2006年12月 8日 (金)

日本代表はいつも弱い

北朝鮮に敗退した若き日本代表だが、全くもってなっていない。いや、選手たちはそれなりに力を尽くしたのだろうし、そもそも私はフィールドでボールを蹴れるほど、あるいは選手顔負けの解説ができるほどサッカーに精通しているわけではないのだけれど、それでも負けたとなると気分が悪い。経済制裁政策や朝鮮総連への圧迫が進む状況の中、サッカーは負けましたではカッコ悪く、情けない。国際試合は決して高校生の試合とは異なり、国の威信を背負ったプロチームが力を競う場なのだから――選手にはもっと大人になってもらいたい。

ワールドカップで後ろ指をさされながら日本を去ったジーコだが、彼の残した言葉で印象深いものが二つある。一つは「サッカー選手はフィールドが”会社”なのだから、金髪やピアスといった風貌は慎むべき」といった内容のもので、Jリーグ開幕時、彼が鹿島アントラーズに在籍した際、選手へ伝えた言葉だ。金髪もダメ、ピアスもダメとは決して体育会系特有のそれではなく、ただ選手へサッカーを生業とする社会人としての自覚を促したかったのだと思われる。サッカー選手はサラリーマンのように堅苦しいスーツを着込んで出社しなければいけないわけでもないし、むしろオシャレな方がテレビや雑誌やらでチヤホヤされる。特に当時、Jリーガーといえばそこそこアイドル的な人気があった。ジーコはそこに釘を刺したい気持ちもあったのかもしれない。あくまでも仕事なのだから、社会人として真摯な態度でサッカーに挑むべきというわけだ。

もう一つはワールドカップの最中、彼が記者会見で放った言葉――「仲良しチームではやっていけない」である。余りに思わしくない結果が続く現状を記者たちに責められてのセリフだったが、ひどく納得してしまった。

今年のことなので記憶に新しい方もいるかもしれないが、日本代表はとにかくチームワークが悪かった。原因は様々なのだろうが、一部では中田選手がキャプテンと戦略も性格も折り合っていないとか、ひとり浮いているといった報道もあって、それらはまんざら嘘でもないのだろう。まぁ、他人が自分と異なる性格や思考を持っているのは当然のことで、あれだけ人数が集まればぶつかり合ってしまうこともあるだろうが――ジーコにとってはハテナな状況だったはずだ。自国チームがワールドカップ出場権を得、その代表となっているのに人間関係などにかまっているのだから。むろんそういった選手たちを招集したジーコにも監督としての責任はあるし、試合での采配ミスも決して否定できない。それでもさすがに人間関係のもつれが浮上するなんて国の代表が聞いてあきれる話であるし、そもそも責任者である監督が下した決断を全うするのもプロ選手としての勤めであるはずだ。プロであり代表であるならば、自らが気持ちよくプレイすることを目標にされては困るのである。結果を出すために、プロとして代表として大人としての責任とプライドをもって尽力するべきであるのに…、という言葉が「仲良しチームではやっていけない」であると思う。

カミサマにこんなセリフを吐かせた今回の日本代表は非常にみっともないし、失礼なのだが――とどのつまり、一体何が情けないかって――Jリーグが開幕した十数年前も今年も、ジーコは「自覚を持て」と言っているのだ。プロ選手である自覚や国の代表選手である自覚といった自らの立場を省みろと、もっと噛み砕くと早い話が「オトナになれ」というわけだ。Jリーグ元年と同様のことを今年、日本のサッカー選手は言われているのである。技術云々ではなくメンタル面の稚拙さを現在も指摘されているのだから、なんとも悲しく情けない話だ。

しかしこれは観客である私たちにも当てはまる内容であって、そうそうサッカー選手ばかりを責めてもいられない。いつもいつも「きっと勝てる」「必ず突破する」だの希望ばかりまくしたて、負ければ「善戦した」とチームを甘やかす報道もサポーターも改善されるべきだ。特にサポーターにいたっては、敗戦後、スタジアムを映すカメラに向ってピースサインを繰り出すあの姿勢――勘弁して欲しい。自らも12番目の選手と名乗り、真剣に応援しているのならば、敗戦直後にカメラに向って笑顔はおろかピースサインなどは出来ないはずだ。しかも全国どころか全世界に放映されてしまうわけで、日本人として非常に恥ずかしい。所詮、日本でサッカーワールドカップなどはただのお祭りで、それに乗じたヒマな人間が応援している――中にはそんな人間がいてもよいのだけれど、さすがに全世界に向ってそんな恥部を露呈する必要もあるまい。サポーターとして観戦した立場を考慮し、自粛するべきだ。ワールドカップ・ブラジル戦終了後さいたまスタジアムの様子が報道された際、ひどく苛立ちを覚えた。アナウンサーも「試合は明け方でしたが、サポーターはみんな元気です」……茶番である。よき代表を育てるためにも、そしてあらゆる試合観戦をさらに充実させるためにも、観客である私たちの意識もシビアに変えなければならない。まぁ愛国心がどうので揉めているような現状では、選手や観客どころか、ろくなオトナが育たないのだろうけれど。

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2006年5月31日 (水)

日本代表はだから弱い

深夜とも呼べる早朝に、W杯前哨戦「ドイツVS日本」が開催されていたことにより、寝不足の方々も多いだろう。私もそのうちの一人なのだが、つい先ほど仮眠をとる機会に恵まれアタマがスッキリしている。なので少し日記っぽく、感想を書いておきたい。

全体的に、チームワークの取れたプレイをしていたと思う。海外遠征組が入っただけあって、パスもよく通っていたし、ひたすらボールに群がるだけのプレイは一切無かった。高原選手はチャンスをしっかりモノにして、決定力をアピールしていたし、ジーコの愛情に恵まれてなんとか代表入りした柳沢選手も、貪欲にボールに食らいついて、前哨戦としては良いものを観せてくれた。

しかし後半も後半になるにつれ、日本代表お決まりの負けパターンが炸裂する。2点リードの優勢状態がもろくも崩れ去るのだ。高原選手が2点目を決めた後、ドイツチームはなんだか死に物狂いでボールを取りにかかってくる。

というのは、なんだかそれまでドイツ選手は気の抜けた、精神的な気負いが一切見られないプレイをしていた。前哨戦ということでケガでも避けたかったのかもしれない。あるいは本当に、日本代表がファインプレーをし続けて手も足も出なかったのかもしれないが、個人的には「やる気のねぇ試合してんなぁ」と感じていた。

しかし2点目を決められ、ドイツの選手陣に火がついてしまう。ボールを奪った際の素早いドリブルなどは、それまで見せることのなかった姿勢だった。ともあれ、日本は2点リードしているのだから、これまで通りしっかりディフェンスしてくれれば勝てるかもしれないという希望があった。頑張って欲しいとつい布団(寝ながら観ていたのだが)を握り締めてしまう。

ところが突然オタオタする日本代表。これがいつものパターンである。日本代表の試合を観ていると、リードした後はかならず追いつかれ、しまいには負けるといった展開が多い。先にリードした安心感からなのか、本当に技術的に勝てないのか、理由は多々あると思うのだが、あっさり1点、2点とゴールされてしまった。

……なんでだ。2点もリードしておきながら追いつかれてしまう、なんてサッカーでは滅多にない展開だ。しかも試合残り、十数分でである。1点決めるために何十分もかかるというのに、どうしてドイツチームはほんの十数分で奪取することができるのだろうか?

中田選手がよくインタビューで話していた内容を思い出す。「日本代表と海外のチームはまず、精神面のベースが違う。日本代表も、海外のチームがどのような想いでプレイしているのか理解しないと、今後はキツい展開になる」……これが一体どういうことか、おわかりだろうか。先ほど私はドイツ選手が”死に物狂い”になったと書いたが、まさにソレなのである。彼らはドイツのプライドをかけて戦っている。特に今回は開催国なのだから、決勝リーグにあがるのも難しいと予想されている東洋の小さな島国のチームに、負けるわけにはいかないのである。

日本代表が選出された際、また監督ジーコまでもがよくインタビューで答えるのが、「予選敗退はしないように」「せめて決勝リーグに行きたい」とか何とか言ってるが、まずこのベースも違っているのである。それはワールドカップを純粋に”サッカーの祭典”ととらえるか、”国のプライドを賭けた大会”ととらえるかの違いなのだ。ドイツを始め、ブラジルだってイングランドだってアルゼンチンだって、フランスだって、なぜあのように強く、熱狂的なサポーターばかりなのかというのは、”国のプライドを賭けている”からだ。よくあるたとえ話だが、80年代のフォークランド紛争以来、イングランドとアルゼンチンの試合は妙に熱っぽい雰囲気があって、闘争心むき出しのプレイをしてくる。両国ともに、絶対に負けてはならない相手だと解しているからだ。だから他国の代表陣はひたすら優勝のみを追い求めている。

その意識の違いは、サポーターやメディアを見比べると瞭然とするのではないだろうか。今回のドイツVS日本の試合だって、日本のメディアでは「あのドイツ相手に善戦しました」だの「2点決めたからよかったです」だの、頑張ったからいいやという漫然とした報道しかしていない。サポーターだって、「いい試合でした」とカメラの前で堂々と言ってのけるくらいだ。決して誰も追いつかれたことを追求せず、怒りもしないのである。一方ドイツでは「開催国がなんというプレイをしているんだ」「ランキング下位の日本相手に苦戦するとは何事だ」といった、批判的な意見が報道されている。

この差は大きい。日本ではあくまで、サッカーは祭典、つまりお祭りなのである。だから頑張った、いい試合を観せてくれたと代表選手を甘やかす。いかにも農耕民族らしい温和な反応で、それは悪いことばかり生み出すことはないけれど、本当に日本代表に強くなって欲しいなら決して甘やかしてはならないのだ。つまらない試合を観せやがって、と怒るべきなのだ。だが、メディアもサポーターも「つまらない試合」だと感じないわけだから、まったくもって…お笑い種ではないだろうか。

日本代表も「せめて決勝リーグまで」とのたまっているくらいだから、どこかで負けてもイイやというヌルい気持ちがあるのである。だから後半になって、絶対に負けたくないと死に物狂いで攻めてくるチームの精神が、理解できない。もちろん技術の差もあるのだろうが、一人一人がサッカー選手としての精神面が充足していないと、勝てるわけがない。だから日本代表はいつも最後に負けるのだ。

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