力をエサに、他国へハイエナのように擦り寄るのはほぼ間違いないし、無駄な戦など――しかも冷戦の名残が消えぬ、北朝鮮を標的とした戦など――好まぬ各国は、野良犬にパンを投げる思いで援助する。けれどもパンをいくら投げようと、北朝鮮国家はパンをたちまちテポドンにしてしまう。困ったことだ。ちっとも尻尾を振ってくれない。今にも噛みつきそうだし、どうやら悪性のアカ菌による狂犬病にかかっているようなので、できれば保健所に引き取って欲しいのだが、おいちょっとタンマだ、保健所ってオレたちが属する国際連合じゃないか、よっしゃここはワクチン準備だと、彼らはどんなワクチンがよいか協議した結果、どうやら国連憲章第7章がよいらしいという結論が出た次第である。

その協議や決定内容に日本がどれだけ参加あるいは貢献しているかというと、甚だ微妙な位置をとっており、つまるところ特別有益な行動をとっているようには見えない。国連憲章第7章には武力行為に関わる内容も盛り込まれているので、憲法第9条を掲げる日本はアメリカの補助をするしかない。援助を続け、戦後朝鮮半島出身の人間をほぼ無差別に受け入れた挙句、拉致をされ今なお武力的脅威に苛まれる日本が、国際社会の場で発言を制限されアメリカの補助的な位置に立たされるのはいささかみっともないかもしれない。しかしそれでも…制裁行動を全うする自衛隊員の方々は、命の危険にさらされかねない。ありがとうございます、どうかどうかご無事で…と祈らずにはいられない。

また独自の制裁を考案し発動に踏み切った、日本政府の判断も評価に値するだろう。もちろんこれが全く迷惑も被らない無関係な異国に対するものであれば、やや品性を欠いたものであるし、確かに核拡散防止条約を脱退した北朝鮮に対して核爆弾開発・保持とは何事かと訴える行為にしては――たとえ原水爆で悲しい現実をつきつけられた日本であろうと――対他国であるのに厳しすぎるものだ。
しかし何よりも、拉致問題の早期解決、また破産大国日本はこれ以上援助はできぬという意志表示としては、なかなか確固としたものである。

もちろんそれは、背後にアメリカサマがいるからであって、戦後"12歳の子供"からせいぜい思春期の高校生ほどにしか成長しておらぬ日本単独で可能な判断ではあるまい。それでも何事も結果が重要である。有意義な結果を求めるための行動として、適切な措置をとったことに関しては評価されても良いはずだ。

今回の制裁内容――①北朝鮮籍船舶の入港を全面禁止する②北朝鮮からの輸入を全面禁止する③北朝鮮国籍保有者の入国を原則禁止する――半年という期限付きであるものの、北朝鮮国家にとってみればプライドと経済を痛めつけられる内容である。もちろん、日本の漁業関係者にも多少の打撃を与えるものではあるのだが(中には北朝鮮ガニなどを買い取り、それを売ることを生業とする方もいるため)、野良犬に与える初期的な躾としてはまずまずだし、むしろ躾をすることに本腰を入れ始めた政府の存在が心地よい。

少しずつ、日本の外交が変わりつつある。戦後日本はこと朝鮮半島に関しては軟弱な外交を続け、それが現在の北朝鮮を育てる一環となってしまったと言っても過言ではない。ついこの間まで朝鮮半島に無礼を働いたと頭を下げていた国民が、突如右傾化し浮かれているのが気になるが、何はともあれ政府は結果を見せねばなるまい。良き結果を見せるべく、現実的に心を砕き始めた政府には――心もとない点が様々あれど、期待せずにはいられない。

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2006年10月13日 (金)

核実験がされたけれど

北朝鮮が核実験を遂行してずいぶん誇らしげな態度をとっているようだけれど、世界各国よりの非難もずいぶんなものである。非核三原則を掲げる日本はともかく、アメリカだろうとフランスだろうと中国だろうと、いかめしい軍隊が整備されている国の殆どが核爆弾なるものを保持しており、現在だってそれに勝る強力な武力の開発に力を注いでいることだろう。

日本は1945年8月に広島・長崎両都市が核の被害にあい、多大なる――想いを馳せるしかないのだが、街は崩れ、人々は焼けただれ、生き残った方々もその子孫も遺伝子レベルの病の不安を抱えるような――悲しい現実を被っている。世界で唯一、核の被害とその痛みを身をもって証明させられた国なのであるが、それでもなお、世界から核が消滅することは無く、各国の最終軍事的手段として温存されている。
もちろん日本が核による被害がどれほどの損失であるか、非人道的な武力であるか、国家間の交渉手段である戦争だからといってやっていいことと悪いことがあるのだといった――喧嘩のルールめいたものを世の中に訴えたことなど、基本的にはなく、軟弱かつ非力な態度を続けていたことに、国民は苛立ちを覚えてもよいだろう。しかし日本は憲法九条により一切の戦争を放棄している現在、自らの血を流してまで母国を守る覚悟と設備を持った諸外国に対し、のうのうと平和を説くこともできまい。

かといって日本が何かを訴えることが出来たとて、世界の核事情は変化を見せぬだろうし、核拡散ウンタラ条約が結ばれたってどこの国も、まるで自分の国を覆うシェルターのように軍備増強、核爆弾保持を怠ることはない。いつ何時も、平和と暴力は共存していて、平和を守るための暴力であれば、武力だとか軍事力だとか、あるいはそれに携わる人々を正規軍だとか官軍だとか、軍隊だとか、ただの暴力や暴力団からたちまち筋の通った名称に変化し、いかにも正しい存在であるかのように――さながらイエス・キリストさえも認めているかのように――人々の目に映る。そして平和を乱す暴力行為は、いつも罪に問われる仕組となっている。北斗の拳のケンシロウだって、善良な人々を守るわけでもなく、ただ思いつきで暗殺拳を使用していればただのテロリストである。暴力は状況によって、名称とその存在意義が大きく異なる。

しかし平和というのも暴力同様、状況によって異なるもので、非常に厄介なのである。判りやすく、かつ解決し難い問題が民族・宗教、言ってみれば思想問題であり、アメリカとイスラム圏の人々が覚える平和や安息は、内容の全く異なったものであることは明白である。誰しもが開放された社会を望んでいるわけでもないだろうし、古くから遵守してきた慣習を守れる状況が平和であると、もしくは平和に繋がるはずだと信じて疑わぬ人々もいる。それじゃカネと資源が上手く流通しきれねぇだろうと、ヤクザな攻め立てをしたのはアメリカであり、彼らのように歴史も培った文化も浅い国家にとってみれば、カネと資源が何より大切なのだろうということは、容易に想像がつく。古い歴史と文化を育んだ日本人にとってみれば、野蛮な行為に見えるし、私もそのように感じる一人だが、アメリカ人が平和を感じる手段として必要なものなのである事実そのものを、追及する権限などない。これ以上日本がコケにされれば話は別だが、現段階で、武力による無残な攻撃を受けているわけでもないし、何よりアメリカ市民ではないからだ。

よって北朝鮮が共産主義国家であろうと、国家方針として軍備をいくら増強しようと、他国があれこれとヤジを飛ばすのはいささか品の無い話である。もちろん他国の援助に対する恩も省みず――日本などは援助をした挙句拉致までされているというのに――傍若無人な振る舞いを見せる北朝鮮国家も、犬の糞のような集団ではある。されど、思想や国家方針そのものは、他国にとっては特別関係のない話で――たとえ北朝鮮人民とやらがいくら餓死していようと、だ――そこまで共産主義・独裁国家が気に入らぬのであればアメリカこそ一発お見舞いしてやってはどうか。ロシア以外、如何なる国も文句を言うまい。そしてロシアも、プライドは傷つくだろうが北朝鮮が消滅しようと、実質的な被害などあるまい。

核実験そのものは、あらゆる状況を考慮した上での北朝鮮の政治的判断であり、幼稚な判断ではあるが、仕方のないことではある。付け加えておくが、私には決して北朝鮮に思い入れなどないし、ひたすら拉致問題の解決を願うばかりだし、拉致を国家レベルで行うような国などやはり鼻糞である。
問題は、核実験を遂行したか、ではなく、如何に今後の北朝鮮問題を解決するかその手段なのだ。ここ数日のテレビ報道はそれを忘れているようで、ひどく憂鬱になる。核がどれほど恐ろしいものなのか証明してみせた国が、一体何をやっているのだろうかと情けなくなる。マスメディアはいつも、憲法問題も何もかも、ご近所の井戸端会議レベルに落としてしまう。面白けりゃ何をやったっていいというのは、カネと資源が手に入れば空爆したって構わないとするアメリカや、援助のためならテポドンも良しとする北朝鮮と何ら変わりが無い。非常に下品だ。

それもこれも、戦後の日本政府が、ただただ卑屈な外交を重ね、60年たった今も法整備もされず、ただ太平洋にポカンと浮かんでいるだけの国づくりをしてしまった結果である。政治や法が間違っていると、人間の心は腐る。これから負の遺産を、良く活かし豊かにせねばならない。安倍総理やその他の政治家、そして今後総理となる方々は多大なる責務を背負うわけだが――ぜひ頑張って欲しい。イチ国民である私は、後の世代に何か残すべく、主婦として子を産み子を育て、旦那とともに家庭を守ることに尽力しよう。

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2006年9月10日 (日)

昼下がりの「騒」事

「まぁこの業界、特に最近は規制が厳しくなってヤリづらくなってきているけど――それにしたって、動いてる金は大きいし儲けだって結構な額だと思うよ。オレたち在日もしっかり蓄えて、生きていかなくちゃな」
「……それでも、5号機はホント厳しいですよ。打ってるオレ自身がつまらないと思うし、機械代はかかるくせに売り上げは大したことないし。困ります」
「まぁ、阿倍が総理になったら少しは変わるんじゃないの。アイツ、確か下関出身だろ。いくらタカ派っぽく見えるからって、下関出身というからには在日の助け無しにやっていけないハズだからな」
「そういうもんですか」
「いや、わからないよ。ただの憶測で、なんの根拠もないけど…下関は在日の人間が多いらしいからなぁ…まぁ政権が変われば規制だって多少変わるよ。モト在日議員は自民にも民主にも多いから、いつかきっとやってくれるはずだと思う」

昼下がりに我が家に訪れた、付き合いの長い業者Kさん――以前、朝鮮国籍から韓国籍へ変えた二世の在日コリアン――と旦那の会話である。Kさんはとにかく「在日コリアンである」という自覚の強い方だ。なんとなく日本にいて、なんとなく国籍が違うといった、だらしのない姿勢ではなく、自分が日本に在住する朝鮮半島出身の人間であるという確固とした意識を持ち、それを誇りにしているかのような口ぶりでいつも話す。もちろん日本で生まれ日本で育った二世なのだが、環境なのか教育によるものなのか、自分はコリアンなのだと認識している。自分の立場に自覚的であるという意味ではとてもよいことだと、私は思っている。

ただ旦那との話はいつもこういった――同じ在日である、というよしみや連帯感を求めるような――閉鎖的とも言える雰囲気となるので、私はもちろん、旦那は辟易してしまう。何度も書いているけれど、旦那は在日韓国人三世、つまり国籍は韓国だが、それは私たちに子供ができていないからであって、子供が生まれ核家族の形態を成すとき日本国籍にする予定だ。親と子の国籍が違うなんて、悲しいことだからだ――そういった理由で、せめて今のうちは義母と同じ韓国籍なのだが、全く私は異論はない。そもそも、旦那は日本語しか話せないし、日本の教育しか受けていなければ、スポーツでもなんでも日本を応援する。心根が日本にあるという証拠をつぶさに挙げることは難しいけれど、一緒にいる私がごく自然に日本人だなぁと思ってしまうほど、彼は限りなく日本人だ。

「在日の人間が暮らしやすくなってほしいよ、日本なんてバカげた国、いつかダメになるだろうしな」Kさんは笑顔で続ける。「モト在日議員がしっかり政権掴んでくれなくちゃな、オレたちの生活は変わらないよ」

「そうですか? オレは今でも十分暮らしやすいですけど」
さすがに相槌を打つのに疲れたのか、旦那が口を挟む。

「だってオマエ、朝鮮総連も手入れが入るし、在日は肩身が狭くなる一方じゃないか。パチンコ業界の規制にしたって、さすがに5号機規制なんて厳しすぎるぞ。あんなので商売続けていけるわけがない。パチンコ業界っていうのは、世界でも類のない巨大産業で、コレを作ったのはオレたち在日だ。日本への経済効果だって相当なモノだろう。今の日本の好景気は、いや高度経済成長ってヤツもオレたちのお陰だと思うぞ」

……そうなのか? さすがに私も耳を疑った。いや、パチンコ業界が巨大産業であり、中心となってつくった方々が在日コリアンだということはわかるが――高度経済成長期、それほど日本に尽くした業界だったのか? そもそもこれだけの業界になったのはバブルという、浮かれきった好景気の賜物ではないだろうか。そう、むしろバブルのおかげで、パチンコ業界は30兆円産業と進化したのだ。

「野球だってサッカーだって、在日の人間が色々貢献しているのになぁ。それでも参政権はないし、石原(都知事)に『第三国人』と言われるし、オレたちの頃は在日の人間にマトモな就職先はなかったんだから。北朝鮮とも仲悪いし、とにかく住みづらいよ。早いとこ、在日の政治家にしっかりしてもらって、暮らしやすくして欲しいね」

つまり、Kさんは日本での暮らしに満足していない、ということか。それなら遠慮なく朝鮮半島に帰還されることをオススメするが――旦那の付き合いを考慮して、私は何も口を挟まなかった。それにKさんの、こういった話し振りは毎度のことなので慣れてもいた。放っておけばいい、もうすぐ帰るのだから…と沈黙を守り続けた。

しかし。

「オレたちだって好きで日本に来たわけじゃないし、好きでいるわけじゃないんだからなぁ」

Kさんが、いとも軽やかにさり気なく、ごく普通に言ったこのセリフが――旦那の付き合いや嫁としての対応や、そういった個人的なしがらみを超えた憤懣が私に芽生えた。

「好きで日本に来たわけじゃ、ない…というと?」私は首を傾げながら答えた。

「なに、強制連行だよ。引っ張られてきたんだから、無理ヤリ」

「……Kさんのご両親は強制的につれてこられたんですか?」

「いや、出稼ぎ目的で来たらしいけど、多いんでしょ? 強制連行」

「そんなことありませんよ。韓国併合時、日本政府による朝鮮人の強制連行などなかった、とする見方がもはや一般的です」

Kさんは黙る。今までろくに会話に参加しなかった私が口を開いたことによる驚きと、自分の意に反する内容が話されたことに対する怒りが、歪んだ表情に表れていた。

「国家のために、強制的に国民を働かせることを当時、『徴用』と言いました。日本政府が日本列島にこの命令をしいたのは、昭和14年の『国民徴用令』に始まりますが、併合していた朝鮮半島には昭和19年9月にこの法を施行しました。間もなく敗戦を迎える頃ですけど…つまり、昭和19年9月までは、朝鮮人を日本のために無理に働かせるなんて法律、なかったんですよ」

ちなみに『徴用』というのは、戦時などで政府が国民を、兵役以外の一定の業務に就かせることだ。当時の日本人なら誰でもやっていたことだ。

「それなら昭和19年9月以降に、無理に連れてこられたんじゃないかと思うかもしれませんが……それ以前に、韓国併合以降、日本に来たがる朝鮮人は非常に多かったんです。当時は韓国にまともな仕事がなかったそうですから。出稼ぎ目的で日本に渡航する方々に溢れていたそうです。政府が募集した、一定数の人間しか来ることはできなかったはずなのですが――密航する人間が余りにも多く、むしろ朝鮮人を強制送還していましたよ。それでも一向に減ることがなかったわけで…そんな状況で、政府による強制連行なんて考えられますか?」

私は自分の中に生まれた怒りを抑えようと、なるべくなるべく、冷静な口調を保つよう努めていた。いちいちKさんにぶつけたって仕方のない話だ、というのも理解していた。それでも日本人である私の目の前で、好き勝手に意見を述べてスッキリしているこの人間を許してはならないとも思った。ここは私の家であり、日本だ。

「敗戦後だって、GHQは朝鮮人を還そうと心を砕いたようですよ。船もたくさん用意して、費用などはかからぬようにしていたそうです。それでも帰りたくない、と意思表示したのは――他でもない、朝鮮人の方です。その後、特別永住権が与えられて、ビザの書き換えも無しに外国籍であることが許されているのに…年金だって払ってもいない外国人なのに貰えるし、戦後から在日朝鮮人に対する生活保護は続いていましたし…一体、」

どこが暮らしづらいんですか?

とは言えず、言葉を飲み込んだ。Kさんはずっと黙っていて、それでも表情から心が慟哭していることは伝わってきた。Kさんは一世である自分の親から、日本での生活は辛かったのだと聞かされて育ったと、以前耳にしたことがある。そういったことを思い出していたのだろうか。かといって、やはり――辛ければ、帰国すればよいのだ。当時、帰国の援助は十分にされたはずだ。それに今なら自由に渡航できるだろう。

「すごいな、オマエ、よく知ってんなぁ~」旦那は目を丸くしていた。「よく昭和ナン年とか、覚えてるな。几帳面だなぁ」
旦那は能天気に、そして本当にポカンとしながら言っているので、私は思わず笑ってしまう。
「え、一応、在日の家に嫁ぐんだから、これくらい覚えておかないと…万が一ヒケ目を感じるような状況になったらイヤだしね。いつでも少しは何か言えるようにしたかったの」
「おぉー、やるねぇー」

……旦那よ、そんなことよりKさんを気遣ってくれ……。

さっきから沈黙を守り続けていたKさんが気になって仕方がなかった。そんな状況を作った犯人は、紛れもなく私なのだが。

仕方がないので、後は旦那に任せ私は買い物へ出かけた。その間にKさんは帰ったようで帰宅後、私はホッとしていた。

「うーん、でもゴメンね。あんまりにも腹がたったの。許せなかったんだけど」
私は旦那に頭を下げた。確かにKさんは仕事で関わりのある人間だから、旦那の仕事に支障をきたしてはマズい。買い物をしながら、何かあったらどうしようとヒヤヒヤしていた。

「いいよいいよ、実際、オレKさんウザいと思ってたし」旦那は笑いながら答えた。「ホント、二世のヤツらは面倒くさい。いちいち何か押し付けてきて鬱陶しいんだよな。まぁコレで当分ウチにお茶飲みに来ることはないだろうから、いいんじゃない?」

「でも仕事は…」

「勘違いするなよ、向こうの方が立場は下なの。あくまで業者だから。オレが敬語を使うのは、単純に向こうが年上だからだし、向こうがタメ口なのは、昔からの付き合いだから。でも、仕事上の立場はコッチが上なんだから――気にすることはないよ。オレの母親でも同じこと言うんじゃないかな」

「そっか」

別に日本に在日コリアンが滞在し続けることは反対しない。もちろん帰国しようと、日本へ帰化しようと、自由に自分の意志を貫けばよいだろう。
けれども、住みづらいと声高に唱え、曲がりなりにも世話になっている国を「こんな国」といい、その上、朝鮮人である自分の倫理を日本に押し付けるような印象を抱く会話を続けるくらいなら――いっそのこと帰国した方がよかろう。特別永住権を持ち、朝鮮半島よりも恵まれた経済環境の中で生活し、一体何に不自由を感じるのだろう。しかも朝鮮半島の二国家、とりわけ北朝鮮と日本は関係は悪化しているのだ。そんな国に愛着を持つ人間を日本は受け入れ、一定の暮らしを保たせている――何が不満なのだろう。
日本に滞在するのは構わない。しかし礼儀を忘れないで欲しいと思うのだ。

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2006年7月11日 (火)

朝鮮総連、民団の「白紙撤回」を非難

今日の昼、朝鮮総連は民団による「和解白紙撤回」の方針を取り消すよう、ホームページ上にその談話文を掲載した。やれやれ、今朝ようやくこれら二つの団体に関して書いたと思えば、これである。手をつけてしまった話題なので、皆様にきちんと報告したい。

談話文は8日付けとなっているが、今日初めて公の場に発表された。朝鮮総連中央本部の副議長を務める李沂碩氏によるもので、これまた非常にご立腹のご様子である。急な民団の和解白紙撤回声明を「総連側に何ら事前協議もなく『白紙撤回』を内外に公言したことは、組織としての初歩的な常識と道理すら欠くことと言わざるをえない」と非難し、「在日同胞社会の和解と和合を求める同胞に対する許しがたい背信であり、挑戦である」とその怒りをさらけ出している。そしてこの撤回の背景には民団組織内の反統一勢力がおり、彼らが暗躍したためだと指摘している。

このことに関してはあながち間違いではない。李副議長言うところの、「破廉恥な振る舞い」であったか不明ではあるが、和解に関して民団内がもめたのは事実だ。もちろん成立後も和解への疑問は飛び交っていた。白紙撤回の背景にはこれら和解に懐疑的な姿勢の方々がいることも、容易に想像ができる。

しかし、民団本来の姿勢を考慮するとしごく当然の「白紙撤回」なのである。彼らは祖国の分断を憂いながらも、北朝鮮国家に対しては批判的な姿勢を貫いていた。戦後より開始された北への「帰国運動」に真っ向から反対し、帰国する人々が乗車する列車の線路上にまたがい、身体を張って帰国を止めるというアプローチも行った。北朝鮮は地上の楽園はおろか、まさに地獄であると訴え続けてきたのである。また昨今は脱北者の保護にも積極的で、衣食住の完備や生活費の補助、さらには日本語の教育、行政機関の説明など、日本政府に代わり至れり尽くせりの対応をしてきた(総連との和解後、一時停止されていたようだが。総連は脱北者を『裏切り者』と認識しているため)。そして拉致問題に関しては、ぜひ民団のホームページを一度ご覧になっていただきたい。北朝鮮をどれだけ非難し、朝鮮総連に「問題解決に協力せよ」と投げかけていることか。

民団の方針は、あくまで日本人と在日韓国人の共栄であって、それを脅かす行為は存在してはならないのだ。拉致事件その他の問題が解決しない最中に、ミサイルを発射する国及びそれを支持する団体などと和解はできまい。そして一般の在日韓国人の平穏な暮らしを守るためにも、団体として取るべき行動をとったまでだ。組織として一貫性のある、非常に優れた決断ではないか。

話を元に戻そう。李副議長は今回のミサイル発射に関し、このように位置づけている。「民団がわが国において自衛的措置として行われた正常な軍事訓練であるミサイル発射と…」下線部、注目していただきたい。北朝鮮幹部の見識と全く同じ内容を述べているのである。いやはや、これまた、まったく…つまり朝鮮総連はこのような団体なのだ。彼らは日本に在住していながらも、このご時世に北朝鮮の国旗を振り続けるのである。

一般の朝鮮籍の方々は、どのような思いなのだろう。北朝鮮を祖国と信じてやまない方もいれば、日本での暮らしを大切にしたい方もいるだろう。また北朝鮮に郷愁を感じながらも、日本の生活に愛着を覚え苦悩する方もいるかもしれない。思いは様々だろうが、これら一般の在日朝鮮人の生活を支えるための団体はもはや存在しないのだ。他国、また敵対関係にある国に籍を置く人間として、それなりの苦労は覚悟するべきではあるが、さすがに同情を禁じえない。国民を守らぬ祖国や団体を背景に、一般の在日朝鮮人はどこを故郷だと思えばよいのだろう。まさにデラシネとなりつつある彼らが気の毒である。

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民団と朝鮮総連、二つの反応

北朝鮮ミサイル発射を受け、6日、民団朝鮮総連との和解を白紙撤回する方針を示した。「ミサイルの連続的な発射は私たち在日同胞のみならず、日本国民を大きな不安におとしいれました。このような蛮行は断じて許すことはできません」と声明を出している。テレビでも数回報道されたが、非常に素早く、素晴らしい対応であったと思う。

日本人である私は、参政権をよこせだのと騒ぎ立てる在日の団体をどうしても好ましく思えないのだが、このように一般の在日韓国人を守るべく団体としての行動をとった点は誉められるべきだろう。彼らは日本でどのような立場を取るべきなのか、考慮しているのだ。もちろん民団に属する方々の国籍は韓国であって朝鮮ではないし、拉致に協力しているわけでもなければ送金もしていない。今回のミサイル問題で後ろめたいことは皆無の筈なのだ。しかし、在日コリアンであることに変わりはなく、このような世情のなか、日本社会でどのような目で見られるのかを理解しているのだろう。その上、5月に総連と和解などしたのだから一体どれだけ非難され、一般の在日韓国人は厳しい視線を投げかけられることか。世情を理解し、団体としての機能を果たした、意味のある行動であった。

韓国籍である旦那もこの対応に驚き、珍しく喜んでいた。彼は在日韓国人三世でありながらも、韓国語もろくすっぽ話せなければサッカーでも日本を応援する、精神は日本にある人間だ。だから国籍という紙切れ一枚のしがらみは大嫌いで、民団のような団体も、在日コリアン同士の妙な連帯感も厭わしく感じている。しかしそれでも「今回の対応はとても良いね。これだけ早い、キッパリとした態度を示してくれるとは、民団もバカばかりじゃないってことが判ったよ」と笑顔でニュースを観ていた。

しかし朝鮮総連は未だに沈黙を守り続けている。ホームページを確認すると、「ミサイル発射は訓練の一環」であると北朝鮮外務省の人間が発言した内容が記事として掲載されているのみだ。これが彼らの答えなのだろうか。

旦那と私の共通の友人で、朝鮮国籍の男性がいる。彼は全て学生時代を日本の教育機関で過ごし、その頃から共によく遊んできた付き合いの長い人間なのだが、彼に言わせると「もともと共産主義など好きではないし、キム・ジョンイルはマトモな政治家とは思えない。それでも朝鮮国籍を選ぶのは、祖母の出身地が北朝鮮にあるから、というそれだけの理由。一般の在日朝鮮人にオレみたいな奴はたくさんいると思うよ」ということだ。

想像してみればその通りで、彼のように朝鮮国籍でありながらも、現在の北朝鮮の政治や朝鮮総連の行動に反対する人間も少なくないだろう。肉親の出身地に想いを寄せて国籍を選択するというのも、やむを得ない状況であるとも言える(当時の統一朝鮮に郷愁を感じるのであれば韓国籍でもいいのでは、とも思えるが)。考え方など常に十人十色で、国籍や所属団体が同じであっても、個人の思想までも同じだとは限らない。しかし現状がそうだからといって、朝鮮総連は民族団体として日本に在住する朝鮮国籍の人間を守らなくてよいのだろうか。朝鮮総連は何のためにあるのだろう。ひたすら北朝鮮に忠誠を守り続け、拉致や不正輸出入に手を貸すだけの犯罪集団なのだろうか。

既に朝鮮学校の周囲にキム・ジョンイルを揶揄する内容や、在日は北に帰れといった暴言めいたビラが貼られるなど、一般の在日朝鮮人に対する風当たりが強くなっている。この国で朝鮮人であることを貫く以上、仕方の無いことであり耐えるべきだろう。しかし朝鮮総連はそれで良いのだろうか。朝鮮民族が日本で暮らしやすいよう、努力するための団体ではなかったのだろうか。

ミサイル発射から一週間が過ぎようとしている。朝鮮総連の沈黙は続き、団体としての無責任ぶりを露呈しているようにしか思えない。日本政府はミサイル発射をきっかけに北朝鮮との腐れ縁を清算しようと躍起になっているが、朝鮮総連も例外ではないだろう。そのとき苦労するのは誰よりも一般の在日朝鮮人なのだ。前述の通り、この国で朝鮮籍を貫く以上、たとえ一般人であれ辛酸を舐めるのは仕方の無いことだ。だが本当にこのまま、肩身が狭いうちに放り出してしまってよいのだろうか。彼らの立場や思いを、公的に伝達できる機関は朝鮮総連だけではないのだろうか。このような状況に置かれた一般在日朝鮮人の方を、さすがに私も気の毒に思う。あなた方が籍を置く国も団体も、全くあなた方を守ろうと努力していないのだ。あなた方はそれでいいのだろうか。全く、国民や所属員を守れない国や団体ほど、情けなく無能なものはない。

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2006年7月 5日 (水)

ミサイル、発射

北朝鮮より弾道ミサイルが今のところ、7本発射されている。すべて日本より数百キロ離れた、日本海のロシア沿岸付近に投下されているようだ。現在これといった被害は確認されていないようだが、フェリーで北海道を行き来していた方々や、漁業に励む方々には命に関わる脅威だったに違いない。今後も発射される可能性もあるので、とくに漁業に就く方々には仕事にも支障が出てしまうだろう。あくまで発射試験、というのであれば事前に通告されそれなりの対処もできるのだろうに、気の毒な話である。

さて、今回のミサイル発射で露呈されたのは日本政府の軟弱さと、朝鮮総連の無責任ぶりだ。露呈されたというのは語弊があって、予想通りであったというべきかもしれない。あれだけ報道陣に「ミサイルを発射したら、経済制裁を発動します」と毅然と応えていた政府だが、結果は半年間の万景峰号入港禁止のみ。その他、六カ国協議に参加することなどを要請しているようだが、それは経済制裁とは呼べない。朝鮮銀行との取引停止、つまり北朝鮮への送金をストップせねば何ら意味がないのである。おそらくアメリカの反応を待っているのだろうが、なぜ自国にまつわる問題に自ら決断を下せないのだろうか。全く情けない限りだ。

また朝鮮総連に関しては、この問題に沈黙を守り続けている。北朝鮮人権法が成立した際は怒気に満ちた言葉で反論していたのに、さっぱりなのだ。彼らは朝鮮国籍で、日本に在住する朝鮮人の団体であるという自覚はないのだろうか。軟弱な政府ではあるが、これまで「発射するべきでない」「発射に至れば経済制裁が発動される」といった、両国の関係が悪化する内容をアピールしてきた。朝鮮国籍である彼らにとって、無縁ではあるまい。日本に在住する以上どのような態度を取るのか意思表示をせねばならないし、団体として一般の在日朝鮮人を守るためにも必要な行動だろう。結局のところ、ご都合主義の団体なのだ。

しかしアメリカの独立記念日に発射するとは、北朝鮮もなかなかニクいことをする。反米精神を露にする行動そのものは、個人的に嫌いじゃない。これで他国に迷惑をかけず、親日的な国家であれば問題ないのだが、真逆の事態なのが非常に残念だ。

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